なぜGACKTはオーケストラツアーに挑むのか?「魔王シンフォニー」という壮大なショーが提示する“異世界”の正体 (2/2)

ボーカルスキルを上げないと、このライブはやれない

──改めて今回のツアーに対する構想を教えてください。

これまでより、もっとダークファンタジーの世界観に持ってきたい。そして、完全な異世界を構築するには、その演出を表現できる会場が必要なんです。やはりクラシック中心の会場は規制が多すぎて、どうしても表現に制限が生まれてしまう。それだと届けたいものが作れない。だからこそ、自分の考えている演出が行える会場を中心に選びました。今回のツアーは「こういうふうに見せたい」と考えていたことが、ちゃんと具現化できるんじゃないかな。

──今年に入ってGACKTさんは、2011年の「WORLD TOUR "SHOW UR SOUL.I" 世壊傷結愛魂祭」以来15年ぶりとなる、YELLOW FRIED CHICKENz(YFCz)のワールドツアーを開催しました。3月からは「最も泣けるコンサート」として、ファンの間では“涙活ライブ”と称されるラブソングで構成された「GACKT LAST SONGS 2026 feat. K」を行い、7月に「魔王シンフォニー」のツアーがスタート。国内外で精力的にライブをされますが、各ツアーの位置付けをお聞きできますか?

今、僕の中で音楽表現の基軸はYFCzにあるんです。そしてそのYFCzのイメージを主体に、クラシックの世界まで持っていったのが「魔王シンフォニー」。一方で「LAST SONGS」はまったく違いますね。このライブを始めたのがコロナ禍だったのもあり、「観に来る人たちが、声を出さなくても感動できるライブにするにはどうすればいいのか」という考えから生まれたので、ほかの2本とは位置付けが明確に異なるんです。

──楽器の構成も違いますもんね。

そう。ボーカル、ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロという特殊な構成です。言うなれば、めちゃくちゃ裸なんですよね。ごまかしが効かないステージなので、このステージをやるにあたって「今一度、ボーカリゼーションに対しても向き合わなければ」という気持ちが芽生えたんです。ボーカルスキルを上げないと、このライブはやれない。いろいろと向き合うきっかけになりました。

12月23日に東京・すみだトリフォニーホールで開催された「GACKT PHILHARMONIC 2025 魔王シンフォニー THE REVIVAL」の様子。

12月23日に東京・すみだトリフォニーホールで開催された「GACKT PHILHARMONIC 2025 魔王シンフォニー THE REVIVAL」の様子。

いつ死ぬかわからない、だからこそ約束したことは果たしたい

──そもそも1年のうちに高次元のツアーを3本も行うって、改めてすさまじいことですよ。

いやあ、そうなんですよね(笑)。本当は1本だけにしたいですよ。でも、それぞれにファンがついているので、どれも削ることができない。ただ、わからないですよ? 5年目を迎える「LAST SONGS」ですけど、来年はやれないかもしれないじゃないですか。僕は事務所の都合とかは考えないので、もしかしたら今年で最後になるかもしれない。だからこそ、今回が見納めだと思って観に来てもらえたらと思います。

──今年はいつになくハードスケジュールですけど、そこにはどんな思いがあるのでしょう?

2026年から音楽を中心に活動を再開することは決めていて。体を一度壊してから、療養期間を経て再び音楽活動をするにあたり、体力的な部分も含めてトレーニングを積んできたんです。2026年に照準を合わせて取り組んできたので、今やらないとなって思いましたね。

──一番のモチベーションはなんなのでしょう?

ネガティブに聞こえたら嫌ですけど、いつまでやれるかわからないじゃないですか。僕もいい歳なので、いつ死ぬかわからない。だからこそ、ファンのみんなに残せるものを残したいし、約束したことは果たしたい。そういう思いから、これだけのツアーをやることになったわけです。とにかく、やれるだけのことは死ぬ気でやる。もし倒れてしまったら、それはそのときに考えればいいかなって。

──去年6月にインタビューをしたときに「追いかけてくれるファンのみんなに、手抜きをしたステージは届けられない。あと3、40年したらみんないなくなる。同じ時代に生きた証というか、出会った証をライブで届けている」とおっしゃっていたのが印象的で。これはいちリスナーとしての思いですけど、表現者として真摯な姿勢で臨むGACKTさんのライブを目の前で拝見できて、その空気を一緒に共有できることに感謝しているんです。

そう言ってもらえるのは、本当に幸せなことですね。ただ、僕のショーをまだ観たことのない人たちが、世界中にたくさんいるんですよ。音楽を始めた頃からずっと「それぞれの国にいるファンのところへ行く」と言い続けているものの、なかなか行けていないのが現状。でも、約束を果たしに行くと決めているので、僕が生きてるうちに叶えたいです。

12月23日に東京・すみだトリフォニーホールで開催された「GACKT PHILHARMONIC 2025 魔王シンフォニー THE REVIVAL」の様子。

12月23日に東京・すみだトリフォニーホールで開催された「GACKT PHILHARMONIC 2025 魔王シンフォニー THE REVIVAL」の様子。

公演情報

GACKT 魔王シンフォニー 2026 -INFINITY- organized by billboard classics

  • 2026年7月14日(火)埼玉県 ウェスタ川越 大ホール
  • 2026年7月18日(土)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2026年7月26日(日)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
  • 2026年8月2日(日)福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
  • 2026年8月11日(火・祝)東京都 文京シビックホール 大ホール(昼夜2公演)
  • 2026年8月15日(土)愛知県 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
  • 2026年8月18日(火)北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
  • 2026年8月29日(土)大阪府 東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)大ホール(昼夜2公演)

出演者

GACKT
指揮:米田覚士 / 村上史昂
管弦楽:グランドフィルハーモニック東京 / グランドフィルハーモニック京都
バンド:YELLOW FRIED CHICKENz

公式サイト

席種・料金※全席指定、税込

1F ブラックダイヤモンド席

100,000円
(1Fスタンディング、前方3列までのお席確約、ブラックダイヤモンド席特典グッズ付き)

1F ダイヤモンド席

60,000円
(1Fスタンディング、4列目以降の前方ブロックのお席確約、ダイヤモンド席特典グッズ付き)

1F プラチナ席

35,000円
(1Fスタンディング、中間ブロックのお席確約、プラチナ席特典グッズ付き)

1F S席

18,000円
(1Fスタンディング、後方ブロックのお席)

2F ダイヤモンド席

60,000円
(2F着席観覧、前方2列までのお席確約、ダイヤモンド席特典グッズ付き)

2F S席

18,000円
(2Fもしくは3F着席観覧のお席)

2F A席

13,000円
(2F以上着席観覧、S席より後方のお席)

学生席

5,910円

公式サイト

チケット一般発売中(先着)

ローソンチケット

e+(イープラス)

ぴあ

Purchasing ticket for overseas residents.

e+(イープラス)

プロフィール

GACKT(ガクト)

伝説のバンド、MALICE MIZERでの活動を経て、1999年5月にミニアルバム「Mizerable」でソロデビュー。耽美な世界観とポップなメロディが特徴で、女性ファンを中心に圧倒的な人気を誇る。またテレビのバラエティ番組などで目にすることができるユーモラスなキャラクターも魅力のひとつ。2009年6月にデビュー10周年を迎えたことを機に、さらなる飛躍を願いGacktからGACKTに改名した。近年は映画「翔んで埼玉」や「BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~」などで役者としても活躍している。最新シングルは2024年2月にリリースしたTUBEとの共作曲「サヨナラのかわりに」。2025年4月に新たな試みとして、ロックとオーケストラを融合する公演「GACKT PHILHARMONIC 2025 - 魔王シンフォニー」を東京・すみだトリフォニーホールにて初演した。