ナタリー PowerPush - Hello Sleepwalkers
現実と仮想の狭間を歩く 新進気鋭の5人組ついにデビュー
昨年10月にタワーレコード限定シングル「センチメンタル症候群」をリリースしたHello Sleepwalkers。作詞作曲を担当するシュンタロウ(Vo, G)を中心に、タソコ(G)、マコト(B)、ユウキ(Dr)、そして紅一点であるナルミ(G, Vo)で結成された5人組だ。
彼らが鳴らす音楽は、展開の読めないサウンドと、現実と幻想の境界線を綴るような歌詞世界で構築され、イントロの瞬間から一気に聴き手の興味をひきつける。1月18日にデビューアルバム「マジルヨル:ネムラナイワクセイ」をリリースする彼らのことをもっと知るべく、フロントマンであるシュンタロウに話を訊いた。
取材・文 / 吉田可奈
自分がやりたいことを100%できるバンドに
──ナタリー初登場になるのでこれまでの活動からお訊きしたいのですが、シュンタロウさんは学生時代からバンド活動をしていたんですか?
そうですね。高校在学中に軽音楽部に入り、ほかのバンドで活動をしていたんですが、当時はギターを弾いていただけで、歌は歌っていなかったんです。そのバンドが解散するときに、「次にバンドを立ち上げるのなら自分で歌いたい」という意思だけがあったんですよね。
──その新しいバンドがHello Sleepwalkersなんですね。結成当初はどんなジャンルの曲を演奏しようと思っていたんですか?
ジャンル……というよりも聴き手を驚かせるような曲を書きたいと思ったんです。前のバンドを解散してから徐々にメンバーが集まりだしてやれることも増えたし、どうせ自分で結成したのならやりたいことを100%できるバンドにしたかったんですよね。
──今のメンバーになったのはいつ頃なんですか?
2年前かな。当時、ナルミが入ったおかげでバンドとしてしっかりと輪郭ができたんです。女性ボーカルが入ったことによって、思っていた以上にできることが増えたんですよね。
──女性ボーカルを入れるというビジョンは最初からあったんですか?
いや、最初は単にギターとして加入してもらっていたんです。たまにコーラスをしてもらおう、くらいの気持ちで。でも、あるとき曲のサビを歌ってもらったらメンバーにとても好評だったんです。それからナルミにもよく歌ってもらうようになったんですよね。
「どんな曲がいいと思う?」って訊くんです
──作詞作曲の名義はシュンタロウさんになっていますが、バンドのあり方や曲についてはメンバー皆さんで話し合っているんですか?
そうですね。メンバーの意見は大切にしています。曲を作るときに、いつも「どんな曲がいいと思う?」って訊くんですよ。そこでメンバーから大体の雰囲気を言ってもらったりして……。とはいえメンバーの答えは具体的なものではなく、イメージだったり擬音だったりするんですけどね(笑)。
──メンバーの皆さんは、楽曲に対してよく意見をしてくれるんですか?
それがメンバーは放っておくと何も言ってくれないんですよ(笑)。熱意があるのはわかるんですが性格的な問題で(笑)。なので僕から毎回訊くようにしているんです。
──これまでライブハウスで活動をしていたんですか?
はい。沖縄のライブハウスだけで活動していました。当初は県外で演奏すること自体考えていなかったんです。なので今、自分が作った音源を聴いてくれる人が明らかに増えたことに現実味がないんですよね。
──東京でのライブはもう経験したんですか?
一度だけさせてもらいました。スタッフの方から「東京のお客さんは冷たいよ」と脅されていたので緊張したんですが、むしろ沖縄より温かくて(笑)。
──あはは(笑)。やっぱり東京は冷たい印象が?
いや、そんなことないですよ(笑)。
Hello Sleepwalkers(はろーすりーぷうぉーかーず)
シュンタロウ(Vo, G)とマコト(B)を中心に結成され、その後ナルミ(G, Vo)、タソコ(G)、ユウキ(Dr)が加入し、現在の5人編成となる。2011年10月にタワーレコード限定シングル「センチメンタル症候群」をリリースした。2012年1月18日にはA-Sketchよりデビューアルバム「マジルヨル:ネムラナイワクセイ」を発表。