アイドルカレッジ インタビュー|ベストアルバムで見せる14年の歴史とフレッシュさ、自信を携えて憧れの野音へ

アイドルカレッジのベストアルバム「アイドルカレッジ ベストアルバム2023~黄昏(トワイライト)~」がリリースされた。

今年でグループ発足から14周年を迎えたアイドルカレッジ。エムカード形式で発売されたベストアルバムには、過去曲の中から厳選した全17曲を、ベテランメンバー、次世代メンバーが混在する現体制で再レコーディングした音源が収録されている。

音楽ナタリーではメンバーのうち、海老原優花、若林春来、高橋媛、髙桑凜羽の4人にインタビュー。ベストアルバムの中で特に思い入れのある楽曲や、9月に開催される東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)ワンマンについて語ってもらった。

取材・文 / 川崎龍也撮影 / 佐々木康太

インタビュー参加メンバー

海老原優花

海老原優花

海老原優花(えびはらゆうか)

加入時期:2011年9月(2代目リーダー)
生年月日:1996月1月1日
出身地:神奈川県

若林春来

若林春来

若林春来(わかばやしはるき)

加入時期:2016年12月
生年月日:1995年4月5日
出身地:千葉県

高橋媛

高橋媛

高橋媛(たかはしひめ)

加入時期:2020年8月
生年月日:2004年9月20日
出身地:愛媛県

髙桑凜羽

髙桑凜羽

髙桑凜羽(たかくわりう)

加入時期:2022年3月
生年月日:2005年9月1日
出身地:石川県

アイカレには素晴らしい才能を持ったメンバーがたくさんいる

──「アイドルカレッジ ベストアルバム2023~黄昏(トワイライト)~」は2016年にリリースされた「idolcollege」以来、実に7年ぶりのアルバムとなりますが、この7年の間にメンバーの入れ替わりや過去最大規模となるTOKYO DOME CITY HALLワンマンの開催だったりと、さまざまなことがありました。これらすべてを経験しているのは4人の中で海老原さんだけなんですよね。

海老原優花 いやー、本当にいろいろありましたね。私は1stアルバム「軌跡」以外の作品にすべて参加しているんですけど、7年の間にアイカレのメンバーとしてさまざまなことを経験してきて。改めて振り返ると、ファンの方とのいろんなつながりを感じられる、すごく充実した7年間でした。

──2018年に開催された「9th anniversary アイドルカレッジ9大都市ツアー!!!~奇跡と軌跡、未踏のチャレンジ!!!~」のMCで、すでに卒業された石塚汐花さんが「ここまで来るのは平坦な道でなかった」と語っていたのが印象に残っているのですが、確かにアイドルカレッジはこれまでに紆余曲折があったと思います(参照:アイドルカレッジ、TDCホールで9大都市ツアー完遂「絶対にアイカレは終わらせません!」)。それでもこうして乗り越えて来られたのはなぜだと思いますか?

海老原 アイカレを支えてきたメンバーが卒業するたびに「アイカレもう終わったな」という言葉をSNSとかで投げられてきたんです。でも私は「まだこんなに素敵なメンバーがいるのに、なんでそんなこと言われなきゃいけないんだろう……」と心の奥では思っていて。もちろんメンバーの卒業は悲しいし、グループにとって大きな出来事ではあるんですけど、アイカレにはいつでも素晴らしい才能を持ったメンバーがたくさんいるんです。そのメンバー個々の才能がグループにとって何より大きいものなんだと思います。

若林春来 メンバーが卒業していくと、自分の立ち位置がグループの中で先輩になっていくので、後輩のために何ができるのかということを考えるマインドに変わっていくんです。それは私以外のメンバーも同じで、そうした考え方の変化がグループ内で起こることでアイカレ全体が強くなっていったと思います。

左から高橋媛、若林春来、海老原優花、髙桑凜羽。

左から高橋媛、若林春来、海老原優花、髙桑凜羽。

ベスト盤の中で思い入れのある曲は

──ベストアルバムは全17曲入りの作品で、卒業されたメンバーも含めてアイドルカレッジが今まで築き上げてきた歴史がたっぷりと詰まっていますね。

若林 “ザ・ベストアルバム”という感じで、今までのアイカレをいいところをギュッと詰め込んだ作品という印象を私は受けました。初期の曲から最新の曲まで収録されているので、まさにアイカレの14年の歴史がわかるようなアルバムになっていると思います。

──アイドルカレッジがこれまで構築してきたブランドを引き継ぎつつも、フレッシュな魅力を備えていて、グループとして確実に前へ進んでいる印象を受けました。過去の曲を再レコーディングしてみていかがでしたか?

海老原 昔の曲を現在のメンバーで再録したことで、全体的にフレッシュな声になっているというか、新しいアイカレの姿を見せられたんじゃないかなという思いがあります。

若林 まさか昔の曲を再レコーディングする機会があるとは思ってなかったのでうれしかったです。自分が参加していなかった曲も歌うことができましたし、過去に先輩が歌っていたパートを担当させていただけて、やってきてよかったなという気持ちです。ファンの方にとって、現体制で収録した曲を聴くのはこのアルバムが初めてだと思うので、ぜひメンバー1人ひとりの声に注目してほしいですね。

若林春来

若林春来

──高橋さんは2020年に、髙桑さんは2022年にアイカレのメンバーになったわけですが、加入前の曲をレコーディングすることにどんな思いがありましたか?

高橋媛 私は、昔のアイカレの曲をレコーディングしてみたいとずっと思っていたんですよ。でも普通はそんな機会はないし、無理だなと半ばあきらめていて。こうしてベストアルバムという形でアイカレの歴史に加わることができて、すごくうれしかったですし、アイカレが紡いできた歴史を噛み締めながらレコーディングさせていただけるいい機会でした。

髙桑凜羽 私はそもそもレコーディングに参加すること自体、このアルバムが初めてなんです。すべてが初めての経験だったので「ちゃんと歌えるのかな」と心配していたんですけど、いざレコーディングをしてみたら楽しくて。ファンの方に早く届けたいという気持ちで歌いました。

──アイドルカレッジは14年間の歴史があるグループですから、昔の曲を改めてレコーディングするとなると、それなりにプレッシャーもあったのではないでしょうか?

海老原 ありましたね。以前よりもうまく歌わないといけないというか、いいものに仕上げなければいけないというプレッシャーが正直あって、いつものレコーディングよりも緊張しました。

──昔の音源というのは意識されました?

海老原 すでに曲として完成されているものなので、できるだけオリジナルの歌に変なアレンジを加えないようにというところは意識しつつ、新しいアイカレらしさも加えていくことに挑戦しました。そのあたりはほかのメンバーと共有しながらすり合わせていきましたね。

──収録曲17曲の中で、メンバーの皆さん的に特に思い入れの強い曲はありますか?

若林 私は「ココロダンス!!」がすごく印象に残っています。もともとダンスでセンターに立たせてもらっている曲なんですけど、歌には参加していなくて、今回初めて歌のパートをいただいたんです。この曲に自分の声が入るのがうれしかったですし、私の中で一番のお気に入りの曲です。

海老原 私は「#常夏女子希望!!!」ですね。リリースされた当時も私はレコーディングに参加していたんですけど、全然上手に歌えなかった記憶があって……。私はあまり声が高いほうではないので、サビの音程を合わせられなくて苦戦したんです。でも改めてレコーディングしてみたらちゃんと歌えるようになっていて、自分の成長を実感しました。

海老原優花

海老原優花

──「#常夏女子希望!!!」はダンスパートの見せ場もあって、ライブでは欠かせない1曲ですよね。

海老原 ライブで盛り上がる夏の定番曲です。夏らしいさわやかでノリノリな曲ではあるんですけど、Bメロや落ちサビには少し儚げなところもあってエモいんです。そういうところが大好きですね。

高橋 私は「AKATSUKI」が大好きです。汐花さんがもともと歌っていたパートを担当させていただいたんですけど、ずっと汐花さんへの憧れがあったのでそれが何よりもうれしくて。今後ライブでもしっかり歌えるように、練習を重ねていきたいです!

──「AKATSUKI」は2018年にリリースされた、高橋さん加入前の曲ですね。

高橋 実はアイカレの曲の中で初めて聴いたのが「AKATSUKI」だったんですよ。メッセージ性の強い歌詞や、ダンスを踊るときのメンバーの一生懸命さにすごく衝撃を受けました。そういった経緯もあって思い入れが強い曲です。

髙桑 私は「無我夢中Days」が一番心に残っています。この曲は歌詞が本当によくて、ライブ中でもときどき泣いちゃうことがあるほどです。卒業ライブでよく披露される曲でもあるので、この曲を聴くと卒業したメンバーのことを思い出してしまうんです。

海老原若林高橋 わかるー!