TOKYO FM / JFN「KIRIN BEER "Good Luck" LIVE」放送400回特集|Do As Infinityの公開収録に密着 ライブを丸ごと届けるラジオ番組の魅力

毎週土曜日16:00からオンエアされているTOKYO FM / JFN全国38局の番組「KIRIN BEER "Good Luck" LIVE」が12月2日に放送400回を迎えた。

「"Good Luck" LIVE」は、毎回1組のアーティストが登場してライブパフォーマンスを届ける約1時間のプログラム。音楽ナタリーでは番組の放送400回を記念して、神奈川・キリンビール 横浜工場で行われたDo As Infinityのスペシャルライブに密着した。番組を支えるスタッフへのインタビューや当日のレポートから「"Good Luck" LIVE」の魅力をお伝えする。

取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 後藤壮太郎

「KIRIN BEER "Good Luck" LIVE」とは

「ライブ音楽とビールが生み出すゆたかなひととき」をテーマに、TOKYO FMをキーステーションにJFN38局でオンエアされている番組。毎週1組のアーティストが登場してスタジオライブを届ける。ライブ後にはアーティストと観客がキリンビール商品で乾杯を行うのが恒例となっている。

番組を支える3人へのインタビュー

新野一孝(ディレクター)

01. 新野一孝(ディレクター)

株式会社シャララカンパニーに所属する「"Good Luck" LIVE」のディレクター。出演アーティストのブッキングや打ち合わせはもちろんのこと、当日のタイムキーピングやキュー出しなど、番組全体の企画進行を担う。

「毎週末、半蔵門がライブハウスになる」というフラッシュアイデア

──番組がスタートしたきっかけは?

TOKYO FMが開局40周年を迎えるタイミングでの新番組の企画出しです。その中で、僕がいくつか出した企画のうちの1つが「毎週末、半蔵門がライブハウスになる」というごくごくシンプルな3行程度のフラッシュアイデアでした。「こんな番組ができたらすごいだろうな」という思いだけで深く考えずに提出したのですが、その後弊社の代表や、TOKYO FMの方々が企画をブラッシュアップしてくださり、この番組が誕生しました。スタート時はアシスタントとして携わらせていただいたのですが、それまでの仕事にはない、いい意味での責任感を強く感じていました。

──番組が始まって400回を迎えますが、最初は苦戦していた点も多かったとか。

拍手で番組を盛り上げる新野一孝氏。

とにかくオファーが大変でしたね。基本的にこの番組は生放送なので、“せーの”で録ったものがそのまま流れちゃうっていう……アーティストからしたらリスクもあると思うんです。番組サイズのリハーサルをしていただいたり、番組のためにカバー曲を用意していただくこともあって、出演前の準備も多いですし。それでも最近は「この番組を聴いていて、出たかったんです」と言ってくださる方もいて、本当にありがたく思っています。

──番組作りで特にこだわっている部分はどんなところですか?

アーティストにできるだけ自然にライブをしていただくことです。「アーティストのライブのよさをそのまま届けたい」という思いで作っている番組なので、余計なものは足さないことを大事にしていますね。

車内や家などそれぞれのリスナーの居場所がライブ空間に

──やりがいを感じる瞬間は?

リスナーや局内のスタッフに「あのアーティスト、知らなかったけどよかった」と感想をいただいたときですね。この番組は画がないぶん、よりアーティストそれぞれの楽曲や演奏のよさが聴き手にダイレクトに伝わると思っていて。だから知名度は関係なく、いいライブが放送されればいい反響が来るんです。

──作り手から見たこの番組のいいところは?

カンペを書く新野一孝氏。

車内や家など、それぞれのリスナーの居場所がライブ空間になるところ。例えば番組は夕方に放送していますから、車の中から美しい風景を見ながら番組を聴いて、気持ちのいい時間を過ごしてもらうこともできると思うんです。ラジオでライブをするだけなのに、そう考えると奥深いしロマンチックだなと。音だけで楽しむライブのよさが詰まっていると思います。

──番組が放送400回を迎えた今の心境を教えてください。

本当に感慨深いです。こういう番組は長く続いて回を重ねていくことがとても大事なんじゃないかと、最初から勝手に思っていました。土曜の夕方16時に架空のライブハウスが開くっていう“常にそこにある”感じを出したかったので、400回続いたことが本当にうれしいです。これからも、1回でも多く続けたいですね。

秋山拓也(ミキシングエンジニア)

02. 秋山拓也(ミキシングエンジニア)

TOKYO FMの総務局技術部に所属。その仕事内容は多岐にわたるが、「"Good Luck" LIVE」では主にミキシングエンジニアを担当している。

1組のアーティストが生演奏する1時間番組なんて今どきほかにない

──秋山さんは番組でミキシングエンジニアを担当していますが、仕事内容はかなり多岐にわたるそうですね。

マイクを調整する秋山拓也氏。

そうですね。例えばテレビの技術部だとカメラさん、音声さん、照明さんって、分業化されてますよね。ラジオの技術の場合は1人でなんでもやるんですよ。うちだったらミックスのほかに、送信所周りの仕事をやったり、番組に使用するパソコンやサーバの管理をやったり。その中でも僕の場合はもともとやりたかったミキサー周りの作業が得意なんです。

──ライブ番組を担当するのは「"Good Luck" LIVE」が初めてだったとか。

はい。この番組を担当することが決まったときは「やったー!」って思いました(笑)。テレビもラジオも含めて、1組のアーティストが生演奏する1時間番組なんて今どきほかにないから、すごく貴重だと思っています。

いつか、動きが見える音を作りたい

──秋山さんは昨年、この番組の平井大さん出演回(2016年6月25日放送)で「第23回日本プロ音楽録音賞」の優秀賞を受賞しました。

素直にうれしかったですね。自分がいつも気にしてるところがけっこうちゃんとできてた。

──気にしてるところとは?

ミックス作業を行う秋山拓也氏。

全部の楽器の音がちゃんと聞こえるようにミックスすることが目標なんです。平井大さんの「Life is Beatiful」はそれに近かった。例えばドラムだったら、ドラマーが鳴らす太鼓の音も、シンバルの音も、全部聞こえるように録りたい。あとこれはすごく高い目標だと思うんですけど……いつか、動きが見える音を作りたいんです。

──なるほど。この番組はスタジオ観覧に来ているお客さんの歓声や手拍子も魅力の1つだと思うのですが、その音を拾ううえでのこだわりはありますか?

まず、客席に立てるマイクの調整がこの番組の肝ですね。お客さんの拍手や歓声を拾えていないと、いいライブの雰囲気を壊してしまうので。かと言ってスタジオはホントに小さなライブハウスぐらいのスペースなので、むやみにオーディエンス用マイクの音量を上げると、そのマイクがスピーカーの音も拾っちゃうんです。そうすると音が濁ってしまって……さっき僕が言ってた「動きが見える音を作りたい」っていう目標が実現できなくなるんです。

──難しいんですね。そこをどう調整しているんですか?

これはよし悪しいろいろあるんですけど、僕はお客さんの手拍子がない曲ではけっこうオーディエンスマイクを絞ってます。演奏をくっきりはっきり録りたいから。で、曲が終わったタイミングでオーディエンスマイクの音量を上げて拍手を録るっていう。生放送のときにタイミングがバッチリ合うと、決まったなって思います(笑)。毎回毎回が責任重大で一発勝負なんですけど、これからも精進していい音を作りたいです。

堤友香アナウンサー(ライブアテンダント)

03. 堤友香アナウンサー(ライブアテンダント)

セント・フォース所属のフリーアナウンサー。“ライブアテンダント”として「"Good Luck" LIVE」の進行を担当する。また番組オフィシャルサイトにて毎週ライブレポートを執筆している。

世の中にはこんなに素敵な音楽がいっぱいあるんだ

──堤さんは4代目のライブアテンダントだそうですね。

Do As Infinityのリハーサルを観ながらメモを取る堤友香アナウンサー。

そうなんです。2016年1月から担当して、もうすぐ丸2年になります。私はもともと福島のテレビ局でアナウンサーをやっていました。フリーになってほかのラジオ番組を担当させていただいたんですけど、「この先もずっとラジオをやりたいな」と思っていたタイミングで番組自体が終わってしまって。そんな悲しいときに「"Good Luck" LIVE」のライブアテンダントに決まったので、ホントにうれしかったです。

──番組を担当し始めた頃のことは覚えていますか?

最初は緊張しかなくて、番組を進行することにいっぱいいっぱいでしたね。あとライブに感動して発言しているのに、あとからラジオを聴いてみるとあんまりその感情が乗っていないって思うこともあって。それが一番つらかったですし、反省していました。それが回を重ねるごとに自分の中で変わってきたと思います。

プロの集団が作るぜいたくな番組

──自分が変わったタイミングは?

新野さんに「堤さんの言葉で、カッコつけずにそのまましゃべってください」と言われたことですね。たぶん私は最初「出演者だし、リスナーと同じように感動してはいけない」という変なプロ意識を持ってしまっていたんです。でもあるときから、いい意味でリスナーのように番組を楽しめるようになって。例えば番組の前に悲しい出来事があったとしたら逆に「次の生放送でどんなアーティストさんの曲が自分の思いを受け止めてくれるんだろう」って楽しみにしていたりだとか(笑)。そういう目線も、今は大事にしています。

──堤さんが思う、この番組のよさとは?

本番中の堤友香アナウンサー。

アーティストの方はもちろん、裏方の皆さんも本当に素晴らしいんです。「何時間準備してるんだろう?」っていうぐらいセットを全部イチから組んで、リハーサルでCMも含めて全曲通してタイムを測って。これだけライブを丸ごと届けられるのは、プロの集団が番組を作ってるからだと思うんです。

──400回を迎えた今の心境を教えてください。

この番組に出会えたことが幸せな出来事で、大きな転機でした。400回っていう節目に自分が立ち会えて、一員でいられたことがすごくうれしいです。アーティストのライブをじっくりと味わえる、こんなにぜいたくな番組はないと思います。音楽好きの方はもちろん、音楽にそこまで詳しくない人にとってもいい出会いの場になると思うので、全世代の人に一度聴いてほしいなと思います。

堤友香が選ぶ
特に心に残った3つのライブ

Official髭男dism2017年4月29日放送

パワーのあるハイトーンボイスがとにかくカッコよくて、印象的でした。澄んだ声とみずみずしい表情が、芽吹きの季節と重なってフレッシュな気持ちになりました。

Set List
  1. 犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!
  2. 愛なんだが・・・
  3. 異端なスター
  4. 元気を出して(竹内まりや カバー)
  1. Desperado(The Eagles カバー)
  2. 夕暮れ沿い(Short ver)
  3. コーヒーとシロップ
  4. イコール
  5. Trailer

平井大2017年8月19日放送

ウクレレの音色とぬくもりのある歌声。心地よい空間に包まれて、夏の海辺でゆったりと聴いているようなぜいたくな気持ちになりました。

Set List
  1. Slow & Easy
  2. Life Song
  3. Sunshine and Rainbows
  4. Blowin' in the Wind(ボブ・ディランカバー)
  1. Life is Beautiful
  2. tonight
  3. Story of Our Life

辛島美登里2016年12月3日放送

冬に辛島さんの「サイレント・イヴ」を生で聴けるなんてぜいたくすぎました! 降り積もる雪景色を想像しながら……毛布のように温かい辛島さんの歌声に包まれました。冬の切なさがじーんと心に染みる素敵なライブでした。

Set List
  1. あなたは知らない
  2. 黄昏を追い抜いて
  3. Half and Half ~私自身~
  4. Moon River(オードリー・ヘプバーンカバー)
  1. たしかなこと(小田和正カバー)
  2. サイレント・イヴ
  3. Merry Christmas To You
TOKYO FM / JFN「KIRIN BEER "Good Luck" LIVE」
毎週土曜日16:00~16:55放送
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応募期間:
2017年12月31日(日)まで
参加方法:
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