原因は自分にある。が、結成3周年の記念日である7月7日に新曲「原因は君にもある。」を配信リリースした。
「原因は君にもある。」は、げんじぶのデビュー曲にして彼らのライブアンセムとなっているセルフタイトル曲「原因は自分にある。」のアンサーソングとして制作された楽曲。げんじぶのアイデンティティと言えるピアノロック調のサウンド、複雑かつ難解な遊び心満載の言葉遣いに乗せて、「ここまで歩んでこられた“原因”は、君にもあるんじゃないか?」という“3年目の気付き”が歌われる。
自分たちを支えてくれるファンへの感謝をギュッと詰め込んだこの曲を、メンバーは「げんじぶの“第2章”の幕開けの曲」だと定義した。7人が歩んできたこれまでの道のりと、さらなる飛躍を見据えた今の思いについて聞いた今回のインタビュー。人々が願いをかける七夕の星空をイメージした撮り下ろし写真とともに、彼らの今を受け取ってほしい。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 須田卓馬
解説:「原因は君にもある。」
結成3周年を迎えた原因は自分にある。が、デビュー曲であるセルフタイトルトラック「原因は自分にある。」をモチーフに作り上げた新たなアンセム。「原因は自分にある。」をはじめ「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」「柘榴」など数多くの楽曲を手がけ、げんじぶの無二の個性を楽曲を通じて形成してきた久下真音が作詞、作曲、編曲を担当している。
マイナー調の「原因は自分にある。」から一転、“陽”の開放感をたたえたこの曲には、「青空」に対する「海底」、「オムライス」に対する「パスタ」、「葡萄」から連想される「シチリア」など、「原因は自分にある。」へのアンサーとなるような言葉がちりばめられているほか、げんじぶがこれまでに発表したさまざまな楽曲をオマージュしたフレーズや音も随所に。一筋縄ではない楽曲展開と言葉遊びを駆使しながら、メンバーの7人は「ここまで歩んでこられた“原因”は君にもあるんじゃないか?」と、ファンと結んだ“共犯関係”を歌い上げる。アニバーサリーを祝うかのごとく鮮やかに乱れ咲くピアノ演奏は、和久井沙良が担当した。
夢に向かう力が強くなった3年間
──7月7日で、皆さんがBATTLE STREETとしてデビューしてから丸3年になります。まずお聞きしたいのは、デビュー当時と今現在とで、グループ活動に対する自分の気持ちに変化はありましたか?
武藤潤 自分は「もっと進化しなきゃ」という気持ちが強くなりました。僕ら毎回毎回面白い曲を歌わせてもらうので、その歌に適した能力やパフォーマンス力をもっと身に付けていかなきゃなって。
杢代和人 僕は、デビューした当初は「早く先輩のグループに追いつきたい」という気持ちがあったんです。だけど、今はそういう考え方をしなくなりました。純粋に、どうすればこの先自分たちのグループがエンタメシーンで爪痕を残せるかを考えてる。昔は目の前のことばかり気にしていたけど、今は将来のことを考えて活動していると思います。
小泉光咲 視野が広がった感じがするよね。自分たちのパフォーマンスにしても、デビューしたての頃は7人のダンスをそろえることだけに力を注いでいたんですけど、今は1つひとつの曲をどう見せていくか、どんな表情で踊るかを、細かい部分までしっかり考えられるようになったなって。話し合いをしっかりして、チーム全体で一緒に作り上げることができるようになりました。
長野凌大 仲間意識がより強くなったというか……原因は自分にある。というグループの中の1人の人間として、ほかのメンバーやスタッフさん全員の人生を背負っているんだという意識が芽生えたことも大きいと思います。デビュー前には夢でしかなかったものが現実的な目標になって、自分たちの力でできることも増えて、「やりたいな」が「やらなきゃな」に変わってきて。そういう意識は、3年前に比べたら格段に変わったと思いますね。
大倉空人 自分の中で変化を感じるのは、メンバーの関係性のことなんですけど……デビューしたときは、6人は“一緒に活動をしていく仕事の人たち”っていう感覚だったんです。だけど、今となっては家族のように親しくて深い関係になれて、もうみんなのことがめちゃくちゃ大好きで。そういう関係になれたことで、グループとして夢に向かう力も強くなったと思うんです。そこは、俺的にはすごく大きな変化でした。
桜木雅哉 僕、EBiDANの研究生時代は「グループの一員として活動したい」っていう気持ちが強すぎたので、デビューしたときには「新しいグループのメンバーになれてよかった」ということしかほとんど頭になかったんです。だから、当時は目の前のことをひたすらがんばる……みたいな感じだったけど、今は一瞬一瞬をしっかり大切にできるようになりました。今を大切にしたら、この先の未来が見えてくるんじゃないかなって。そういう気持ちの変化がありました。
吉澤要人 僕は、時間に対する意識が変わりました。最近すごく思うのが、皆さんが僕らに会いに来てくれるとき、僕らは皆さんの時間をもらっているんだよなって。だから、最近は自分の時間を大切に思うと同時に、皆さんがくれた時間を絶対に無駄にしてはいけないなという思いが強くありますね。
変化は楽しみだった
──皆さんそれぞれに変化を感じているんですね。今回、結成3年のタイミングでお話を聞かせてもらうことになって、自分もいろいろと過去をさかのぼっていたんです。それこそ2019年7月にデビュー発表をする前、BATTLE STREETのプレデビューイベント(2018年11月)も取材したなあとか……(参照:「7人で上目指す」EBiDAN新プロジェクト・BATTLE STREETがお台場で“プレお披露目”)。
一同 ええー!
小泉 お台場でやったイベントですよね? 懐かしいー!
吉澤 凌大のマイクの電源が入ってなかった日だ。
長野 そう、自分で入れた(笑)。
大倉 まだ、デビューできるかもわからなかった頃ですよ。
杢代 あれから4年かあ。4年でこんなに変わるんだねえ。
──BATTLE BOYSというEBiDAN研究生のプロジェクトの中からBATTLE STREETという7人組グループになり、デビューが決まり……という流れで進んでいく中で、デビューから1カ月後に「原因は自分にある。」としてグループの名前も色もガラリと変化する、という動きは外から見ていても大きな驚きがあったので、皆さんがどう思ったのかも改めて聞きたいなと思って。
大倉 それはもう、最初は「なんだこのふざけた名前は」ですよ。
一同 あはははは!
小泉 いや、それはそうだよね。
大倉 ホントにびっくりしました。当時、デビュー曲の音源を先にもらっていて、そのタイトルが「原因は自分にある。」だったんです。改名の発表があるからと会議室に集められて、裏返しになっている紙をめくったら「原因は自分にある。」と書いてあったから「あれ、曲名?」と思ったら「これが新しいグループ名です」と言われ……そのときは「ホントにこれでやるんですか?」って(笑)。
小泉 みんなの言葉が出てこない時間がかなり続いたよね。
長野 事務所に入所して、初めて後悔を感じた瞬間でした(笑)。
杢代 でも俺、改名すること自体はうれしかったんですよ。BATTLE STREETってBATTLE BOYSとあまり変わらない呼び名だから、研究生時代を引きずっているようにも思えてしまって。蓋を開けてみたら「原因は自分にある。」だったことは置いておいて(笑)、やっと自分たちだけの色が出てきそうな気配があったから、変化は楽しみだったんです。
大倉 その気持ちはわかるな。そういえば発表前さ、グループ名の候補を勝手に考えてたよね。
長野 懐かしい!
大倉 みんなで予想していたんです。「超特急さんみたいに漢字3文字かな?」とか……。
小泉 「英語がいいでしょー!」とかね。
杢代 「英語がいい」ってみんな言ってたね。
大倉 で、光咲が考えたのが……?
小泉 「OVER DRIVE」です。
杢代 ダサすぎるやろ!
一同 あはははは!
大倉 俺らも俺らで「あるあるある!」とか言いながら(笑)。あと、「かわいい系の名前だったら『ハニーストロベリー』とかじゃない?」って……。
吉澤 ハニーストロベリー! 懐かしい!(笑)
長野 「それはちょっとやだねー!」なんて盛り上がっていたら、「原因は自分にある。」になりました。
一同 あはははは!
川谷絵音さんは僕らのヒーロー
──でも、それが結果としては大きな初期衝動になったというか。とにかく周囲に与えるインパクトがすごかったじゃないですか。
小泉 そうですね。
──当時の出来事ですごく覚えていることがあるんですけど、音楽ナタリーで改名のニュースを公開したら、直後に川谷絵音さんがそのニュースを「気になる。笑」と引用リツイートされて……。
一同 あー!
長野 覚えてます! 僕、川谷絵音さんのことがめっちゃ好きなので、「これ見てください!」って速攻でメンバーのLINEグループに送りましたもん!
武藤 あれはうれしかったよねえ。
小泉 発表直後のリアクションって、ほとんどが「何この名前?」みたいな感じだったんです。だけど、川谷絵音さんは「気になる」って前向きに反応してくださって、そのツイートを見て僕らうれしくなりました。あのときの唯一の救いでした!
──唯一の救い(笑)。
大倉 いや、ホントに光が見えたよね。
長野 僕らのヒーローだよ。
大倉 マジでそう。
杢代 川谷絵音さん、お会いしたいです!
──とにかく衝撃的でしたけど、改名直後にあった「EBiDAN THE LIVE 2019」でのパフォーマンスなども含め、皆さんがその衝撃をどんどんポジティブな推進力に変えていったことは純粋にすごいなと思います。それには「原因は自分にある。」というデビュー曲との出会いも大いに関係しているのかなと思うのですが、デビューから3年が経って、この楽曲はげんじぶにとってどんな意味を持つ曲になりましたか?
大倉 これはもう、最初からずっと変わらない。7人にとって一生、一番大切な曲なんじゃないかなと思います。デビュー曲としてこの曲をもらったとき、僕ら「この曲に負けないパフォーマンスをしよう」って決めたんです。名前のインパクトで気になってくれた人が実際パフォーマンスを見たらショボかったなんてことは絶対あってはいけないよねってみんなで話して、そこから本当に……今考えてもびっくりするくらい、振りをそろえる努力をしたんです。そういう思いや重ねた努力があるから、ずっと一番大切な曲だよなって。
小泉 その通りですね。
──そうなんですね。では、3年間この曲を歌い続けてきた中で、進化を感じる部分などはありますか?
吉澤 それは“ジャンプ”ですね。間奏に跳ぶ動きがあるんですけど、ジャンプの高さはマジで進化したと思います。凌大のジャンプ力がすごいんで、それに合わせて全員が高く跳ぶようになって。
長野 それ、いいのか悪いのか……僕、楽しくなるとジャンプ力が上がっちゃうみたいなんですよ(笑)。
大倉 間違いなくいい影響だと思うよ。
小泉 振りが大きく見えるし。
大倉 あるライブの写真を見たら、凌大だけすごい飛んでたんです。それを見て「バランス合わせたいね」となって、みんなも跳ぼうと。凌大がライブ中に楽しくなっちゃったことによって進化した部分です(笑)。
──前回のインタビューで、潤さんが「この曲はすごく熱量がいる曲だ」と言っていたのも印象的でした(参照:原因は自分にある。インタビュー|げんじぶの曲には“色”がある。曲を彩るその理由と、東名阪ツアーで得た“大きな経験”)。
武藤 そうですね、それは3年間変わらずですね(笑)。
小泉 潤くんはサビのパートをずっと歌っているから、マジで大変だと思います。
武藤 でも、前と比べて笑顔で歌えるようにはなってきたと思います。そういう進化はあるかな!
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「原因は君にもある。」は“世界観の共有”