chayが語る「インクレディブル・ファミリー」|女の子だって赤ちゃんだってヒーロー!みんなが共感できるファミリームービー

きっとみんながそれぞれのキャラクターに共感できる

──ジャック・ジャックの8つのパワーが覚醒することで、お父さんのボブは大変な思いをしますよね。

映画「インクレディブル・ファミリー」より。

Mr.インクレディブルはスーパーヒーローなのに、家では普通の人と同じように生活していて、家事や育児に苦戦するんだと驚きました。

──ブラッド・バード監督いわく、ジャック・ジャックは親が誰しも感じる育児の大変さを象徴する存在なんだそうです。ジャック・ジャックがどんどん新しいパワーを発揮する様は、気付いたらハイハイができるようになったり、立ち上がったり、歩き出したり……そんな普通の赤ちゃんの姿にも重なりますよね。

確かにそうですね。

──ジャック・ジャックの存在もそうですが、普段は外で働くお父さんがお休みの日に家で子守りをしても全然うまくいかず、毎日家事育児をこなす妻に頭が上がらない、というのはスーパーヒーローではない家庭でもよく見られそうな光景でした。

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ああいう人間らしい一面に共感するお父さんは多いんじゃないかなって思いました。今まで怪力のボブがヒーローとして大活躍していたのに、今回は自分の奥さんであるヘレンが大活躍して称賛を浴びる中、自分はなかなか家事がうまくいかない。息子のダッシュには勉強を教えてもうまく伝わらなくて、「パパじゃなくてママに聞こう」なんて言われちゃって。たぶんダッシュは悪気なく言ったと思うんですけど、グサッと刺さってましたよね。ちょっと笑っちゃいましたけど、世の中のお父さんからすると痛いほどわかる気持ちなんじゃないかなって。

──ヘレンの活躍は本当にすごかったですよね。

最前線で大活躍するヘレンを観ていて、同じ女性として誇らしいなと思いました。あと私はダッシュみたいに好奇心旺盛な子供だったので、ダッシュにも共感しちゃいました。私は歌手にならなかったら幼稚園の先生になろうとしていたくらい子供が好きなので、ヤンチャな少年はやっぱりかわいいなと思いました。

私の場合は音楽がスーパーパワーになり得る

──ボブの家族が持つスーパーパワーを何か1つ手に入れられるなら何がいいですか?

ジャック・ジャックは最強すぎるからひとまず置いておいて……うーん、ヴァイオレットかな。最前線で敵を倒すのもいいですけど、いざとなったときにみんなをバリアで守れるのはいいなと思いました。

──ボブの家族が持つスーパーパワーは、ブラッド・バード監督が思う父親像、母親像などから着想を得たものになっているんですよね。父のボブは「パパはいつも強くあるべき」という監督の考えから怪力を、母のヘレンは「ママはいつでも忙しくて、あちこちに手を伸ばしている」という監督のイメージからゴムのように伸びるボディを持っています。もしchayさんに能力があるとしたらどんな能力だと思いますか?

うーん、歌ったらその歌声で敵をふっ飛ばすとか? そういう感じかな。友達に言われて知ったんですけど、私は常に鼻歌を歌ったり口笛を吹いたりしているらしくて。メロディが魔法になるんだったら、ある種ジャック・ジャックみたいになっちゃうなとも思いますけど(笑)。私は歌ったり、ギターを弾いたりしているときは本当にパワーが漲っているんですよ。

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──パワーが漲っている?

常に音楽には夢中で取り組んでいるんですけど、なんかゾーンに入り込んじゃうときが何年かに一度あるんですよね。自分がよだれをたらしていることにも気付かないくらい集中しちゃうときが。つい最近のレコーディングで8年ぶりくらいにそのゾーンに入ったんです。そういうときってパワーが漲っていると思うし、本当に自分は無敵だなと思います。

──その無敵感は音楽をやっているときにしか感じないものなんですか?

音楽をやっているときしか経験したことがないですね。ほかで褒められたものってそんなにないし、自信もなくて。ステージで歌ってファンの皆さんを笑顔にできたとき、自分の存在価値がやっとわかると言うか。だから私の場合はやっぱり音楽がスーパーパワーになり得ると思います。

──「インクレディブル・ファミリー」にはたくさんのヒーローが登場しますが、chayさんにとってのヒーローはいますか?

シンディ・ローパーですね。落ち込んでくじけそうになったときにずっとシンディ・ローパーの曲を聴いて励まされてきたので。自分らしくていいんだって、何度も背中を押してもらえたので自分にとって唯一無二なヒーローだし、憧れのアーティストです。

音楽もアニメーションも楽しめて、充実感がすごい

──「インクレディブル・ファミリー」は音楽も素晴らしかったですよね。ミッドセンチュリーの世界観で描かれる本作ですが、音楽も20世紀半ばに流行っていたジャズがフィーチャーされて、ホーンやストリングスを取り入れたリッチなサウンドもワクワクさせてくれる要素の1つでした。

映画「インクレディブル・ファミリー」より。

BGMは映画を観るうえですごく大事な要素だと思うんです。音楽によって観ているときの感情がかなり左右されるので。「インクレディブル・ファミリー」はシーンごとの音楽がものすごく映像とマッチしていて、感情をかきたてられました。相当音数が多くて、ホーンやストリングスがたっぷり使われていましたよね。きっとオーケストラぐらいの楽器の数で演奏しているんだと思うんですけど、迫力があってまさにこの映画にぴったりでした。

──エンディングも見逃せないですよね。

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そうそう。迫力満点でスリリングな映画が終わったあとに、エネルギッシュな音楽をエンディングで聴けて爽快感がありました。エンドロールのアニメーションもおしゃれでしたよね。エンドロールって飽きちゃうこともあると思うんですけど、「インクレディブル・ファミリー」はずっと音楽とアニメーションを楽しめて、劇場を出るときの満足感がありました。映画によっては描ききらないことで魅せるものもあると思うんですけど、「インクレディブル・ファミリー」はしっかりやりきって終わる作品なので、充実感がすごかったです。

──chayさんは前作を観てからの鑑賞でしたが、いい意味で続編感がないと言うか、「インクレディブル・ファミリー」だけを観た人でもきっと満足できる内容だなと思いました。今回は日本語字幕付きでの鑑賞でしたが、吹替版も三浦友和さん、黒木瞳さん、綾瀬はるかさん、髙田延彦さんと豪華な声優陣で気になるところかと。

今回は試写で観させてもらいましたが、絶対に映画館でも観たいので次は吹き替えで観ようと思っています。

──誰と観に行きたいですか?

家族で観に行くとより家族の絆を感じておうちに帰れそうですよね。やっぱり私は父とかな(笑)。ほかのピクサー作品もそうですけど、今回は感情移入しやすいキャラクターが多くて大人から子供まで楽しめる映画だと思うので、老若男女にオススメしたいです。“老若男女問わず楽しめるもの”っていうのを私もずっと音楽で目指しているので、今回「インクレディブル・ファミリー」を観て、やっぱりそういうものはいいなと改めて思いました。

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「インクレディブル・ファミリー」特集
スピードワゴン小沢が語る「インクレディブル・ファミリー」スピードワゴン小沢が語る「インクレディブル・ファミリー」
「インクレディブル・ファミリー」
2018年8月1日(水)全国ロードショー
「インクレディブル・ファミリー」
ストーリー

彼らは、どこにでもいる普通の家族ではない。パパもママも3人の子供も、それぞれ異なるスーパーパワーを持ったヒーロー家族である。超人的なパワーを持つパパ・ボブ、伸縮自在なゴム人間のママ・ヘレン、鉄壁バリアで防御できる長女ヴァイオレット、超高速移動できる長男ダッシュ。さらに、スーパーパワーに目覚めたばかりの赤ちゃんジャック・ジャック……その潜在能力はまだ未知数だ。“家事も育児”も“世界の危機”も、驚異のスキルと家族の絆で乗り越える姿を描いた一家団結アドベンチャー。

スタッフ

監督・脚本:ブラッド・バード

音楽:マイケル・ジアッキーノ

日本版キャスト

ボブ:三浦友和

ヘレン:黒木瞳

ヴァイオレット:綾瀬はるか

ダッシュ:山崎智史

アンダーマイナー:髙田延彦

ヴォイド:小島瑠璃子

ヘレクトリクス:サンシャイン池崎

chay(チャイ)
chay
1990年生まれの女性シンガーソングライター。小学生の頃からピアノで曲を作り、大学に入学すると同時にギターを始めて路上ライブなどの活動を開始する。2012年10月にロッテ「ガーナミルクチョコレート」のCMソング「はじめての気持ち」でワーナーミュージック・ジャパンよりCDデビュー。2013年10月から2014年3月までフジテレビ系「テラスハウス」にレギュラー出演し話題になる。2014年5月から雑誌「CanCam」の専属モデルとしての活動もスタート。2015年2月にフジテレビ系月9ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の主題歌シングル「あなたに恋をしてみました」、同年10月に筒美京平作品のオマージュをちりばめたシングル「好きで好きで好きすぎて」をリリースした。2016年にはシングル「それでしあわせ」「運命のアイラブユー」を発表。人気ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」のオープニングテーマに、荒井由実の名曲「12月の雨」のカバーが採用された。2017年6月に2ndアルバム「chayTEA」を発表。8月にはアルバムを携えた全国ツアーを行った。2018年6月にはデビュー5周年を記念したアニバーサリーソング「ずっと きっと 叶う」を配信リリース。7月にはアニバーサリーライブを東京と大阪で開催した。