GANG PARADE「Peace☆超パニック / 一夏」インタビュー|かわいくてカッコいいギャンパレの夏

GANG PARADEが8月28日にニューシングル「Peace☆超パニック / 一夏」をリリースした。

今作には“かわいい&カッコいい”を詰め込んだ情報量の多い夏のロックチューン「Peace☆超パニック」、夏のエモーショナルな情景が浮かぶ「一夏」という2曲の表題曲に、ヤママチミキとユメノユアが歌唱する「トーナリティ」を加えた計3曲が収録されている。本特集ではヤママチ、ユア、キャン・GP・マイカ、キラ・メイのインタビューをお届け。新曲の話題はもちろんのこと、5月から7月にかけて行われたオールスタンディングツアーの手応え、意外にもデスボイスが得意なメンバーの話、“ギャンパレ秘伝のハモり”、そして先日WACK退任を発表した渡辺淳之介の言葉を受けて思うことなどを話してもらった。

取材・文 / 田中和宏撮影 / 大橋祐希

ギャンパレ現場は荒れていません

──6月から7月にかけて「AVANTGARDE PARADE TOUR」が行われました。2019年以来約5年ぶりのオールスタンディングでのワンマンツアーでしたが、やってみていかがでしたか?

キャン・GP・マイカ 2022年の再始動後にギャンパレを好きになってくれた人がけっこういたこともあって、オルスタでのライブ参戦が初めての遊び人(GANG PARADEファンの呼称)がけっこういたんです。あとはコロナ禍の2020年から2021年までGO TO THE BEDS、PARADISESに分裂していた時代に私たちを好きになってくれた人からすると、座席が割り振られていることが当たり前だったから、オルスタでのライブにおびえている人もいました。

キラ・メイ 「潰されたらどうしよう?」とか(笑)。

マイカ 「そんな荒れている現場じゃないから!」とは思ったんですけど(笑)。

ヤママチミキ 極端な意見だと「オルスタだったら行くのやめようかな」という声もあって。

ユメノユア きっとライブハウスに行くこと自体が初めての人もいたんでしょうね。

左からユメノユア、キラ・メイ、キャン・GP・マイカ、ヤママチミキ。

左からユメノユア、キラ・メイ、キャン・GP・マイカ、ヤママチミキ。

マイカ でも、私たちのライブは「みんなの遊び場」であって、そんなに荒れている現場じゃないです(笑)。「もしも何かあったらうちらが守るよ」ということを、勇気を持って来てくれた人には伝えました。

ヤママチ ライブを重ねていくうちにお客さんもだんだん慣れてきて、オルスタの楽しさをちゃんと味わってくれるようになりました。最初の頃は後ろからグーッと押されてショックを受けちゃうみたいな子もいたけど。

マイカ そうそう。でもうちらが「突進はやめて」ってちょこちょこ発信していたら、だんだん改善しましたね。

──GANG PARADEは7月から8月にかけてファンクラブ会員限定ツアー「FANCULB TOUR ASOVIVA」を行っています。このツアーはユメノユアさんがプロデュースしているそうですね。

ユア 5月にニコニコ生放送さんでも生配信したイベント「GANG PARADEのパショギラ30時間躍動2DAYS ~ニコ生配信を止めるな~」がありまして、その中でギャンパレ総選挙をやったんです。その優勝者へのご褒美が、ファンクラブツアーのプロデュース権だったんです。

──このツアーでは一部エリアがモッシュOKということで、撮影が許可された曲のライブ動画もSNSで出回り話題になってます。

ユア WACK全体に言えることですけど、普段のライブはダイブ、リフト、サーフ、モッシュなどが禁止なので、このツアーだけ特別にOKにしました。私はロックバンドの激しいライブも好きなので、こういうのがあってもいいかなと思っていて。でも女の子のお客さんもいるから、フロア全体でモッシュOKをやることはなくて、本当に一部エリアだけではありますけどね。モッシュエリアを作ってみてよかったです。

メイ 通常エリアも楽しそうだけど、モッシュしてる遊び人はすっごい楽しそうでした(笑)。

マイカ ステージから見てると面白いよね(笑)。ギャンパレのライブは普段、動画撮影がOKなんですけど、FCツアーは基本的に動画を禁止にして。1曲だけユアちゃんが「いいよ」って言ったタイミングだけ許可しているんです。撮影はまったく問題ないんですけど、撮影禁止のライブだとのびのびできる(笑)。

デスボ経験抱負なキラ・メイ

──ちなみに今日は「収録曲の参加メンバー、パート分け、メンバーの歴を考慮して」というレーベルのスタッフさんの意向で、この4人に集まってもらいました。

マイカ 「老3、若1」な気がしますけど(笑)。

メイ 「Peace☆超パニック」だとユアと私がデスボイス担当、ミキとマイカがかわいいボイス担当なんです。

キラ・メイ

キラ・メイ

──なるほど。メイさんはデスボ初体験ですか?

メイ 実は初じゃないんですよ! GO TO THE BEDSのとき、試しに「merry bad end」をデスボで歌ってみたら「意外とできるじゃん!」ということが判明して、ほぼ私が叫ぶことになりました。GANG PARADEとして再始動してからもデスボイスパートをいただいていて、ユアちゃん、月ノ(ウサギ)ちゃん、アイナスター、私のユニット曲「限界少女」でもひたすらデスボイスなんで、意外とやってるんですよ(笑)。

ヤママチ ユアちゃんは昔からデスボ担当だよね。

ユア 松隈ケンタさんをはじめ、SCRAMBLESから楽曲提供を受けていた頃からずっとやらせてもらってて。主に「わー!」と叫ぶ系が多かったんですけど、「Peace☆超パニック」はちゃんと歌詞ありのデスボなんです。それはたぶん初めてですね。

かわいいヤママチ、カッコいいココ

──ちなみにこの「Peace☆超パニック」、冷静に読むと混乱するタイトルですね。

ヤママチ 一見、意味がわからないですよね。平和なのかなんなのか(笑)。

メイ でも曲自体もタイトルから受ける印象と一緒で、ピースで超パニックな感じ。

マイカ かわいいボイスチームとデスボイスチームの歌が入り乱れていて、1曲の中にめちゃめちゃ波があって、展開も早い。物語を読む感覚で曲を楽しめると思います。

メイ この時期にぴったりの夏っぽい曲でもありますね。音楽フェスや野外ライブでお客さんと一緒に楽しむことで、より楽曲のよさが引き出されていくはずです。ちょうど今日振り入れをしたので、ライブでやるのがめっちゃ楽しみです。

マイカ 振付は私が担当しました。メンバーが作詞をした曲は、振りをつけるときにそのメンバーにどんな気持ちで歌詞を書いたかを聞くんです。でも今回のシングルは3曲とも作家さんに書いていただいたものなので、いろいろ妄想して、考察して、振りを考えていきました。「一夏」の振付が“スカしたGANG PARADE”だったので、「Peace☆超パニック」はしっちゃかめっちゃかでなんでもありのおふざけ感を出しました。メイが言ってたみたいにフェスでできたらいいなという気持ちもあるし、サビの「Peace☆超パニック Peace☆超パニパニ」というキャッチーなフレーズがTikTokでも映えるだろうなと思ったので、SNSでバズったらいいなということも考えて作りました。

キャン・GP・マイカ

キャン・GP・マイカ

──1番サビはキャ・ノンさんが歌っていると思うんですが、これまでになくかわいい声ですね。

メイ 素直な感想(笑)。かわいいパート、デスボパートだけじゃなくて、ヒップホップパートもあって、カッコいいですよ。

マイカ ココは普段からヒップホップとかラップを聴いていることもあって、さすがです。ココの低い声も曲調にぴったりで。

──ココさん、カッコいいですね。昔はレコーディングで全員が全パートを歌ったうえで歌割りが決まっていましたが、今回はどうだったんですか?

ヤママチ レコーディングの段階でかわいいチームとデスボチームに歌割りが分かれてました。私はかわいいチームになったんで、自分でびっくりですよ!(笑)

メイ 歌い出しもかわいいミキちゃんだもんね。

ヤママチ かわいいのか?

メイ かわいいよ。

ユア 今回のFCツアーでは、初日になぜかみんなデスボイスで自己紹介するコーナーをやったんです。そうしたら、メイちゃんだけじゃなくて、みんなデスボイスが意外にうまかったので、いつか全員でデスボの曲にも挑戦したいです。

ヤママチ ナルハワールドもデスボうまかったよね。

ユア ナルハのあんな声初めて聞いたもん。びっくりした(笑)。

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「一夏」はスルメ曲