ゴリゴリなGO TO THE BEDS
──GO TO THE BEDSとPARADISES、音楽的なコンセプトの違いはあるんでしょうか?
ヤママチ 楽曲に関して言えばギャンパレのカッコよさとかロック系のゴリゴリな感じはGO TO THE BEDS、ポップでみんなが楽しめるようなワイワイしてる感じの曲はPARADISESになっている印象があります。
月ノ PARADISESは王道J-POPってイメージです。
──GO TO THE BEDSの1曲目「Don't go to the bed」はヤママチさんがおっしゃる通り、サウンドはゴリゴリでメロディもヒリヒリした感じがあって。
月ノ まさに松隈(ケンタ)さん楽曲のカッコよさがギュって詰まった感じがしますよね。
ヤママチ そう、カッコいいんですよ。歌詞に関しては追い詰められた雰囲気がにじみ出ていて。
──歌詞からは前向きさは感じつつも不安が先に立っているような印象を受けました。
ヤママチ 渡辺さんが作詞してくださったんですけど、渡辺さんってメンバーの心情やグループの状態をすごく的確に捉えて歌詞にしてくれるんです。今回も今の自分たちの不安なところを感じ取って書いてくださったんだろうなというのがすごく伝わってきて。それが本当にカッコいい曲に乗せて、ちょっとした不安の中にあるマッチした部分とミスマッチ感が心の底からぐおー!と競り上がってくる感じ。
月ノ 渡辺さんが「死にたい」という単語を入れたことに正直びっくりしました。ネガティブだったり悩みだったりを扱った歌詞を渡辺さんはこれまでも書いているんですけど、ストレートに「死にたい」と訴える歌詞は初めて見たなって。現状のヒリついた部分を歌詞にしてくれたんだろうなって感じました。
──次の「MAYDAY」に関してはどうですか?
ヤママチ 「MAYDAY」はGANG PARADEになかったタイプの楽曲で、GO TO THE BEDSだからいただけた曲かなと。曲調的には2000年代ぽさと懐メロっぽさがあって、メンバーとしてはその感じがエモいポイントなんです(笑)。で、振りはマイカ(キャン・GP・マイカ)らしさ全開です。今までそういう曲が実はなかったので、振りにも注目してもらえたら。
──マイカさんの振り付けはどんな特徴が?
ヤママチ マイカの振りは腰使いがちょっとエッチな感じだったりとか、女の子っぽかったりする振りが多いですね。動き1つでもマイカ自身のパフォーマンスを見るとよくわかるんですけど、グループの中で一番女性らしい動きをするんです。
月ノ イントロを聴いたらカッコいい系のアゲ曲なのかなと思ったけど、サビはしっとりしていて、そのギャップにびっくりしました。GO TOTHE BEDSの練習をPARADISESのメンバーはまだ見てないので、振り付けを含めてどうなっているか楽しみです。
──ヘビーな2曲とは違い、3曲目の「ANSWER」は趣の異なるエレクトロ系サウンドですね。
月ノ 私、この曲大好きです。
ヤママチ かわいいですよね、この曲。歌詞は“いなくなっちゃった君のことを思いながら僕は生きていくよ”みたいな内容で。ストーリー性がとても強いので、自分を当てはめてもいいし、自分の大切な人を思って聴いてほしいです。悲しいけどがんばって前を向いて進んでいくよって気持ちがすごく詰まっているので、ちょっと落ち込んじゃってるときとかにこの曲で元気を与えられるような。みんなの歌い方も優しい感じになってるので、そこもけっこう聴きどころです。
ポップなPARADISES
──アルバムの後半、4曲目からPARADISESのターンになります。
月ノ はい。まず「GOOD NIGHT」はPARADISESのリード曲で、渡辺さんの歌詞に「お前らがんばれよ!」と背中を押されました。Aメロは今までうまくいかなかった私たちの気持ちを渡辺さんなりにかみ砕いて歌詞にしてくださってるんですけど、Bメロの「はいおしまい THANK YOU VERY MUCH」「ほっとけよ THANK YOU VERY MUCH」という部分に、そこから「お前ら絶対進めよ!」みたいな思いをすごく感じました。私たちの境遇に当てはまる歌詞ではあるんですけど、お客さんにとってもそういう背中を押してもらえる1曲になっていると思います。それこそこれがリリース日の4月1日は、いろんな人にとって転機になる日ですよね。スタートダッシュというか、最初が肝心というのは多くの人が思うところだと思うので、いろんな人の気持ちに寄り添う曲になったと思います。
──この曲の歌詞は「愛を持って GOOD BYE です」というフレーズに不甲斐ない部分もある自分に別れを告げるような印象でした。
月ノ 最初は「愛情なりなんなりは時に痛いし虚しい」と歌っているのに、サビの最後には「愛を持って GOOD BYE」と言っているのが、本当に渡辺さんらしいし、大好きです。あとこの曲は作曲が松隈ケンタさんと、娘さんのミノリちゃんなんです。
ヤママチ え、そうなの!?
──松隈さんの娘さんって2、3歳くらいですよね?
月ノ そうです。娘さんがふと口ずさんだフレーズを松隈さんが「それいいやん!」と採用した曲なんですって。
ヤママチ ミノリちゃんすごい!
月ノ だから松隈ミノリちゃんのデビュー曲(笑)。松隈家の才能が詰まった1曲でもあるので、注目してほしいです。ちなみに仮歌詞ではミノリちゃんが口ずさんでた「おっぱいおっぱいおぱいぱい」だったんですよ(笑)。そのまま仮歌でそれが来て、最終的に「GOOD BYE GOOD BYE GOOD BYE BYE」というフレーズになりました。
──面白いですね。続いて「優しい風に吹かれて」はナルハワールドさんが作詞を手がけた1曲です。
ヤママチ この曲好き。初めて歌詞を見たときに、ナルハの世界が詰まってると思ったのと、曲調もすごく好きです。
──ナルハさんってどういう人なんですか?
ヤママチ ナルハは普段おとなしいんですけど、最近ちゃんと自分の意見を言ってくれるようになったりとか、メンバーがちょっといじったときとかに「ウザイです」とか言うようになってくれたのがすごくうれしくて。だんだんと“GANG PARADEのナルハワールド”が確立されてきていますね。この曲の歌詞に関してもナルハはこう思ってそうだなっていうのがわかるし。
月ノ PARADISESの曲はどれもポップなんですけど、そんな中で「優しい風に吹かれて」は唯一のエモ曲というか。私たちは振り付けをやったことないメンバーしかいないので手探りでやってるんですけど、この曲だけはナルハ1人に振り付けを任せてみたんですよ。作詞もしてくれたから、曲を噛み砕いて振りで表現できるのもナルハだなと思ったので。あとナルハは作詞で最初けっこう悩んでたみたいだけど、「自分のことを書いた」と話してました。「今日もそうやって 流され生きるまま」「心に降り続く雨」とどこか寂しい感じで始まるけど、最後は「心は暖かい晴れ 心は暖かい晴れ ずっと満開で 笑顔が咲く」って。
ヤママチ 「ずっと満開で 笑顔が咲く」って、本当にかわいい表現だなあ。
月ノ 最後は笑顔で終わるあたりがこの1年間で経験を積んだナルハの成長なのかなと思えて、すごくうれしい気持ちになりますね。春らしい雰囲気もあるし、タイトル通り優しい風に吹かれたあとの気持ちになる曲。悩ましい状況に共感した人がいたら、きっと聴き終わったあとに前向きな気持ちになれると思います。
ヤママチ 改めてこの曲はかわいいな……私、こんな歌詞書けない(笑)。
月ノ 純粋だし、まっすぐですよね。
──6曲目がテラシマユウカさん作詞の「キモチイイコトシタイ!」です。
月ノ この曲も大好きなんですよ! さっきから好きな曲と言ってばかりですけど(笑)。
ヤママチ 「OK! キモチイイネ!」ってフレーズが好き(笑)。
月ノ PARADISESが当初4人だったので、ユユさんが「4人のことを考えて書いた曲なんだ」「1Aがナルハで、1A'がハルナ、2Aが月のことを考えて書いた」と言っていて。サビはPARADISESの未来を考えて書いてくれたように思います。すごくいいところにグループ名もちゃんと入れてくれてますし。PARADISESのこれからがギュっと詰まった歌詞で、曲自体も若々しくてかわいい。この曲はPARADISESのわかりやすいところを前面に出せる曲だと思います。振り付けもお客さんのことを一番に考えて作ったので、この曲で一緒に手を上げられたらうれしいな。
──歌詞に「PARADISES」も入ってるし、「終わんないパレード」という部分は「ギャンパレが終わるわけじゃないよ」という意思表示にもなってるという。
月ノ 本当にすごい、ユユさんの作詞は……。
ヤママチ すごいよね。
月ノ ナルハとはある意味対象的という感じもします。ユユさんの歌詞は抽象的だけど、心の奥底にある気持ちをガツンと表してくれる。自分たちも歌っててドキドキする曲です。
──話は変わりますけど、月ノさんってお話しするの上手ですよね。
月ノ 本当ですか?
──グループでメインMCをする機会が多いですし、加入して2年弱でいろいろ話す場面でも存在感があるなあと思いまして。
月ノ そうですか? いやー、MCはいつもヒヤヒヤですよ(笑)。
ヤママチ すごくできる子なんです。月が候補生として参加した2018年の合宿をずっと見てたんですけど、そのときからこの子はすごくしっかりしてるなとは思ってました。入ってからもどんどんステップアップしていて成長のスピードも速い。もともとGANG PARADEにいたんじゃないかくらいの存在感がありますよね。毎度感動しますし、頼もしいです。
月ノ あら、うれしい(笑)。
次のページ »
GANG PARADEを去るカミヤサキへの思い