GLAY「BELOVED Anthology」特集|喜矢武豊(ゴールデンボンバー)が語る GLAY愛と名盤の魅力

飾ることなくオープンなGLAYの魅力

──バンドを組んでGLAYの曲をコピーしようとか、そういう考えはなかったんですか?

いやあ、バンドを一緒に組んでくれる友達がいなかったんですよ。家でギターを弾いてるだけで単純に楽しかったのと、楽器をやってる人も周りにいなかったし。

──でもGLAYと同じようにバンドを組み活動していますよね。

あの、何度も言いますが、僕ら楽器弾いてませんから! にしてもGLAYさんとか正統派なロックバンドの人たちは、僕らのことどう思ってるんですかねえ。ふざけたことばっかりやってる僕らとも仲よくしてくださるGLAYさん……本当に懐が深い。

──GLAYのライブに初めて行ったのはいつだったんですか?

喜矢武豊

恥ずかしながら最近なんです。もともとあんまりライブに行く習慣がなくって、音楽番組やCDで音楽を楽しむタイプだったので。なので、5年くらい前に行われた武道館公演で、GLAYさんのライブを初めて観たと思います(参照:GLAY、全国51本ツアーを武道館3DAYSで締めくくり)。

──初めてライブを観たときの感想は?

単純に演奏めっちゃうまいな!って。お前が言うなって言われるでしょうけど(笑)。あと、ライブを観ながらずっと笑ってた記憶があります。GLAYさんのライブって楽しくて仕方がないんです。演出も含めてすごいし、演奏もうまいし、そのうえ楽しくて仕方がない。3拍子そろってる。

──喜矢武さんはGLAYのメンバーの皆さんと交流があると思うのですが、それぞれの人となりはどうですか?

いい意味で貫禄がないし、誰に対しても優しく接してくれるんですよ。GLAYさんと言えば国民的ロックバンドで絶対的な存在なわけじゃないですか。なのに、初めて会ったときから皆さん気さくで話しやすくて、「すごい、これがGLAYか……」って思いました。初めてお会いする前に、HISASHIさんとTwitterで絡んで。僕がGLAYさんのライブでギターソロを弾くという夢を見たということを投稿したら、HISASHIさんが反応してくれて。「一緒にギター弾こう♪」と言ってくださったんですが、いまだに実現していません(笑)。

──はははは(笑)。これからの夢ということで。

そうですね。GLAYさんは、オンもオフもいい意味で自然なんですよね。飾ることなくオープンで。メンバー同士、仲がいいのも活動や音に反映されている気がします。

ギターの活用方法では負けない!

──GLAYから受けた影響にはどんなものがありますか?

いやあ、僕らが参考にしちゃいけない存在ですよ。恐れ多い! でもあえて言うなら、JIROさんの何事に対してもストイックな姿勢は刺激になりますね。JIROさんは音楽はもちろん、フットサルやスノーボードなど遊びに対しても真面目なんです。GLAYさんのライブを観たあとだと、自分のライブでHISASHIさんの真似しちゃうところもあります。見せ方の影響は受けていると思いますね。

──例えば?

HISASHIさんのポーズをパクったり。HISASHIさんがピックを持ってるときの、小指と人差し指でピースをしてるのを真似したり。

──そう言えば、過去のライブで「HISASHIさんになりたい!」って言ってましたね(参照:波田陽区に“喜矢武三郎”!?金爆たまアリ大騒ぎ)。ちなみにゴールデンボンバーおよび喜矢武さんが、「GLAYにここだけは負けてない」と思う部分は?

GLAYの頭文字「G」を体で表現する喜矢武豊。

え!? そんなものあるわけないじゃないですか! うーん……金をかけないステージングですかね。あとギターの多様な活用方法では勝てる気がします。

──ギターの活用方法?

僕だったらギターの裏でキャベツの千切りとかできますので。それはTAKUROさん、HISASHIさんにはできないと思います! あと、この前ライブでギターのヘッド部分を大根にして食べるパフォーマンスをしたことがあるんですけど、これはGLAYの皆さんには絶対できない。うまい棒でできたギターを弾いたりとか(参照:うまい棒ギターを弾く喜矢武豊)、誰も考えたことがないギターの活用方法を開発することについては負けません。

──そういうアイデアは喜矢武さん自身が考えているんですか?

いや、ほぼ鬼龍院です!

──でも、それをパフォーマンスとして表現するのは、喜矢武さんの役割ですからね。

そうですね(笑)。うまい棒のギターを扱えるのはゴールデンボンバーくらいですから。そこはGLAYさんにも見習ってほしいですね……って言うのは嘘です。

──逆にGLAYと、ゴールデンボンバーの共通点は?

4人組であることと、バンド名の頭文字が“G”であることとか(笑)。真面目に答えるとファンを楽しませることに関しては、やり方は違うけど気持ちは同じだと思います。常にファンが喜ぶことを考えている。

──確かに。

TAKUROのまねをする喜矢武豊。

そう言えばこの前、GLAYさんが出演したBREAKERZさんの対バンライブに遊びに行かせていただいたんですけど、その打ち上げでTERUさんが「これまであんまり対バンライブをしたことがない」とおっしゃってて。「今日のセットリストどうだった? あれでよかった?」って聞いてきたんですよ。エアーバンドのメンバーであるこの僕にですよ! すごい汗かきましたね。

──GLAYのメンバーからゴールデンボンバーに対して先輩としてアドバイスなどはあるんですか?

あんまりそういう話はしないんです。ただ、TAKUROさんが以前すごい褒めてくださって。「本当にすごいジャンルを見出したよね」って言ってくださった記憶があります。意外にゴールデンボンバーと同じことってできないみたいなんですよ。

──なかなかできませんよ、あれほどの振り切れたパフォーマンスとエンタテインメント性の高いライブは。それでは、これから「BELOVED」を聴くリスナーに向けてひと言お願いできますか?

昔からのGLAYファンの皆さんは新しい感覚で「BELOVED」を聴けるのでいいと思いますし、「BELOVED」を聴いたことがない人にとっては新たなGLAYさんを知れる機会だと思うのでぜひ聴いてほしいですね。特に僕みたいな昔からのファンにとってデモ音源はうれしい! オリジナル盤と聴き比べるのも面白そうだし、「BELOVED Anthology」を通して時代の進化を感じることができるんじゃないかな。

──そして最後にGLAYへのメッセージをお願いいたします。

僕が音楽を始めるきっかけをくださってありがとうございます。僕の音楽人生を育ててくれて、人生を一緒に歩んでくれて、本当にありがとうございます。GLAYさんはいい意味でずっと根本は変わらないと思うんですけど、同時にどんどん進化していくと思うんです。これからの活躍もとても楽しみにしてます。あ、最後に1つお願いが……。

──なんですか?

次に出るGLAYさんのアルバムに参加させてください。ギターとボーカルで! 僕もGLAYになりたい!

TERUのまねをする喜矢武豊。
GLAY「BELOVED Anthology」
2017年9月20日発売 / LSG
GLAY「BELOVED Anthology」

[2CD+1DVD]
6999円 / LSGC-0003

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DISC 1
  1. GROOVY TOUR
  2. Lovers change fighters,cool
  3. BELOVED
  4. SHUTTER SPEEDSのテーマ
  5. Fairy Story
  6. カナリヤ
  7. HIT THE WORLD CHART!
  8. a Boy~ずっと忘れない~
  9. 春を愛する人
  10. カーテンコール
  11. 都忘れ
  12. RHAPSODY
  13. neuromancer
  14. 口唇
DISC 2
  1. GROOVY TOUR Demo
  2. Lovers change fighters,cool Demo
  3. BELOVED Demo
  4. SHUTTER SPEEDSのテーマ Demo
  5. Fairy Story Demo
  6. カナリヤ Demo
  7. HIT THE WORLD CHART! Demo
  8. a Boy~ずっと忘れない~ Demo
  9. 春を愛する人 Demo
  10. カーテンコール Demo
  11. 都忘れ Demo
  12. RHAPSODY Demo
  13. neuromancer Demo
  14. 口唇 Demo ver.1
  15. 口唇 Demo ver.2
DVD収録内容
  • "Document of BELOVED Days"
GLAY(グレイ)
GLAY
北海道函館市出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には千葉・幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催し、有料の単独ライブとしては世界最多観客動員を記録する。2000年に入ってからも数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」(現:LSG)を設立。メジャーデビュー20周年となる2014年は、9月に宮城・ひとめぼれスタジアム宮城にて単独ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」を行い、11月にオリジナルアルバム「MUSIC LIFE」をリリースした。2015年には5月に10年ぶりとなる東京・東京ドーム公演を2日間にわたって開催。2016年1月にシングル「G4・IV」を発表し、同月より全国ツアー「GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 "Supernova"」を開催した。2017年7月に2年半ぶりとなるニューアルバム「SUMMERDELICS」をリリース。9月末から「GLAY ARENA TOUR 2017“SUMMERDELICS”」と題した全国ツアーを開催している。11月にニューシングル「WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~」を発表。
ゴールデンボンバー
鬼龍院翔(Vo-karu)、喜矢武豊(Gita-)、歌広場淳(Be-su)、樽美酒研二(Doramu)からなるヴィジュアル系エアーバンド。2004年に鬼龍院翔と喜矢武豊を中心に結成される。ライブでは鬼龍院翔以外は楽器を弾かず、踊ったり寸劇を演じたりするなど、さまざまなパフォーマンスを行うのが定番となっている。エアーバンドというコンセプトや、麗しいビジュアルと笑撃的な歌詞のギャップで注目を集め、カラオケの連続首位獲得週数歴代1位を獲得した大ヒット曲「女々しくて」や、シングル・アルバム共にオリコン初登場1位を獲得するなどインディーズ史上初の記録も持つ。「NHK紅白歌合戦」にも4度出場。2014年8月には“音楽だけを売ること”に特化し、特典なし、1形態、真っ白いジャケット、税込み500円というシングル「ローラの傷だらけ」を発表した。2015年6月に約3年半ぶりのアルバム「ノーミュージック・ノーウエポン」をリリース。その後も「水商売をやめてくれないか」「#CDが売れないこんな世の中じゃ」といったシングル発売を重ね、2017年11月には47都道府県それぞれで異なるバージョンを用意したシングル「やんややんやNight ~踊ろよ※※~」(※※に各都道府県名)を発表する。