4人が今やりたいことをやり尽くした

──この2曲をはじめ、どの曲にも新たな試みがあったり、プレイヤーとしてのこだわりを持って演奏していると思いますが。

Ogaching　そうですね。音作りに関してはCharmとよく話をしました。この曲にはどのベースがいいとか。ただ、ベーシストとしては、「オレのベースを聴いてくれ！」っていう強い意志を出そうとは思ってなくて、バンドの中にハマればそれでいいという気持ちで演奏しました。最初にデモで音源を渡されるとき、それがCharmのアレンジだとCharmがベースをガンガン弾いちゃってるので（笑）、ほぼ完成しているんですよ。その中で、どれだけ自分の色を出せるかを考えて弾くんですけど、デモ以上に音数を増やして弾くんじゃなくて、ひとつひとつの音のハマり具合を考えながらフレーズなどをほんの少し変えていく感じです。濃い味付けをせず、素材の良さを生かすことを心掛けてるって感じでしょうか。

──あくまでもバンドサウンドの中のひとつとしてベースがあるという考えですね。

Ogaching　はい。

──ドラムに関してはどうですか？

Toshi　これまでのシングルのレコーディングとは違うなって顕著に感じたのは「幻想とダンス」「あのさ」の2曲でした。「幻想とダンス」は歌詞とタイトルは変わりましたけど、この2曲はデビューしてから何度もライブで演奏してきて、1年近くかけて練ってきた曲なので、ライブから得られたインスピレーションを昇華して還元できたんじゃないかと思っています。ほかの4曲に関しては、レコーディングのスケジュールがかなりタイトだったんですが、そういった集中力が求められる状況だからこそ生まれてきた発想もあって、激しくエモーショナルで熱量のある感じを焼き付けることができました。

Charm　ギターに関してもそうです。僕がデモを作ったりしているので、デモの段階からどんな感じで弾くのかは頭の中にイメージができあがっていたんですが、「裏ヘメ」ということもあって、リミッター解除で「思い切りはじけててもいいんじゃない」って気持ちで、全てを忘れて弾きまくりました（笑）。

──気持ち良く弾いてるのが音からも想像できます（笑）。

Charm　いつもだったら、もうちょっとメロディに耳を傾けて弾くんですけどね。これ、“裏”と言ってますけど、実は“表”の顔なのかも。

Isaac　歌もみんなと同じでライブを意識したりして、気持ちよく、一生懸命歌いました。僕たち4人が今やりたいことをやり尽くした。そんなアルバムになったと確信しています。でも、これからもっともっとやりたいことが出てくると思います。ロックな曲だけじゃなく、ポップな曲だけでもなく、いろんなジャンルの音楽をやっていこうと思っていますし、自分たちがやりたいと思ったら今回のようにカバーもやっていくつもりです。

ワンマンライブではいい意味で期待を裏切りたい

──12月には東名阪でワンマンライブが開催されます。こちらはどんなライブになりそうですかね？

Ogaching　デビューしてから1年が経ちましたけど、インディーズでの活動がなかったので、僕らが積んできたキャリアはデビューしてからの期間だけなんです。まだ1年ですけど、いろんな経験や勉強をしてきたので、それを全部出す気持ちで臨みます。

Toshi　さっきも少し話したんですけど、ライブで演奏してきた曲を「裏ヘメ」としてリリースするので、初めてのワンマンライブのときと比べても世に出てる曲が多い状態でライブをやれるので気持ちも高ぶってます。夏フェスとか、大きなステージを経験したことで、前回よりもたくさんのことを伝えられるという自信もあります。なので、1人でも多くの人に来ていただいて、その空間と時間を共有したいですね。

Charm　ワンマンライブのタイトルが「Welcome to Hemenway St.」なので、僕らの世界に入ってきてもらいたいと思っています。入った後は、「僕たちに任せて！」と自信をもって言えるようにしっかりと準備しておきます！ 今回は「裏ヘメ」をリリースした直後のライブですが、“裏”の部分だけじゃなく“表”もいっぱい見せますよ。

──前回のワンマンライブのときはギターに穴をあけて改造してましたが。

Charm　ああ、やりましたね。今回もまた改造しようかな？ どんどんボディが削られていって、スイスチーズみたいになってますけど（笑）。

──初日の名古屋が12月7日。もうすぐですね。

Isaac　はい、楽しみです！ ライブはエンタテインメントですから、用意したセットリストをやるだけじゃなくて、お客さんが楽しめるようなライブを準備しています。いい意味で、みなさんの期待を裏切るようなライブにしますよ。