3人それぞれの挑戦
──曲とMVの制作を終えての感想を聞かせてください。
片桐 曲にストリングスを取り入れたり、高橋さんと対話してミュージックビデオを作り上げたり、リクルートさんのような企業とご一緒したり、初めてのことばかりでたくさんの刺激があってめちゃくちゃ楽しかったです。
マツイ オファーをいただいたときは不安もあったんですけど、いざやってみると強気になれたというか、楽しみながらチャレンジできました。
──「Follow Your Heart & Music」はタイトル通り、自分の心に従い新たな一歩を踏み出そうとする人を音楽を通じて応援しようというものです。皆さんは自分の心に従って挑戦した経験はありますか?
片桐 私にとってはバンドを始めること自体が挑戦だったんですよ。それまで1人で弾き語りをやっていて、バンドは学園祭に出るためにコピーバンドを組んだことがあるくらいで。バンドをやってみたいけど、「自分の音楽をほかの人が理解してくれるのか?」「自分の音楽を押し付けていいのか?」と考え込んでしまって、結果的に1人のほうが楽だと思っていたんです。マツイくんとは大学が一緒で、サークルのイベントで弾き語りを見てもらう機会があったんです。そこで初めて自分の曲を演奏したら「めっちゃいいよ。お前とバンドやりたいわ」と言ってくれて。すごく悩んだんですけど、こんなこと言ってくれる人はいないかもと思ってバンドを組むことにしたんです。今思えば、あれは自分の中での一歩を踏み出したタイミングだったかも。
──その決断は間違っていなかったと思います?
片桐 大変なこともありますけど、バンドを始めることができたので間違っていなかったと思います。あとバンドをやるにしても、今のメンバーでやれてよかったなと。この3人は性格も違えば、好きな音楽もバラバラなんです。でもその中で生まれる化学反応があったというか。最初は自分が引っ張っていかなきゃと思っていたんですよ。でも2人のスパイスが加わったことでHakubiらしさが出たんだと思います。
──先ほどマツイさんがバンド結成を提案したとありましたが、片桐さんのどの部分に魅力を感じたのでしょう。
マツイ サークルのライブって仲いい人たちでやっているので、終始和気あいあいとした雰囲気なんですよ。でも彼女が演奏すると絶対に静かになる。みんな惹き付けられるというか、それががすごいなと思って。
──なるほど、当時から人を惹き付ける力があったんですね。マツイさんは自分の心に従って挑戦した経験はあります?
マツイ リクルートさんの前で言うのもあれなんですけど、僕はあまり就職とか考えたくなかったんですよ(笑)。バンド活動を続けていく中で関わってくれる人が増えたことでHakubiをやっていこうと決心がついて、それで親に大学を休学したいと伝えたのが僕の中での挑戦だったかもしれないです。
──親御さんの反応は?
マツイ 1人っ子だから、普段は「やりたいことやり」と言ってもらえるんですけど、そのとき初めて家族会議が開かれました(笑)。そういうのなかった?
ヤスカワ うちは全然なかった(笑)。僕は高校生の頃から学校をサボるようになって、結果学校を辞めちゃったんです。親に顔向けできるものが何ひとつない状態で「バンドやらせてくれ」とは言えなかったので、結果にこだわって挑戦を続けてきた感じです。でも今回リクルートさんからオファーもらったことを伝えたら「すごいやん」って喜んでくれて。
挑戦を続けるために
──自分の心に従って一歩を踏み出すのは勇気がいることだと思いますが、そのときに一番大事にしていることは?
ヤスカワ 僕は直感で動くことが多いゆえに目移りしちゃうことも多くて、何て言ったらいいんだろう、これまで一歩を踏み出してきたことしかなかったんですよ。今後もそのスタンスを変えずにいきたいです。
マツイ バンド以外のこともそうなんですけど、やらずに後悔するのは嫌なので、僕は“とりあえずなんでもやります”精神で何事にも取り組むようにしてます。
片桐 他人に何を言われても自分を強く持つってことですかね。やっぱり歌詞についていろいろと言われることもあって。でもマツイくんが言ったように後悔はしたくないし、自分らしくいたいと思ったら他人のことは気にしていられない。心が折れることもあれば他人と比べて落ち込むこともありますけど、まずは自分を大切に、自分らしく生きるというのを大事にしています。
──昨年は初の全国流通盤「光芒」のリリースがあり(参照:京都のスリーピースバンド・Hakubi、初の全国流通盤「光芒」リリース)、ツアーも2本開催されました。バンドにとってどんな1年でした?
ヤスカワ 僕らはもともとライブが多いバンドで、去年は120本くらいやらせてもらいました。連日ライブが組まれていたので、コンディションの調整などステージング以外の部分も鍛えられていい経験になりました。
片桐 全国流通盤を出すまであまり地方を回れていない状態だったんですけど、それでも「Hakubiのライブを観たい」と言ってくれる人がたくさんいたんです。昨年のツアーは「いろんな人に直接会いたい」「ライブを届けたい」という思いで気付いたら本数が増えていたんですけど、実際にいろんな方にお会いすることができたし、バンドとしても成長できた。大切な1年になりましたね。
──成長の1年を経て、Hakubiが今年挑戦したいことはなんでしょう。
片桐 今年は「これがHakubiだ」と胸を張って言えるようなアルバムを出したいです。あと大きいステージに立ちたい(笑)。
マツイ バンドはライブやってなんぼなので、今年も本数は落とさずに活動したいです。この企画をきっかけにHakubiのことを知ってくれる人も増えると思いますし、ライブハウスに足を運んでくれた人たちに「ありがとう」を伝えたいので、大きなツアーができたらなと。
──では最後に、特集の読者へメッセージをお願いします。
ヤスカワ 音源との違いを楽しんでもらえるようなライブを必ずするので、ぜひライブ会場に足を運んでほしいです。もしタイミングが合えば僕らのホームであるKYOTO MUSEでライブを観てほしい。
マツイ 嫌なことがあったり、生きることに疲れたら僕らのライブに遊びに来てほしいです。根拠はないんですけど、必ず背中を押す自信があるので。
片桐 今回、楽曲もMVもいい作品に仕上げることができました。ただライブにもこだわりを持ってやっているので、ぜひステージの上で生きる私たちを見てほしいです。ライブハウスで戦ってる、音楽で戦ってるHakubiと出会ってほしいです。
- リクルート「FYHM」特集
- Hakubiインタビュー
- KANA-BOONインタビュー
- PELICAN FANCLUBインタビュー
- みゆなインタビュー
- マカロニえんぴつインタビュー
2020年3月12日更新