TAKURO（G）コメント

「BELOVED」は自分たちの感覚としては、当時の百花繚乱な90年代のミュージックシーンに戦いを挑むことを意識した最初の作品でした。その前にリリースされた「SPEED POP」「BEAT out!」は、自分たちがやりたいことを若い熱量だけで作ってたんです。一方で「BELOVED」を作っていた頃って、周囲に結婚するヤツとか出てきて、自分たちだけでなく世の中との関わりも意識するようになっていた。それが作品にも反映されています。

あと憧れのロックと決別した1枚でもありましたね。「SPEED POP」や「BEAT out!」は、自分たちが憧れてきた洋楽のロックの音を表現したくて、背伸びしている部分もあった。でも「BELOVED」では自分の心情をギターに乗せるような曲も多くて、それが評価されたことで自分たちの素直さを音に出していいんだという考えになったんです。作家としては自分の新たな引き出しを開拓できた作品で、人間としても、音楽家としても成長できたアルバムでしたね。

それがAnthologyとしてまとまることで、デモテープの音源も含め、改めて思い出深い1枚になりました。DVDも、メンバーの少年性とか無邪気さも出てるような内容だしね（笑）。