ナタリー PowerPush - GOOD4NOTHING

メンバー脱退の危機を乗り越え たどり着いた「真の四重奏」

苦しみも喜びも4人で分け合うようになった

──今年は結成16年目に突入しますけど、心境はいかがですか?

U-tan 今が一番いいですね。

──冒頭でも言いましたが、僕もそう思います。

U-tan 無理に背伸びしなくなったからですかね。

──二代目ドラマーSUNEさんを含む、第2期GOOD4NOTHINGのグルーヴ感がものすごく固まってきたなと。

MAKKIN 今は仲がいいんですよ。昔は仲が悪かったですもん、ははははは(笑)。

TANNY(Vo, G)

TANNY 俺は(MAKKINが)好きやけど、一方的に嫌い嫌いって言うんですよ(笑)。

U-tan 俺らはメンバーが替わってるんでね。15年を振り返ったら、あれもあった、これもあったという感じで。それから結成11年目にSUNEが入って、またゼロから始まった感覚があるんですよ。ほんまにあっという間でした。

──昔と比べて、改善された部分はあります?

TANNY 今は4人ですべてを共有しないとバンドが前に進めなくて。バンドが一枚岩になるようにしむけなきゃいけない。細かいことを言ったら、移動の運転もメンバーみんなで手分けしてやって……そういう苦しみも喜びも4人で分け合うようになったんですよ。そうすることで、バンドのことをすごく考えられるようになった。今は足かせになることがあれば、自分のためにもバンドのためにも言いますからね。

15周年イベントでMAKKINラストにしようという話も

──そういう気持ちが音や演奏に表れるんでしょうね。メンバー4人がきちんと膝を突き合わせて、バンドと向き合おうと思った最大の要因は?

U-tan MAKKINがバンドどうしよう、という時期があって。

──そうなんですか?

U-tan ほんまは15周年のイベントを区切りに、MAKKINラストにしようという話まで進んでたんですよ。どこまで書けるかわからないけど……そこでもう1回みんなで話し合って。MAKKINが一昨年に辞めると言い出してから9カ月ぐらい過ぎて、その答えが出たのが昨年の1、2月ですからね。俺らはそれが理由でその時期あまりライブをしてなかったんですよ。でも抜けると言われて……ゆっくりバンドやメンバーのことを考えることができた。みんなでバンドを1つの集合体として動かそうとなってから、すごくいいムードになったんですよ。

U-tan(Vo, G)

──バンドの危機を経たからこそ?

U-tan そうですね。15年バンドをやってると、周りの仲間でもやりたくてもやれない人がいるし。でも俺らは気張ればなんとかできるやろうと思って、MAKKINを説得しようと。それでバンドをやれることの喜びを含め、いろんなものを通り越して、やれるならやりたいと。それから1本1本のライブの重みも変わってきたし、その日しかできないものを見せたいと思うようになりました。練習したことを再現したくても、ライブでうまくやれないこともあるし、逆にそれも楽しもうと。

TANNY SUNEはまだ4年やけど、この3人は15年共有してきたものがありますからね。より人間同士の付き合いになって、お互いに認め合って好きやから続けているわけで。でもめっちゃ小さなことが積み重なって、ケンカになったりして……。でも心から相手に伝えたら伝わるじゃないですか。

MAKKIN 俺のおかげやな? わはははは(笑)。

全員 (苦笑)

TANNY ただ、僕は3ピースでやることを想定して、ベース弾く気満々でしたけどね。

──ははははは。

TANNY 「新しいベースを入れるんやったら、おまえがベースを弾け」ってdustboxのJOJI(B)に言われたんですよ。だからJOJIに聞きましたもん、「ベースどう弾いたらいいの?」って。

U-tan 同世代のdustboxやHOTSQUALLのメンバーも親身に話を聞いてくれて。みんなもそういう危機を乗り越えてますからね。そういうときも俺らは相談に乗っていたし、持ちつ持たれつで、ほんまにありがたいなって。

──そういえば、今作1曲目「FALLING DOWN」の中に「真夜中の地獄に落ちて行く 真っ暗闇に落ちて行く」という歌詞もありますね。

U-tan ほんまその状態ですよ。これ以上落ちないというところまで行くと、あとは登るだけやんけ!ってなりますからね。

「MAKKIN、辞めるのやめたら?」

──MAKKINはなぜバンドを辞めようと思ったんですか?

MAKKIN(B)

MAKKIN 単純にこれから先の生活を考えたらねえ……。

U-tan 現実的なとこですね(笑)。

MAKKIN バンドの続け方もいろいろあるじゃないですか。働きながら続けてる人もいるし、その続け方もみんなと合わなくて。僕は一番消極的な形やったから、僕に合わせたら不満が出るやろうし、僕に合わせてもらうのも嫌で先が見えなくて。

U-tan 9カ月、MAKKINは頑なに何を言ってもダメでしたからね。

──それもまた長いですね。

U-tan じゃあ、後任の話をしようというときに、どうしても納得がいかなくて。「MAKKIN、辞めるのやめたら?」ってデニーズで言ったんですよ。そしたら「ほな、やるわ!」って(笑)。

SUNE(Dr)

MAKKIN その返事をするまでに1時間、沈黙してましたけどね。で、やるなら、みんなでもっと話し合わなあかんなと。

──メンバー全員がGOOD4NOTHINGをよくしたい、最高に居心地のいい場所にしたい、と本気で考えるようになったんですね。

TANNY うん、おのずと妥協してきた部分も消えていきましたからね。何があかんのか、どうしたら曲がもっと伝わるのか、いろんなことを考えるようになりました。

──SUNEさんはどうですか?

SUNE ほんまに今はライブが楽しいですね。1本1本を噛みしめてやってるから、それがグルーヴにも出てるんかなと。出せるものすべて絞り出してるし、今のGOOD4NOTHINGは最強やなと。

ニューアルバム「Four voices」2014年1月15日発売 / 2310円 / L.M.N.O.P. / LMNOP-001
収録曲
  1. FALLING DOWN
  2. GETTING NOWHERE
  3. FIND A NEW WORLD
  4. BE FREE
  5. TO YESTERDAY
  6. COME ON, MY FRIEND
  7. MADE A PROMISE
  8. ALWAYS BE THERE
  9. Wake Up!!
  10. SOMETIMES NEED TO TAKE A BREAK
  11. ANOTHER DAY
  12. City Calling
  13. STUPID WORLD
  14. ALL WE WANT
GOOD4NOTHING(ぐっどふぉーなっしんぐ)

TANNY(Vo, G)、U-tan(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。1996年に前身バンドを結成し、その後メンバーチェンジを経て現在のバンド名に。CDデビューは2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」。同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は一気に全国区へ。2007年にリリースしたアルバム「Kiss The World」では、「SUMMER SONIC 07」や「FUJI ROCK FESTIVAL '07」といった大型フェスの出演に加え、Madina Lakeとのシカゴツアーに参加。2010年には自身のレーベル「L.M.N.O.P.」を立ち上げ、アルバム「BACK 4 GOOD」を発表した。2012年1月にはキャリアを総括したベストアルバム「GREATEST HITS!?」とニューシングル「RIGHT NOW」を同時発売。2013年3月には盟友THE CHINA WIFE MOTORSとともに、彼らの地元である大阪・堺市にて主催フェス「SAKAI MEETING」をスタートさせた。2014年1月にニューアルバム「Four voices」をリリース。同年3月には地元にて「SAKAI MEETING 2014」を行う。