ひらがなひなた衝撃作、その名も「SUZUKA」
──シングルには選抜とひなた坂46に分かれてのカップリング曲や期別のユニット曲が収められています。ひなた坂46による全形態共通のカップリング曲「SUZUKA」は……何事かと思いましたけど。
金村・髙橋 はははは。
──今回のひなた坂46は髙橋さん、高瀬愛奈さん、富田鈴花さん、石塚瑶季さん、小西夏菜実さん、清水理央さん、竹内希来里さん、平岡海月さん、渡辺莉奈さんの9人で、スージーこと富田さんを主人公にしたファン目線、メタ視点のラブソングになっています。曲調は至って真面目な歌謡曲テイストですけど、何より歌詞のインパクトがすごいですね。
髙橋 私たちも曲をもらったときはびっくりしました。今までになかった歌詞、なかったタイトルで。でも新しい挑戦として面白そうだなと。今回、ひらがなひなたは9人と少ないメンバー編成ですけど、センターである鈴花さんの歌声を主軸に、少ない人数だからこそ個人個人のよさを見せられる曲にしていきたいなと思っています。
──シングルTYPE-Aには選抜チームのカップリング曲「孤独たちよ」が収録されます。この曲も「卒業写真だけが知ってる」に引けを取らないキャッチーさ、王道感がありますね。
金村 私も思いました。「卒業写真だけが知ってる」の続編というかアンサーソングというか、その裏側を書いているような。きっと秋元先生が「菜緒ちゃんは教室の中で1人で席を離れて黙々とやってるタイプなのかな」みたいな想像をして書いたんじゃないかなって(笑)。
──一方、シングルTYPE-Bに収録されるひらがなひなたのもう1つのカップリング曲「あの娘にグイグイ」は「SUZUKA」ともまた違う、カラッと明るい軽快なロックンロールです。
髙橋 ライブで歌ったら間違いなく盛り上がる「THE アイドルソング」って感じですね。「SUZUKA」とのギャップもあるので、ひらがなの幅がまた広がるかなと思います。ひなた坂46は過去2枚のシングル発売に合わせてライブをやりましたけど、誰がセンターに立つかでけっこう色が変わるんですよ。今回もライブがあればこの2曲は絶対に披露されると思いますし、ライブでどんなふうに表現されるのか楽しみです。
──髙橋さんはグイグイタイプ?
髙橋 いいえ。わりとなよなよタイプです(笑)。性格的には「卒業写真だけが知ってる」タイプですね。この曲もセンターは鈴花さんですけど、鈴花さんもああ見えて意外とグイグイではない。
──パリピキャラでグイグイの皮をかぶっているだけで。
髙橋 だと思います(笑)。
二期生では珍しいTHE アイドルソング、一期生の卒業ソング、四期生のおっちょこちょいセンター
──TYPE-Cに収録される「43年待ちのコロッケ」は金村さん、小坂さん、富田さん、河田陽菜さん、松田好花さんの5人による楽曲で、要するに二期生のユニット曲なのですが、二期生が現在5人だけだということを忘れていたので、パッと見たときに「どんなユニットなんだっけ?」と思ってしまい。意外なところで寂しさを実感してしまいました。
金村 そうですよね。曲としては、二期生曲では珍しいアイドルっぽい曲調で……私、ユニットでこういう「THE アイドルソング」を歌うことに憧れがあったんですよ。
──確かに、二期生曲と言うとちょっと挑戦的で風変わりな“奇曲”のイメージがあります。
金村 暗い曲とかロックな曲が多かったので。二期生でこういう曲を歌うのは私としては念願だったので、すごくうれしいです。
──明るくポップなのも意外ですし、食べ物モチーフの楽曲といえば三期生のイメージがあったので「二期生が食べ物曲を?」とも思いました。
金村 そうなんですよ! この感じは今までだとだいたい三期生ですよね。パフォーマンスも二期曲は見せるタイプというか、「ウオー!」と盛り上がる感じではなくて。「43年待ちのコロッケ」は二期生が会場のいろんなところに散らばって「イエーイ!」みたいな場面が想像できるので、ライブで歌うのが今から楽しみです(笑)。
──TYPE-Dのカップリング曲「Instead of you」は一期生の佐々木久美さん、佐々木美玲さん、高瀬愛奈さんのユニット曲です。「今日のサヨナラは 明るい未来のため」「今 振返っても 最高の青春だった」と仲間との別れと友情を歌う、これも「卒業写真だけが知ってる」と同じく卒業ソングですね(※インタビュー時は一期生3人の卒業はまだ発表されていなかった)。
髙橋 エモいですよね。一期生さんもずっと活動してきた仲間の卒業を経験されて……今この3人が歌うことに意味があるんだなと思います。一期生さんが実際に思っていることが歌詞になっているんじゃないかなって。
──通常盤のカップリングには四期生の楽曲「足の小指を箪笥の角にぶつけた」が収録されます。
金村 この曲は山下葉留花がセンターで、さっき自分でも「っぽい」って言ってましたね(笑)。
髙橋 あー、っぽいかも。
──足の小指を箪笥の角にぶつけそうなタイプ?
髙橋 やってそうですねー(笑)。
金村 ちょっとおっちょこちょいな一面があるので、そういうところも秋元先生に見られてるのかなって。
2025年の日向坂46は?
──年末には念願だった観客の声援ありの東京ドーム公演(※2022年に行われた日向坂46初の東京ドーム公演はコロナ禍のため観客の発声が禁じられていた)も実現し、日向坂46はニューシングル「卒業写真だけが知ってる」で2025年のスタートを切ります。2025年の日向坂46について、現時点でお二人はどのような目標を持っていますか?
金村 2024年の出来事としてはやっぱり「ひなたフェス」の開催が大きくて。宮崎県で野外のライブができたことは、おひさま(日向坂46ファンの呼称)の皆さんにとっても思い出に残るものだったと思うんです。東京ドームをはじめ、都内や関東で大きなライブはたくさん経験させてもらっていましたけど、「日向坂で会いましょう」(テレビ東京のレギュラー番組)が放送されていない地域ではおひさまがなかなか増えないのは課題としてあって。もっと全国を回って、いろんな地域の方に直接会って、おひさまの輪を広げていきたいです。
──大きな会場にたくさんの人を集めるというよりも、いろんな場所でいろんな人に会いたい?
金村 はい。メンバーみんなで話し合ったときも、大きい会場を目指すというよりは、小さいイベントでもいいからもっといろんな場所を巡りたいという声が多かったです。今の私たちが大きなステージに立てるのも、先輩方が地道な努力を重ねてきたからで。初心を忘れちゃいけないなというのはすごく感じます。
髙橋 2024年は「ひなたフェス」だったり、ひらがなひなたのライブだったり、四期生だけの公演もあったり、いろんな新しいことにチャレンジできた1年だったので、2025年も変わらずステージに立つ機会を多く持ちたいです。自分がライブが好きだからというのもありますけど。今はメンバーの卒業が続いて、心が揺れ動いているおひさまもきっといると思うんです。そんな中で、そういった方を引き止めるにはどうしたらいいんだろう?と考えたとき、私はやっぱり楽曲の力、パフォーマンスの力を感じられるライブの空間が大事だなと思うので、ライブができる機会をなるべく多くしたいです。
──ではお二人それぞれの個人的な目標は? 「2025年、私はこうなる!」と予言するとしたら、どんなことになるでしょう。
金村 えー? でもさ、言葉にしちゃうと……。
髙橋 そう考えちゃう気持ちもわかりますよ。
金村 叶えられるかどうかは別としてだよね。
髙橋 いいんですよ。言っていきましょう。
金村 ……私から?
髙橋 うん(笑)。聞いてみたい。
金村 2025年は……本当に口だけですけど、演技をがんばりたいと思っていて。演技はずっと苦手分野として挙げてきたんですけど、なぜ急にそう考えたかというと、やっぱり一番広く知ってもらえる機会につながると思うんですね。ライブは日向坂46に興味を持った人が来てくださる分野なので、もっと広く知ってもらうにはドラマやバラエティに出ることも大事で。春に大学を卒業するので、新たに学ぶことを増やしたいなと考えたときに、自分で「チャレンジしてみたい」と思ったのが演技でした。
──この予言が年内に実現すると、このインタビューの発言にも価値が出ますね。
金村 どうでしょうねー(笑)。がんばります!
髙橋 私はよくも悪くも個人的な活動に興味がないというか……私がやりたいことは楽曲の制作だったりライブだったり、日向坂46のみんなで何かを作ることだけなので、個人的な目標というと率直に「ない」になっちゃうんですよ。今は副キャプテンという役割もいただいたので、グループのことをより考えて鼓舞できる、士気を高められる存在になりたい、というのが大きな目標ですね。個人として人間力を上げます(笑)。それかなあ。
金村美玖だけが知ってる / 髙橋未来虹だけが知ってる
──インタビューとしては以上で終了でもよいのですが、シングルのタイトルにちなんで1つだけ。日向坂46のメンバーについて「金村美玖だけが知ってる」「髙橋未来虹だけが知ってる」ことがもし何かあれば教えてください。
髙橋 おお。
金村 何かある?
髙橋 絶対ある。だって、変な人たちばっかだもん(笑)。えーと、日向坂46には末っ子が多いからなのか、寂しがり屋、甘えん坊が多いと思っていて。この前、丹生(明里)さんと(濱岸)ひよりさんの卒業があったじゃないですか。福岡でひよりさんの卒業セレモニーが終わったあと、丹生さんと仲のよかった山口陽世と、ひよりさんと仲のよかった河田陽菜さんが私の部屋に来ました。「保護して」って。
金村 あー(笑)。かわいい。
髙橋 私はラジオの生放送終わりで遅くに戻ってきたので「まだ起きてる人いたんだ?」って感じだったんですけど、「まあ来な」って呼んで、宴を開いてました(笑)。そんな寂しがり屋がいるのを知っています。
──いい話ですね(笑)。金村さんはいかがでしょう?
金村 金村美玖だけが知ってること……。あ、そういえば最近、富田鈴花にずっとついて来てる子がいて。竹内希来里っていうんですけど。
髙橋 アハハハハ! 最近確かに。
金村 ずーっとすずちゃんのあとを追ってるんですよ。たまちゃん(石塚瑶季)とかもよく一緒にいる。何がきっかけでそうなったのか私は知らないんですけど、たぶん今ひらがなのセンターだから、後輩と接する機会が増えたんだと思う。すずちゃんは選抜の活動だと後輩と絡んでるところをそんなに見なかったので、なんか今すごいワクワクする(笑)。「すごい、子分ができてる!」って。かわいいなーと思って、ひっそり見守っています。
公演情報
日向坂46「6回目のひな誕祭」
- 2025年4月5日(土)神奈川県 横浜スタジアム
- 2025年4月6日(日)神奈川県 横浜スタジアム
プロフィール
日向坂46(ヒナタザカフォーティーシックス)
2015年に秋元康プロデュースによる欅坂46のアンダーグループ・けやき坂46として、長濱ねるを中心とするメンバー12人で活動開始。2018年6月に、けやき坂46名義で1stアルバム「走り出す瞬間」を発表。2018年に三期生が加入し、2019年2月には、けやき坂46から日向坂46へグループ名を改名した。同年3月に1stシングル「キュン」を発表し、この曲で年末の「NHK紅白歌合戦」に初出場。以降コンスタントに作品をリリースし、2022年3月にはグループ結成時からの目標であった東京・東京ドームでのワンマンライブ「3周年記念 MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~」を成功させた。2023年11月に2枚目のオリジナルアルバム「脈打つ感情」を発表。2024年5月にリリースされた11枚目のシングル「君はハニーデュー」では日向坂46にとって初の選抜制度が導入され、選抜メンバー16人が表題曲を歌唱し、選抜メンバー以外の12人は“ひらがなひなた”ひなた坂46として7月に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて、ひなた坂46による初の単独公演「11th Single ひなた坂46 LIVE」を開催した。9月には宮崎・ひなた宮崎県総合運動公園 ひなたサンマリンスタジアム宮崎にて、コンサートのみならず運動公園全体を使ってさまざまな企画を行うイベント「ひなたフェス2024」を開催し、12枚目のシングル「絶対的第六感」をリリース。その後に行われた全国ツアー「Happy Magical Tour 2024」で加藤史帆、東村芽依、濱岸ひより、丹生明里の4名がグループを卒業した。2025年1月に通算13枚目のシングル「卒業写真だけが知ってる」を発表。このシングル発売に伴う活動をもって、一期生の佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈がグループを卒業する。
日向坂46 13th Single | 日向坂46 公式サイト