「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 2nd D.R.B どついたれ本舗 VS Buster Bros!!!」岩崎諒太×木村昴×ポチョムキン|笑いあり!涙あり!ぶつかって高め合う2ndバトル開幕!

最後は「おめえ、強えな」「お前もやるじゃねえか」って

──今までのヒプマイのライブは全ディビジョンが登場していましたが、今回の「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 6th LIVE <<2nd D.R.B>>」は2ディビジョンによる、文字通り「バトルライブ」になっています。

木村 やっぱりバトルなんで、お互いをディスる部分はありながらも、嫌な感じにしたくはなかったんですよ。お互いを応援してるファンの方に楽しんでもらえる形にしたくて。だからバトル曲の「Joy for Struggle」で終わるんじゃなくて、「ED Medley(Survival of the Illest + / SUMMIT OF DIVISIONS)」で締めたり。バトルがピークではあるけど、そこからもう1回お互いを称え合うような流れが作れたのもとてもよかったと思いますね。

岩崎 前回の「1st Division Rap Battle」がすごいバトルだったので、新加入した僕は気負う部分もあったんです。でも、オオサカは「笑い」がテーマだと思っているので、重い感じを残したくなかった。バトルなんだけど「観て楽しかった、面白かった」というものにしていきたいなって。そこにイケブクロも呼応してくれたと思うし、いい相乗効果が起こせた気がします。

木村昴

木村 間違いないですね。確かに前回のバトルとその結果発表があった「“2nd LIVE@シナガワ《韻踏闘技大會》”」は僕らの気合いの入り方もすごかったし、ファンの方のディビジョンに対する「勝たせたい!」って思いも強かったから、バチバチな感じだったんですよね。もちろんケンカになったりはしないんだけど。結果発表でも勝ったディビジョンのファンはいいけど、負けたディビジョンのファンはもう爆泣きですよ。僕らもヨコハマに超僅差で負けて、正直根に持ったし(笑)。

──悔しいを超えて根に!(笑) 一郎とヨコハマの碧棺左馬刻は当時のストーリーラインでは犬猿の仲というのもあって。

木村 キャラクターに入れ込みすぎていて、エンタテインメントができてなかったな、カラッとしてなかったなと思ったんですよね。だから今回は昔のヤンキーマンガじゃないけど、拳で語り合って、最後は土手に2人で寝っ転がって「おめえ、強えな」「お前もやるじゃねえか」って友情が芽生えるようなものにしないとなって。

──「Let'sダチ公」(原作:積木爆、作画:木村知夫によるヤンキーマンガ)の「タイマンはったらダチ!」イズムというか。

木村 そういう感じを今回のバトルでは目指しましたね。だからその相手がオオサカでよかったっすよ。ヨコハマだったら因縁がありすぎてまたギスギスしてたかも知れない(笑)。

岩崎 オオサカとしては、新参入ディビジョンとして新たな可能性を「ヒプマイ」にもたらしたいという思いもあって。バトルはバトルとして緊張感を持ちつつ、いかにエンタテインメントの方向に持っていけるかを考えました。イケブクロが完全に三位一体でドン!とストレートにまっすぐ来るところをオオサカはゴチャゴチャしながら包み込むみたいな。そういう両者のよいところが感じられるような、観ていて気持ちいいライブにできたらいいなと思ってました。

ファンの解釈や二次創作も意識して制作

──2組がラップをぶつけ合う「Joy for Struggle」も、ヒリヒリしたバトル曲というよりは、まさしく「Joy」な感触がありますが、その雰囲気もライブに影響したのかなって。

木村 間違いないですね。この曲はオオサカの明るさと、イケブクロの強さを同時に引き出してくれた曲だと思います。

──この曲の構成はどのように組み立てられたのでしょうか?

ポチョムキン 「Joy」というタイトルだし、サウンド自体が明るいファンクでもあるので、歌詞の世界観的にも遺恨が残らない、カラッとした罵詈雑言の応酬をイメージしています。だけど、バトルなのでキツイこともちょこちょこ入れようかな、みたいな。キャラクターとしてオオサカとイケブクロの相性がよかったから書きやすかったですね。

岩崎 オオサカとイケブクロだからこその因縁や関係性も入ってるから、バトル曲でありながらのエモさがすごくあるんですよね。

木村 親子である天谷奴零と一郎のバトルとか、完全にキャラクター同士で入り込めるし、そのリリックに違和感がないから、全部がまるで自分の中から湧いた言葉のようになっていて。簓と一郎のパートもそうですね。

岩崎諒太

岩崎 一郎のまっすぐさがすごく伝わってきたんですよね。簓も簓で一郎を昔から知ってるからこそ言える言葉を差し込んだり。それから簓と盧笙の漫才しながらのディスですよね。

木村 漫才パートは激ウマ。「内心しょう(内申書)思うてます〜」とか。

ポチョムキン 同音異義語を使うとダジャレっぽくてオチに使いやすいんですよね。もともと博多仁和加っていう伝統芸能があって、それはダジャレとかうまいことを言って落とすのが多いんですよね。

──餓鬼レンジャーも「にわか先生」(アルバム「DA-PONG」収録)で博多仁和加を題材にされていますね。

ポチョムキン そうですね。それをヒントにして台本を作りました。

木村 へえー!

岩崎 秀逸ですわ。でも、その漫才に対して二郎の「笑えねんだよ 張り倒すぞ」ってバシッと返すとこも最高です。ツッコミ鋭っ!って(笑)。

ポチョムキン 自分的にもあそこのフレーズは気に入ってます(笑)。

木村 僕が好きなパンチラインは「これはチワワ対シベリアトラ 俺たちならば一撃だコラ」。めちゃめちゃ韻踏みまくってて。

ポチョムキン ありがとうございます。「おはようイケブクロ」を作ったときにエゴサーチしたら、歌詞の解釈や二次創作がめちゃくちゃ面白くて。それで「シベリアトラ」とか「鼻毛以下」みたいな、意識的にいじられやすいワードを入れてみました。実際、「鼻毛以下」はライブでもかなり盛り上がってた(笑)。

仮歌を声優がキャラクターに合わせてアレンジ

──この曲は今までポチョさんが餓鬼レンジャーやソロの作品で試されてきたスキルが反映されている部分を強く感じました。

木村 「うっさい先コウ なんか堅ぇーな」とか確かにポチョさんっぽいですよね。

ポチョムキン でも仮歌とはまったく違う、それぞれのキャラクターの曲になってるのが毎回すごいなと思うんですよ。例えば三郎の「俺たちの絆 歴史 土足厳禁 クズはシカトして 努力前進」の「努力前進」は、仮歌では普通に歌ってたんですけど、完成品は「どりょくぜんしーん」って三郎っぽく煽るフロウになっていて。

──三郎は天才だから基本的には「努力前進」しないタイプだろうし、努力前進なんて簡単にできるよって雰囲気がそこに出てますね。

木村 ああ、確かに。

ポチョムキン 簓の「多分才能もっともとないやん」も笑いながら歌う感じに仮歌ではしてなくて。そういう声優側によるアレンジも制作者側は聴いてて楽しいんですよね。

木村 ポチョさんには「おはようイケブクロ」に加えて、アニメのエンディングテーマ「絆」のイケブクロバージョンの歌詞も手がけていただいて。

ポチョムキン そうですね。餓鬼レンジャーでやらせてもらいました。

木村 だから今回もポチョさんに作っていただけるのはホントにアガったんですけど、バトル曲とはいえ、ポチョさんがオオサカのヴァースを書いているのにすげえやきもちを妬きました。俺たちのポチョさんなのに!!って(笑)。

ポチョムキン アハハ(笑)。でもそれ逆もあるよ。イケブクロの曲をいろんな人が作ってると「キー!」ってなる(笑)。「Re:start!!!」も超いい曲だったし、皆さんさすがだなと。


2021年3月24日更新