音楽ナタリー PowerPush - GEEKS
ルーツを重んじ王道を鳴らす 孤高のバンド
本来ならGEEKSが王道
──歌詞も含めてGEEKSに似た音楽性のバンドって日本にはあまりいない印象があります。
ミツ 似てるバンドがいないっていうのは褒め言葉かな。
エンドウ. 似てるバンドも気の合うバンドもいないんですよ。別に孤高の存在を目指そうとか思ってるわけじゃないんですけど、僕らのバンドは孤立しちゃってる。
──なぜ孤立してしまうんですか?
エンドウ. 僕らは限りなくルーツを大事にするバンドでいなければと思っているんです。ロックの歴史を意識してるというか。でも周りにはそういうことを考えているバンドが少ないように感じる。
ミツ ルーツを大事にするっていう当たり前のことをやっているはずなのに、なぜか同じようなバンドがいない。
エンドウ. とはいえ、僕らもリーゼントにしてロックをするってわけじゃないんです。当時のものをそのままやるっていうより、延長線上にある音楽をやってる意識があります。
──GEEKSから見たら、世の中で流行している音楽のほうが“邪道”ってことなんでしょうか?
エンドウ. そうですね。本来なら僕らが王道なはずなんですよ。なのに明らかにマイナーな存在だからね(笑)。
ミツ ルーツをたどらないでやってるのって、音楽だけな気がするんですよね。絵を描く人がピカソを知らないわけがないじゃないですか。
エンドウ. 音楽ってお手軽にできちゃうからかな。でも僕らも自分たちのルーツはあまり言いたくないんですよ。「こういうのに影響を受けました」って洋楽を紹介しても……。
ミツ なんか自慢してるみたいじゃないですか。
エンドウ. 「洋楽聴いてるんだ、ふーん」みたいな空気というか。そんなのは当たり前なのに!
対バン相手のライブはあまり観たことがない
──ほかのバンドとの交流とかはないんでしょうか?
エンドウ. 全然ないですね。楽屋とかでも全然話しかけてもらえないんですよ。
キョウヘイ だからいっつも4人で固まっていて。黙ってずっとゲームやってたりします(笑)。
──競演者とコミュニケーションを取ったりはしないんですね。
ミツ 対バンの“対”は、対決の“対”ですからね。
エンドウ. 対バン相手のライブとかあまり観たことないんですよ。
──キョウヘイさんは2年前にGEEKSに加入していますよね。加入前に外から見たGEEKSの印象はどうでしたか?
キョウヘイ 絶対怖い人たちだろうなって、思ってました。
エンドウ. よく言われるんですよ(笑)。
キョウヘイ でも実際バンドに入ってみるとそういう怖さは感じないです。なんでそんなふうに思ってたんだろうって。今では逆に僕も怖いって思われる側に回ってしまいました。
──今作のリリース後にはGEEKSのツアーがありますよね。そこに出演するバンドとの関係性はどうなんですか?
エンドウ. 実は彼らのライブもほとんど観たことないんですよ。
ミツ 俺は、たまに観てるよ。
エンドウ. 競演者には、自分のツアーで何やってもらっても大丈夫なので。
カオル 僕とキョウヘイは競演者のライブを観るほうなんですよ。
エンドウ. そうですね。2人にフォロー入れてもらってる部分はあるかもしれないです。
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収録曲
- VERMIN KILLER
- ANATOMY RHAPSODY
- THUMBTACK PROMA DONNA
- GEEZER JERK
- GALLANT VAGRANT
- CHICAGO TYPEWRITER
- ROAD ROLLER
- 125MONOLOGUE
- PENNY BLACK
- BUCEPHALUS
- DECREPIT BUS
- VERMIN KILLER(TeddyLoid's Reworked Mix)
GEEKS(ギークス)
エンドウ.(G, Vo)、ミツ(B, Vo)、カオル(Key, Vo)、キョウヘイ(Dr, Vo)の4人からなるロックバンド。洋楽由来のメロディとぶ厚いコーラスワークを特徴とする。2008年の活動開始以降、精力的に音源を発表をする一方で2度にわたる東京・渋谷ハチ公前のゲリラライブ開催や、アメリカ・テキサス州のフェス「SXSW」に2年連続で出演するなど枠に捉われないバンド活動を続ける。2014年11月ニューアルバム「ALKALOID」をリリース。さらにアルバムの発売を記念した全国ツアー「投げナイフツアー」を開催している。