ナタリー PowerPush - Do As Infinity
注目ドラマ主題歌の制作秘話と2人の意外な素顔を告白
今年1月にアルバム「EIGHT」をリリースし、4月からは全国ツアーを敢行。その後、7月にはシングル「誓い」を放ったDo As Infinityが、早くも次なる新曲「アリアドネの糸」を作り上げた。これは、テレビドラマ「チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸」の主題歌。疾走するギターサウンドと躍動感に満ちた歌声が絡み合うミステリアスな世界観を持つこの曲は、既にライブでも披露されオーディエンスたちの興奮を呼び起こしている。
デビュー12周年を迎えた今年も、猛烈な勢いで走り続けている伴都美子と大渡亮の2人に話を訊いた。
取材・文 / もりひでゆき
シングルとして出せなかった部分を表現できそうだな
──今回の曲はドラマ主題歌のために書き下ろされたものなんですか?
大渡亮(G) そうですね。この曲ともう1曲、ややバラードチックなものの2タイプをドラマの制作サイドにお渡ししたんです。そうしたらドラマは今回が3作目で、前2作の主題歌がバラードだったということで、今回はアップチューンで行かせてくださいと。
──疾走するサウンドがめちゃくちゃ気持ちいい曲ですよね。
大渡 作家さんから曲をいただいたときにすごくミステリアスな雰囲気を感じたし、ドラマの雰囲気にも近いギターリフが入っていたので、これは合いそうだなあっていう感じで進めていって。転調の感じもすごくカッコよかったですしね。ただ、デモの段階ではBメロがあと8小節ぐらい長かったんですよ。そこをコンパクトにしたことでサビに向かう流れが良くなって、よりスピード感が生まれた感じです。
──伴さんは曲にどんな印象を持ちましたか?
伴都美子(Vo) 最初のデモテープを聴いたときは、正直あんまりピンとこなかったんですよ。
大渡 アハハ(笑)。
伴 でもDo Asとしてこういう曲調はあまりなかったという意味では、やってみたいなとは思いました。で、亮くんも言ったみたいにBメロに手を入れたことで流れが良くなったし、何度も歌っていく中でしっくりくる感触がつかめた感じでしたね。
──デモではピンとこなくても、曲がどんどん転がっていくうちに印象が変化していくのはよくあることなんですか?
伴 ときどきかな、私の場合は。でも、やってみることが大事というかね。あんまり毛嫌いせず、拒否せず歌ってみることでいい結果が出たってことは多いかもしれないです。
──亮さんはこの曲に関して最初からいいイメージを持っていたわけですよね。
大渡 ギターのちょっと攻撃的な感じとか、上手に転調していくギミックとかが、ちょっとイヤらしい話ですけど、テレビから流れてきたときに抜け良く聴こえるんじゃないかなとイメージできたんですよ。そういうところも含めて、僕の中では一聴してこの曲の存在感を感じることができたんですよね。あとは曲自体も、珍しくマイナー調のアップチューンなんで、今までシングルとしてはなかなか出せなかったDo Asの一面をいいタイミングで表現できそうだなとも感じました。
ライブで歌うとさらにテンションが上がる
──ギタリスト的には、演奏していてかなり楽しい曲なのでは?
大渡 やりがいがあるというか、地でできる感じですよね。無理がない感じで。テクニカルなことを言えば、ブルーノートのおかげであの怪しい雰囲気が出ているので、そこをどれだけいなたくできるかということも考えました。テレビ的な音楽では、そういうことって一番御法度とも言える流れだと思うんだけど、その流れを率先してやれる曲になったっていう喜びはありますね。
──伴さんのボーカルも躍動感に満ちていて。ライブ感みたいなものをすごく感じました。
伴 この曲は6月上旬ぐらいにレコーディングしたんですけど、その時期はライブもあったし、ほぼ毎日歌っている状態だったんですよ。なので、それはきっとこの歌にも影響してると思います。基礎体力がより鍛えられていた時期だったと思うので、コンディションが良かったです。
──サウンドが強いから生半可な歌だと負けてしまいそうですよね。
大渡 声の力強さはより増しているような感じがしますよね。
伴 でもあんまり難しいことは考えてはいなくて、サウンドがちゃんとドッシリあるからそこに乗っかっちゃえっていう感じで。歌詞も含めてミステリアスな世界観がちゃんとあったから、仕上がりがイメージしやすかったですし。この曲はもうライブでもやってるんですけど、ステージだとさらにテンション上がりますね。熱くなっちゃいます(笑)。
2011年10月2日(日)
東京都 日比谷野外大音楽堂
OPEN 16:30 / START 17:30
Do As Infinity(どぅあずいんふぃにてぃ)
1999年に結成されたロックバンド。デビュー前より渋谷ハチ公前などで精力的なストリートライブを行い、注目を集める。同年9月にシングル「Tangerine Dream」でメジャーデビュー。2000年より現在の伴都美子(Vo)、大渡亮(G,Vo)の編成となる。2002年リリースのベストアルバム「Do The Best」がミリオンセラーを達成するなど、幅広い層から高い人気を得るが、2005年9月に解散した。そして2008年8月に開催されたイベント「a-nation'08」にサプライズ出演し、再結成を発表。2009年には結成10周年を迎え、横浜赤レンガ倉庫でのフリーライブや日本武道館での10周年ライブなどを行った。2011年1月には8枚目のフルアルバム「EIGHT」をリリース。9月に約8年ぶりのドラマ主題歌となったシングル「アリアドネの糸」を発表する。