5. The Only Thing
優輝 僕と勇仁のデュオ曲です。ハードで重いタイプのカッコいいトラックなので、歌うのにけっこう苦戦しました。僕はもともと声質が柔らかめだから、ハードなトラックでラップするときに物足りなさを感じてしまうんですよ。かといって、カッコいい系に寄せすぎちゃうと誰かのモノマネみたいになっちゃうし、自分がやる意味もなくなってしまう。そこの葛藤がけっこうあったんですけど、勇仁と一緒にやれたことで助けられた部分はあったと思います。勇仁が先に歌を録ってくれていたので、レコーディングのときはそれを聴いて「じゃあ俺はこういう感じでいこうかな」というイメージが自然と湧いてきた感覚がありました。
勇仁 自分は最初にデモを聴いた段階から、わりと明確なイメージが見えていました。歌詞のメッセージ的にも「夢を絶対につかみ取りたい」みたいな内容で、もともとそういう曲が好きなので思いを込めやすかったんです。トラックとの相性的には、熱い思いを前面に押し出すというよりはクールさも必要だと感じたので、熱くなりすぎないように意識して歌いましたね。そこのバランスに関しては、優輝のラップとの兼ね合いもあってうまく出せたかなと思っています。
陽介 個人的にこの曲はすごく好きで、ライブで2人がどんなふうにパフォーマンスするのか今から楽しみです。2人のカッコいい面、色気のある面、熱い面など、いろんな種類の“男っぽさ”をアピールできる曲だと思うので。
将綺 ちょっと治安の悪いジュネスを出してほしいですね。いい意味で。
6. Sugar
陽介 今回のアルバムのリード曲で、今までジュネスがあまり見せてこなかった“色気”を前面に出した楽曲ですね。デモが来たときは5人とも「カッコいい!」ってめちゃくちゃテンション上がったんですけど、逆に「ヤバい、色気ってどうやって出すんだろう?」と焦った部分もあって。
将綺 曲調としては大人っぽいニュージャックスウィング風になっているので、僕は“おじさんの色気”をイメージしまして。少し背伸びした、ビールやカクテルとかじゃなくてウイスキーが似合うような雰囲気というか。ちょっとイキってみました。
優輝 将綺がそうやって“イケおじ”をイメージしたように、みんなそれぞれが思う色気やカッコよさを詰め込んだ楽曲なのかなと思っていて。僕と勇仁でラップをしているんですけど、勇仁が熱く燃える炎だとしたら、自分は青い炎みたいな。1歩引いた余裕のあるクールさを出そうと思ってレコーディングしました。
陽介 自分は声的にもキャラ的にも色気があるタイプじゃないんで、最初は悩みました。「色気を出すにはどうしたらいいですかね?」ってプロデューサーに相談したり、色気を感じる身近なお兄さんとかに「その雰囲気、どう出してるの?」みたいに聞いたりもしたんですけど(笑)、やっぱり今の僕のありのままを出さないとウソになっちゃうなと思い直して。最終的には背伸びをしすぎず、“街中をちょっとカッコつけて歩いている僕”くらいのイメージで歌いました。
蓮 僕はこの曲では合いの手パートを中心に担当したので、そこで印象を残せるように自分の声をしっかり表現することに徹しました。曲は“シュガー”なんですけど、「ブラックペッパーを入れてやろう」みたいな(笑)。
優輝 ミュージックビデオにも本当に力が入っているので、ぜひ観ていただきたいです。今回、自分たちの2次元と3次元の姿が共存する瞬間が初めてあるんですよ。その分、撮影は大変だったんですけど。
将綺 3次元で撮ったあと、2次元でも同じ動きを撮るのがキツかったですね。次元を超えてシンクロしなきゃいけないので。
優輝 ダンスと違って、決まった動きをしていないアドリブ的な演技の部分を2次元でも再現するというのがすごく難しくて。それが不思議な感覚だったし、次元を超える俺たちじゃないとなかなか経験しないような体験だったよね。
陽介 めちゃめちゃ苦戦したよね。
7. I'm in love
優輝 僕たちのグループの音楽には“青春ダンスミュージック”というのが1つテーマとしてあるんですけど、アルバム前半が“ダンスミュージック”パートだとすると、この「I'm in love」以降は“青春”パートですね。
勇仁 初デート前の男の子の感情をかわいらしく描いた歌詞になっているので、そういうウキウキ感やワクワク感を出すためにも、リズムを強調してノリノリで歌うことを意識しました。レコーディングでもその歌い方を「いいね」と言ってもらえたので、ライブで歌うときにもいつも大事にしているポイントです。
将綺 僕はこの曲でけっこうフェイクを入れたりしているんですけど、最初にデモをいただいたときは「5人で表現するうえで、個性がバラバラになってしまうんじゃないかな」とも思ったんです。ただ、ステージを重ねることで逆にそれが板に付いてきたというか。今ではスタッフの方にも「この曲が一番楽しそうだね」と言われたりもしますし、ジュネスの飾らない部分を見てもらうには最適な楽曲だと思っていますね。
8. あさりジェノベーゼパスタ
優輝 将綺と僕のデュオ曲です。音源をもらったときは、「やっと自分の世界観をそのまま出せる曲が来た!」と思いました。この1年くらいは特にハードなカッコいい曲が多くて、本来の自分らしさと向き合って悩むことも多かったので……。この曲は自分の声との相性にそこまで葛藤する必要がなかったし、「自分のための曲だな」くらいの感覚でしたね。料理を作ることで過去の失恋を思い出すという内容の歌詞なんですけど、僕と将綺は実際に寮でも料理をしているので、そういう意味でも入りやすかった。自分の感じたイメージをノンストレスで表現できた曲かなと思っています。
将綺 ジュネス史上もっとも人間味のある曲になりましたね。5人でやるシングル曲の場合は、ジュネスとして掲げる理想や希望を歌うものが多いんですけど、この曲はもっとパーソナルなところを描いていて。僕と優輝が家にいるときの状況にすごく近い世界観になっています。
優輝 失恋ソングではあるんですけど、けっこうプラスなことも歌っていて。「サヨナラはいつでも次のスタート」だったり、「君がなりたい君になるために 僕もなりたい僕になる」みたいな、立ち直ってるふうのことも言ってるんですよ。
陽介 「ふうの」ね(笑)。
優輝 ただ、そうは言いつつも実際は強がってる自分がいる気がして。それを僕たちなりに表現しているので、そんな気持ちも想像しながら聴いてもらえたらいいなと思います。
将綺 「僕らだって普通の男の子なんですよ」という楽曲です。
優輝 「同じ人間だよ」って。
9. Echo
蓮 これは、僕が初めて作詞作曲をした曲です。「完全に自分の好きなように作っていいよ」と言われたので、曲の方向性も歌詞の世界観も一から自分で考えて。制作は、まず僕がメロディと歌詞、コード、メインのシンセリフを全部作って、その世界観をそのまま継いでもらってプロの手で整えていただく形で進めました。で、この曲は優輝と2人で歌ってるんですけど、必ずしもデュオで歌うことを想定して作ったわけではなくて。でも「5人で歌う曲ではないな」というイメージはあったので、一応僕のほうから「優輝と一緒に歌いたい」とプロデューサーに伝えました。
優輝 そうなんですよ! 選ばれました!
陽介 くっそー!
将綺 妥当だと思います!
優輝 メンバーが作った曲を歌えるというのはすごく幸せなことなので、とにかくうれしくて。蓮が作っていた完成前の状態も聴かせてもらっていたんですけど、その時点ですでにサビのメロディがずっと頭の中でループしちゃうくらい「残るな」と感じていました。歌詞の内容もすごく共感できるポイントが多かったし、自分のハスキーな声を生かせるイメージも湧きやすかったですね。
蓮 近年の洋楽ヒップホップやジャスティン・ビーバーのイメージで、ラップ寄りのリズム感を持ったメロディにしようというのは意識しましたね。歌詞については「あさりジェノベーゼパスタ」と同様に“等身大”がテーマで、自分の恋愛観を入れて作りました。