ナタリー PowerPush - Hemenway

Perfumeカバー含む話題作でロックな“裏面”をアピール

昨年11月にシングル「Listen」でメジャーデビューしてから1年。Hemenwayが初のミニアルバム「裏ヘメ Welcome to the Other Side」を完成させた。11月21日に配信限定でリリースされたこの作品は、ポップなシングル曲とは違い、ハードなロックサウンドを存分に聴かせる内容。熱いライブパフォーマンスを彷彿とさせる楽曲から、もうひとつのHemenwayの姿が感じられる。

ポルノグラフィティの新藤晴一が作詞を担当した「幻想とダンス」、Perfumeのカバー曲「Dream Fighter」も収録された新作に込めた思い、そして12月に行なわれるワンマンライブ「Welcome to Hemenway St.」についてメンバー全員に訊いた。

取材・文 / 田中隆信 インタビュー撮影 / 高田梓

ライブでのロックな面を伝えたかった

──シングル3枚をリリースして、次はどんな作品を発表するのか楽しみにしていました。今回は配信限定リリースのミニアルバムでタイトルが「裏ヘメ Welcome to the Other Side」。インパクトの強いタイトルですね。

Charm(G) はい。これまでリリースしてきたシングルはポップでメロディックな曲だったんですけど、僕らがストックしている曲の多くはもっとロック色の強いものだったりするんですよ。そういう楽曲を早めにリリースしてファンの人たちに伝えたいと4人とも思っていたので、ミニアルバムをリリースすることが決まったときに、そういう面を押し出した作品にしようと思って、ライブで演奏してきた曲を中心に収録曲を選びました。タイトルに関しては後付けなんですけど、シングルが表だとしたら、それとは違うタイプの曲を聴かせる作品ということで“裏”がいいんじゃないかなって感じで「裏ヘメ」にしました。

Ogaching(B) シングル曲のイメージとライブでのイメージの間にギャップがあるみたいで、ライブの後に「結構ロックなんだね」といった感想を伝えてくださる人も多いんですよ。そういうギャップを埋めるというか、「これも僕たちなんだ」ということを知ってもらいたくて作ったミニアルバムなんです。

Isaac(Vo, G) ライブで演奏しているようなワイルドでとがったロック。それを見せたいという思いは4人とも同じだったので、今回は振り切るぐらいの勢いでやってみました。

──確かに、ライブだとCharmさんのメガネが曇るぐらい熱いステージパフォーマンスを見せてくれますからね。

一同 (笑)。

Toshi(Dr) こういった作品を作りたいと思うようになったきっかけは、今年の夏にたくさんのフェスやイベントに出させてもらったことでした。たくさんのお客さんに曲を聴いてもらいながらも、そのライブで演奏した曲の多くが音源として発売されてないことに対する歯がゆい気持ちがあったので、「うちらのライブに来たらこういう曲が聴けますよ」という作品を出せるのは本当にうれしいです。さらに、これを聴いて「ライブを見たい」と思ってくれる人が増えたらもっとうれしいです。

空気感を生かすためにCharmの家で録音

──シングルを3枚リリースしたら、順調に行けば次はフルアルバムという流れになりますけど、そうなるとシングル曲を軸とした“表”のイメージのアルバムになりますから、やっぱり今回のミニアルバムは出す意義がある作品だと言えますね。

Charm そうなんです。まだいつになるかわからないですけど、この後リリースされるフルアルバムがこれまでの世界観を含むHemenwayの主流だとすると、今回は外伝的な作品かなって思うんです。

──Hemenway外伝ですか。いいですね!

Isaac 作り方もこれまでのシングルとは違っています。シングルは設備の整ったレコーディングスタジオで録って、すごくいい雰囲気に仕上げることができました。でも今回はCharmの家で録音したんです。それでもちゃんと録れましたし、自分たちでやれたことが自信にもつながりました。

Charm なんで家で録ることにしたかというと、さっきIsaacが言ったように、レコーディングスタジオで録るとすごくいいものができるんです。だけど、どうしてもデモで録ったものをスタジオで改めて録り直すことで失われてしまうものもあって。それは最初に録ったときの熱さだったり、空気感だったりするんですけど、それってすごく大事なものだと思うんですよ。今回は僕がエンジニアとしても制作に関わることができましたし、仕上がりにも満足しているので、「裏ヘメ」としてはこのやり方で良かったんじゃないかなって。もちろん、これまでのやり方を今後やらないというわけじゃなく、いろんなやり方があってもいいという意味ですけど。

──選択肢がひとつ増えたと。

Charm はい。作品のコンセプトに合わせて、やり方はいくつかあったほうがいいと思いますから。

配信限定デジタルミニアルバム「裏ヘメ Welcome to the Other Side」 / 2012年11月21日発売 / 1500円 / Ki/oon Music
配信限定デジタルミニアルバム「裏ヘメ Welcome to the Other Side」
収録曲
  1. Get Up
  2. 幻想とダンス
  3. Left Unsaid
  4. あのさ
  5. Dream Fighter

下記サイトにて好評配信中

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Welcome to Hemenway St.

2012年12月7日(金)愛知県 名古屋ell.SIZE
OPEN 18:30 / START 19:00
問い合わせ先 サンデーフォークプロモーション
052-320-9100

2012年12月9日(日)大阪府 福島LIVE SQUARE 2nd LINE
OPEN 17:30 / START 18:00
問い合わせ先 キョードーインフォメーション
06-7732-8888

2012年12月14日(金)東京都 WWW
OPEN 18:30 / START 19:00
問い合わせ先 SOGO TOKYO
03-3405-9999

Hemenway(へめんうぇい)

アメリカ・バークリー音楽大学を卒業した韓国系アメリカ人のIsaac(Vo, G)、Charm(G)、日本人のOgaching(B)、Toshi(Dr)の4人からなるロックバンド。2010年にIsaacとCharmが来日し、日本に帰国していたOgachingとToshiとともにバンドを結成した。楽曲制作やライブ活動を行いつつレコード会社にデモテープを送り、Ki/oon Musicからのメジャーデビューが決定。2011年11月にメジャーデビューシングル「Listen」を発売した。アメリカで学んだ音楽理論や技術を反映したハイクオリティなサウンド、美しいメロディ、日本語と英語を柔軟に交えた情感豊かな歌詞で注目を集め、2012年1月リリースのシングル「バイマイサイド」はテレビ東京系アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマに起用された。同年5月、TVアニメ「エウレカセブンAO」のオープニングテーマであるニューシングル「Escape」を発売。11月には配信限定のミニアルバム「裏ヘメ Welcome to the Other Side」をリリースした。