GANG PARADEを去るカミヤサキへの思い

──で、最後の曲はカミヤさんのソロ曲「FALL」です。

ヤママチ　とてもいい曲で、私は聴いて思わず泣きました。

月ノ　「LOVE PARADE」のときにもしかしたら入るかもってデモをいただいてた曲なんですけど、今回サキさんがグループを抜けるにあたって、ソロ曲になったんです。

ヤママチ　もともとシングルのタイトル曲候補だったのがサキさんのソロになって。

──「ギャンパレ10000000000（テンビリオン）」という企画を2回やって、どちらもカミヤさんがソロ曲の権利をゲットしたので「LOVE PARADE」のソロ曲に続いて、今作でもソロ曲が入ることになったそうで。もしその企画がなかったら入ってない可能性あったんですか？

ヤママチ　そうです。最後だから特別というわけではなくて。でも最後にサキちゃんの声が聴けてよかったなって。

月ノ　でもこの曲を一緒に歌いたかったなという気持ちもちょっとありました。

ヤママチ　うーん、私はこの歌詞を歌えないなって思った。

月ノ　それもわかる。歌詞にサキさんの気持ちが詰まってるから。サキさんの脱退を知ったとき、先々の不安が大きくてどうしよう、どうしようと必死だったんですけど、この曲を聴いて初めて寂しさを感じて。やっぱり切ないなあ。

ヤママチ　ある雨の日に傘もささずにこれを聴きながら泣いて家に帰りました（笑）。落ち込んだとき、どん底まで落ちたい気分の日って誰にもあると思うので、そういうときに聴いたらいいと思います。

月ノ　ははは（笑）。さっき寂しいと言いましたけど、サキさんがいなくなっちゃうという現実をこの曲で突きつけられた感じがしました。

──グループ発起人であるカミヤさんは、2人にとってどんな存在ですか？

ヤママチ　私は本当にあの人がいなかったらこの仕事をすることもなかったでしょうし、特別という言葉だけじゃうまく表せないくらい不思議な存在です。メンバーとして、仲間として大切な人で、5年間一緒にやってきた自分のことを一番知ってくれているし、何より私をここに連れてきてくれた人だと思っているので。私の人生においてすごく……影響を与えてくれた人。

月ノ　人生を変えてくれた人でもあるよね。

ヤママチ　うん。すごく大きい存在。POP（GANG PARADEの前身）を始めた頃はみんな担当があって、私はサキちゃんが大好きでこの世界に入ったので「カミヤサキ担当」と名乗っていたくらいでしたから（笑）。

──一方で月ノさんにとってカミヤさんはどういう存在でしたか？

月ノ　私はミキさんよりずっとあとの2018年に加入したので、サキさんと活動したのは2年くらいなんですけど、その期間だけでも数え切れないくらいの恩があります。お手本をずっと見せてくれていた人だったので。でもサキさんがいなくなることは知ってたんです。私とハルナが入ってすぐのときの帰り道だったかな、3人だけになったときがあって。そのときにサキさんが、「私は3年以内にたぶん辞めると思うから」みたいに言っていて。自分の人生、人それぞれの人生みたいな話をしてくれたんです。そのとき私とハルナがまだ入りたてのメンバーだったので、「新メンバー2人にがんばってもらいたいんだ」と言っていて。なので、サキさんがいなくなる覚悟を私はずっとしていたというか。だからこそ、サキさんの背中に早く追いつかなきゃなってずっとそう思ってやり続けてきた。背中をずっと見せてくれてた人ですね。

──そんなカミヤさんがいなくなり、2グループに分かれて活動するという大きな変化に、正直なところ不安は感じませんか？

ヤママチ　私はそんなに不安はないです。

月ノ　半々ですね。気持ちはワクワクしてるんですけど、現実的な面で不安が多いので。私は9人以下でステージに立ったことすらないので、3人でステージに立つっていうことが素直に怖いです（笑）。

──大所帯に比べると、2グループに分かれることによって1人あたりにフォーカスされるチャンスでもありますよね。

月ノ　間違いないですね。1人ひとりがより責任感を持つことになるので、パワーアップできるなとは思います。9人、10人はフォーメーションとか団体芸を見せられるんですけど、今までのGANG PARADEで個々の魅力を出し切れたかと言ったらやっぱりそうじゃなかったかなと。少人数になることでお客さんに今まで伝わらなかった部分が逆に伝わっていくようになるのは、個人としてもグループとしてもいいことだと思います。

新しいスタート

──全国ホールツアー「MY FIRST HALL TOUR」は4月12日に始まりますが、意気込みを聞かせてください（編集部注：ツアー初日は延期が決定）。

月ノ　このツアーはもしかしたらGANG PARADEを観られる最後の機会になってしまうかもしれないです。今後どうなっていくのかは自分たち次第ではありますけど、皆さんにしっかりGANG PARADEの姿を観ていただきたいなと思っています。

ヤママチ　このツアーで9人の形をしっかり見せつつ、これから先の面白さをアピールしていきたいです。サキちゃんと活動するのはこのツアーが最後なので、私もお客さんも絶対に寂しい気持ちにはなると思うけど、そこに囚われたくないんです。もちろん寂しい気持ちを持つなとも言わないし、寂しいなら寂しいと感じてくれていいとは思う。でもそれだけで終わりにはしたくないです。「やっぱりギャンパレって楽しい！」という気持ちでツアーは回りたいですし、これから先もギャンパレはめちゃくちゃ面白かったから、きっと2つに分かれても面白いものをお互いに見せてくれるだろうなって、そういう考えをお客さんに植え付けたい（笑）。

月ノ　思ってもらえるように、がんばりたいよね。

ヤママチ　寂しいって思っちゃうのは間違いない。でも寂しいという気持ちで終わっちゃうことのほうが寂しいじゃないですか。2手に分かれてがんばっていきたいです。

月ノ　PARADISESになって求められてるものが、きっと今までGANG PARADEを知らなかった層に伝えていくことなんだなと私は思っていて。それこそ若い子を中心に、今までよりも幅広い層にアプローチでき得る3人が集まったと思うので、より3人になったことでクリアに1人ひとりの個性が見えてくると思います。そこを大事にしつつ、層を広げていく存在になっていきたいなと思っています。ホールツアーのときはGANG PARADEを知ってくださってる人に、私たちはこういうグループとして活動していきますっていう姿を提示していくというか、GANG PARADEを好きでいてくれる人に好きになってもらえるように、土台を作れるようにがんばろうと思ってるんですけど、そっから先はGO TO THE BEDSもPARADISESも、より違う層をつかんでこないと1つになる意味も出てこないと思うので、より私たちに求められてるものを理解して進んでいきたいなと思うPARADISESで死ぬほど売れたいです。これから先も楽しいことをしていきます！

ヤママチ　GO TO THE BEDSも負けないぞ！ 楽しくやってこう！

キラ・メイ（WAgg）がPARADISESに昇格

3月22～28日に行われたWACKによるオーディション「WACK合同オーディション2020」で、2月8日にWAggに加入したばかりのキラ・メイのPARADISES昇格が決定した。