石崎ひゅーい|怖いもの知らずの“成長期”突入 挑戦してつかんだ確かな手応え

今までとは違う「君」に向けた歌

石崎ひゅーい

──ミニアルバムのラストを飾る「アンコール」は、クリスマスソングのような温かいバラードです。

あまり意識してなかったけど、言われてみると確かにそうですよね。スタッフにも同じことを言われて、そのあとこの曲を流しながら六本木のイルミネーションの中をドライブしたんですけど最高でしたね(笑)。

──街中が幸せに包まれているムードを感じさせる曲というか。

「アンコール」は作る意図がはっきりしていたんです。去年5月から7月にかけて弾き語りツアーで全国を回ったあとにもう1周することになり、みんなにありがとうを伝えるための曲を作るっていう。僕はライブでアンコールをやらないので「アンコール」という曲を作ってみんなに愛を届けるという明確なテーマがあって、だから純粋な気持ちでまっすぐ書けました。

──ライブに足を運んでくれる不特定多数の人たちをイメージしながら書いたんですね。

一応歌詞で「君」という言葉を使っているんですけど、広く感じますよね。今まで「君」を使うときは実在する誰かをイメージできる書き方ばかりしていたので、そうじゃない書き方もできるようになったのかなと思いますね。

──1月の渋谷CLUB QUATTRO公演後にトオミさんが「ひゅーいくんはたくさんの人に愛されていますね、僕も負けずにこれからも愛し続けます」、サポートメンバーの原治武さんが「会場が愛に溢れてた」とツイートしていました。石崎さんが愛を届けるために作った曲が、確かに会場にいた人たちに伝わったからこその空気感だったと思います。

自分で言うのもあれなんですけど、僕の根本的な人間性みたいなものなんでしょうね。けっこう惜しげもなく愛とか夢って言葉を使ったけど恥ずかしくないし、怖くもないし。この曲ができてよかったなって思います。

とにかく曲をいっぱい書きたい

石崎ひゅーい

──去年は弾き語りツアーで全国を2周して、今年に入ってから映画が公開されたり主題歌を担当したドラマがスタートしたりしました。さらに2月に上演された松居大悟さんの舞台「みみばしる」では音楽監督として劇中歌を8曲書き下ろしていて、かなり忙しそうですね。

めちゃくちゃ忙しいですね(笑)。でも映画も舞台もそうですけど、インプットできる場所が仕事場にあるのは幸せなことなので、「忙しい忙しい」って言ってるくらいがちょうどいいかなって。

──そして今作のタイトルが“成長期”という意味の「ゴールデンエイジ」です。忙しい日々を送りながら、自分でも成長を実感できるくらい手応えをつかんでいるということですよね?

はい。このミニアルバムの5曲を書いたときに「あれ、俺こんな曲の書き方今までできなかったぞ」とか「まだこんなの出てくるんだ」って思えたんです。先ほども言いましたけど、「アタラズモトオカラズ」を出してベスト盤を出す前くらいまで自分が今何を歌うべきなのかモヤモヤしてた時期があったので。

──そうやって曲が書けるようになったきっかけってなんだったんでしょう?

音楽でとことん遊ぶってことですね。友達と朝までくだらない歌詞を書いたり、変な曲を作ったり。トオミさんからも「遊ぼう」って言ってもらったし。多分それまで無意識のうちに自分の檻を勝手に作っちゃって、その中でしか曲を作ることを考えられなくなっていたんだと思います。音楽ってもっと自由なものだし、子供みたいな感覚で改めて触れ合ったときにすごくワクワクして、そこからまた曲が書けるようになっていったんですよね。それでアルバムのタイトルを考えているときに「ゴールデンエイジ」という言葉を見つけて、今の自分とこの5曲を表現する言葉としてピッタリだなと思って付けました。

──成長期ということは今後さらに成長した姿も楽しみです。

今までやったことない表現をしたい欲も強いし、それをやることに対しての怖さもないし。そういうふうに思えたことって今までなかったんです。デビューして7年ですけどここからまたいろいろ変わっていく気はしていて、それをはっきり提示できる作品がまずはできたかなって。聴いてもらえたらきっと何かしら感じてもらえると思うし、4月の東名阪ツアーではそれを超えるようなパフォーマンスをするのでぜひ遊びに来てほしいですね。

──現時点でツアーが終わったらやりたいことはありますか?

とにかく曲をいっぱい書きたいですね。いろいろ出てくる気がしていて、何が出てくるのか自分でも楽しみなので集中して曲作りをしたいです。

ライブ情報

石崎ひゅーい バンドワンマンTOUR 2019「ゴールデンエイジ」
  • 2019年4月26日(金)大阪府 Music Club JANUS
  • 2019年4月27日(土)愛知県 SPADE BOX
  • 2019年4月29日(月・祝)東京都 TSUTAYA O-EAST
石崎ひゅーい