go!go!vanillasレーベル移籍第1弾シングル「SHAKE」特集|新たな一歩を踏み出した経緯とは (3/3)

バニラズ第2章の始まり

──バニラズの必殺技のような曲であり、同時に新しい挑戦もある「SHAKE」がアニバーサリーの真っ只中、かつレーベル移籍後最初の新曲としてリリースされたのが痛快だと思いました。プリティさん、セイヤさん、柳沢さんは、牧さんからこの曲を最初に受け取ったとき、どう思いましたか?

プリティ 牧から第1弾のデモが送られてきたとき、バンドのグループLINEが沸いたのを覚えてます。

セイヤ 最初のデモのときはイントロがピアノじゃなくてギターだったんですけど、再生したその瞬間からドキッとしました。このイントロは一生聴いていられる。

プリティ 歌い回しが面白くて、一度聴いただけでみんなが「うおおお!」って盛り上がっちゃうような曲だったし、その盛り上がった空気のままロンドンに行けたのがよかったですね。

柳沢 僕も最初に聴いたときから「これだ!」と思ってました。最初のデモでは牧さんが仮の歌詞で歌っているんですけど、「ちょっと待ったマンマミーア 待って待って」という歌詞はその段階からもうあったんですよ。最初のデモから歌詞を引き継いだ曲は絶対にいい曲になります。これは僕が見つけた法則なんですけど。

 ほかの曲だとなんだろう?

柳沢 「青いの。」とか。牧さんが僕らに最初に送ってきてくれた歌詞が、そのまま2番Aメロに残ってます。

 全然覚えてなかった。

柳沢 「青いの。」と同じように、最初に作ったワンコーラス分の歌詞が2番になるパターンって実は今までけっこうあったんですよ。だけど今回は1番の歌詞になっている。そのくらい強度の高い歌詞だったということだと思います。

 なるほどね。

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──牧さん、この曲はどんなことをイメージしながら書いたんですか? 曲のタイトルは、インディーズ1stアルバム「SHAKE」と同じですが。

 曲を作ろうと思って適当な言葉で歌っていたときに、最初に出てきたワードが「SHAKE」だったんですよ。だから「SHAKE」というワードを意図的に出したわけではないんだけど、ちょうど10周年で、レーベルを移籍することになったのもあって、きっと自分の中でバンドの第2章が始まったんだろうなと思って。

──「SHAKE」というワードが自然と出てきたことによって、自分の気持ちが次に向かっていることに気が付いたと。

 そうですね。僕は、物事はその人のタイミングに合わせてやってくるんだと信じているタイプなんですよ。例えばロンドンでのレコーディングも、10年前だったらうまくいっていなかっただろうし、今そういう機会が巡ってきたことに意味があるんだろうなと思ってます。何か物事が起こったときにワクワクすることもあれば、自分の未熟さを痛感することもある。その両方をしっかり受け止めたうえで出てくる言葉やメロディが今の自分の実力なんだと受け止めています。そういう意味では、曲を作るときに「お客さんにこう思われたいから」とかはあんまり考えていないかもしれないです。

──なるほど。

 この「SHAKE」という曲に対して思うのは、この10年でいろいろなものを吸収した自分たちの新たな1歩である、ということですよね。「オリエント」(2014年2月リリースのシングル「オリエント / ホラーショー」の収録曲)ではロンドンへの憧れを歌ったけど、今ではロンドンでレコーディングさせてもらえるようになって、当時の理想が現実になりつつある。そのうえで、僕たちの“これから”を見せていきたいと強く思っている。「SHAKE」という名前の通り、これまでの僕たちを作ってきたものと新しい挑戦が混ざり合った、第2章の始まりにふさわしい曲だなと思ってます。

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パスポートのようなバンドになりたい

──最近のgo!go!vanillasの活動を見ていると、自分たちの頭の中で鳴っていた音楽を気持ちよく具現化できるフェーズに入りつつあるように感じます。サポートミュージシャンを迎えてアルバムを制作することでルーツミュージックにより接近したり、過去に発表した曲を今の自分たちが納得できる形で再録したり、憧れの地ロンドンでレコーディングをしたり。

 同じことをやり続けていると、どこかで慣れてくるじゃないですか。だけど僕たちは、音楽への興味を失わないようにいろいろなアプローチに挑戦をして、“慣れ”を作らないことをあえてやってきました。それに、ギターを弾きながら歌っているだけで「この曲、めちゃくちゃいいな」と思える曲もあれば、ライブで真価を発揮するかもしれない曲もある中で、「1つノウハウができたから、これでずっとやっていこう」とか「こういうものを求められているからやろう」というふうにやっていくのは違うんじゃないかと思っていたので。もしも音楽を作業的にやっていたら、来られなかった場所にようやくたどり着いた実感はありますね。

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──20周年を迎えるまでの10年間のうちに、このバンドで叶えたい夢はありますか?

柳沢 僕は「もっとバンドの役に立ちたい」と「もっとデカいところでライブをやりたい」の2つですかね。「もっとデカいところでライブをやりたい」に関しては、3月の幕張メッセ2DAYSで夢が叶う感じもあるんですけど、それが1回きりにならないといいなと思います。世界に行きたいという気持ちもあるけど、まずは国を獲ってからかな。

セイヤ 異国でライブをやるのも楽しいけど、もちろん日本でライブやるのも楽しいし、日本の皆さんにも、俺らの音楽をもっと聴いてほしいです。そのためには、バニラズの音楽を広く届けられるような活動をしたいですね。

 僕は、バニラズが“パスポート”のようなバンドになればいいなと思ってます。どこにでも行けるバンドでありたい。日本国内だけでもいろいろな音楽シーンがあるから、オーバーグラウンドにもアンダーグラウンドにも精通する存在でいたいというのがまず1つ。あと、僕らの音楽を好きだと言ってくれる人は世界中にいるだろうから、いろいろな国の人に会いに行って、友達になりたいです。

プリティ 例えば日本の人が海外に行って、現地の人と音楽の話になったときに「どういう音楽聴くの?」「go!go!vanillasとか聴くよ」「go!go!vanillas? 俺も好きだよ!」って仲よくなるような、そんなバンドになるのが夢です。僕、10代の頃にアメリカに行って、the pillowsで同じことが起きたんですよ。だからそれに憧れていて。

 じゃあ、まずはアニメのタイアップかな。タイアップ、ください! よろしくお願いします!(笑)

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ライブ情報

DREAMS TOUR 2023-2024 FINAL「MAKE MY DREAM」

  • 2024年3月9日(土)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール

DREAMS TOUR 2023-2024 FINAL「MAKE YOUR DREAM」

  • 2024年3月10日(日)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール(※SOLD OUT)
    <出演者>
    go!go!vanillas / [Alexandros] / sumika / 04 Limited Sazabys / My Hair is Bad / マカロニえんぴつ / UNISON SQUARE GARDEN

プロフィール

go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)

牧達弥(Vo, G)、柳沢進太郎(G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)による4人組バンド。2013年1月に7inchシングル「人間讃歌 / アクロス ザ ユニバーシティ」、7月に1stアルバム「SHAKE」をSEEZ RECORDSよりリリースした。2014年11月にはビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりメジャーデビューアルバム「Magic Number」、2015年4月にメジャー1stシングル「バイリンガール」を発表。2020年11月にはツアー「ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020」を開催し、最終公演では東京・日本武道館のステージに立った。2022年12月に6thアルバム「FLOWERS」をリリース。2023年10月にはデビュー10周年記念アルバム「DREAMS」を発表した。2024年1月にポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsに移籍し、シングル「SHAKE」を配信リリース。3月には千葉県・幕張メッセ国際展示場9~11ホール公演「MAKE MY DREAM」「MAKE YOUR DREAM」を行う。