音楽ナタリー Power Push - 藤原さくら

20歳の転機 人生を変えた月9

福山雅治主演のフジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」のヒロイン・佐野さくら役に抜擢され、お茶の間にその存在を広く知られるようになった藤原さくら。彼女が歌った福山作詞作曲によるドラマ主題歌「Soup」も多くの視聴者を惹き付け、新しいリスナーを獲得するきっかけとなった。

ドラマが最終回を迎え、ライブツアーをスタートさせるなど再び音楽活動に集中している藤原。音楽ナタリーでは月9ヒロインという大役を務め上げた彼女に近況を聞いた。またインタビューの最後には、彼女が最近ハマっているものについても語ってもらった。

取材・文 / 中野明子 撮影 / moco.(kilioffice)

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自分がやれるところまでやった月9

──初出演ドラマ「ラヴソング」の最終回から数週間が経ちました。

とにかく終わってしまって寂しいです! 共演者の皆さんやスタッフの皆さんとは、家族より一緒にいる時間が多かったので……。寂しい気持ちが一番大きいですね。

──それほどドラマ関係者の皆さんと密な時間を過ごしたんですね。ちなみに今年初めに1stフルアルバム「good morning」のインタビュー(参照:藤原さくら「good morning」インタビュー)をしたときには、すでに月9への出演が決まっていたそうで。

藤原さくら

そうなんです。実は1月の頭には決まっていて役作りの準備をしつつ、アルバムのリリースもあったのでプロモーションでも忙しくて。その間にドラマのためにバイクの免許を取って、タバコも吸う役だったので一生懸命吸うのに慣れて……何もかも初めての経験だらけでしたね。突然どうした!ってくらいの環境の変化で。でもドラマの撮影はすっごい楽しかったです。楽しまなきゃやってられない!とも思ってたし(笑)。

──とは言え、撮影が始まるまでは不安もあったのでは?

ありましたね。でも、ドラマの監督や福山雅治さんとクランクインする前からリハーサルを何回もして。演技は初めてだったんですが、実際に演技をしてみると、人の曲をカバーしている感覚に近いと思ったんです。誰かの曲をカバーするときって、ただ歌うんじゃなくて、どういう曲なのか歌詞や作られた背景を理解した上で歌うようにしてるんですね。そういうことって、演じる役を理解することに似てたんです。カバーを歌ってきたことが演技にも生かされたというか。音楽と演技と違うようで表現として近いものがあることを発見しました。

──そうでしたか。

ただ佐野さくらには親がいなかったり、吃音というコンプレックスを抱えていたり、すごく孤独を抱えている子だったので最初に台本を読んだときは、赤の他人の女の子が苦しんでいるとしか思えなかったんです。自分は吃音で悩んだ経験がないし、言葉が出なくて泣き出すっていうシーンが出てきたときは「難しいな」って思ったんです。でも、佐野さくらとして演じていく中で、「もし自分が佐野さくらだったら、どうしたんだろう」って考えるようになって、クランクインしてからは「佐野さくらってかわいそう」って思ってたのが「(自分が)つらい」って感じるようになっていった。役に自分を投影できるようになってからは、自然に演技をすることができましたね。

──ちなみにこれまで自分がドラマに出演することを考えたりは?

全然なかったです(笑)。「ラヴソング」も歌を歌う女の子の役じゃなかったら、オーディションは受けなかったと思いますし。でも、やってみたらすごく楽しくて。周りの皆さんがとても優しくしてくださったので、そのおかげですね。

──女優・藤原さくらのご自身の評価は?

いやあ、周りがすごすぎて、評価なんて。俳優さん、女優さんって本当にすごいなあって思いながら撮影に臨んでました。でも自分がやれるところまでやったという思いはあります。「もうちょっとああできたらな」っていうところはもちろんあったんですけど、それでも「これが自分のベストだな」っていうことはできた。

福山さんの曲、私が歌っていいんですか!?

──演技も初めてでしたが、ドラマの主題歌を歌うことや、ほかの方が作った曲をリリースすることも初めてでしたよね。そのへんはいかがでしたか?

刺激的でしたねえ。ドラマ出演が決まってから、あらゆることが普通の状況ではなくなって。誰かが作った曲を歌うこともその1つだったんですが。「今まで自分で作ってきた曲を歌ってきたのに」っていう気持ちよりも、「福山さんの曲、私が歌っていいんですか!?」っていう驚きのほうが大きかったです。しかも自分がシングルを出すっていう発想もなかったんですよ。自分の歌がシングルで出せるタイプの曲だとは思ってなかったし、アルバムを通して自分の音楽を表現する“アルバムアーティスト”だと思っていたので。でも「Soup」を出したことで、そういう固定観念から解き放たれたというか。がんばり次第だなって思えるようになりました。

──「Soup」は配信もCDのセールスも好調で、ドラマが終了したあとも世間に広がっている印象がありますね。

本当にうれしいですね。福山さんが作ってくれた「Soup」をきっかけに、藤原さくらのファンになってくれた人がたくさんいて。

──シングルの初回限定盤の特典DVDの中で、「Soup」のレコーディングが大変だったと話されていましたね。実際に今までとどんな点が違いましたか?

藤原さくら

まずは声の出し方ですね。藤原さくらとして歌っていたときは、張った声はあまり求められてなかったんですけど、「今のままの声の出し方では佐野さくらとしてはダメだ」と福山さんに言われて。ちょっと揺れのあるクセのある歌い方も味として認められていたけど、「Soup」も「好きよ 好きよ 好きよ」もあくまでも佐野さくらが歌ってるということで、初々しい感じが必要だし、歌がうますぎてはいけない。そのさじ加減が難しかったですね。いろいろ手探りをしながらレコーディングしてました。

──なるほど。佐野さくらとして歌っていたから、歌の感じが今までとは違ったんですね。月9の主題歌というポピュラリティを求められる曲だから、今までとは違うクセのないポップス寄りの歌い方をしたのかなと思ったんですが。

ああ、そういうところもあるかもしれないですね。月9主題歌ですから! いまだに自分が月9の主題歌を歌ってたというのが変な感じです(笑)。ホント、人生何が起こるかわからないなって。今回のことを通して場所によって自分の歌に求められるものが変わることも知れたし、とても勉強になりました。ただ今回のシングルで今までとは違う歌い方をしたから今後の歌い方が変わる、ということはなくて。あくまでも1人の女の子を演じるにあたって、役作りの一環で歌ったという感じなんです。

ニューシングル「Soup」 / 2016年6月8日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
ニューシングル「Soup」
初回限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / VIZL-983
通常盤 [CD] / 1296円 / VICL-37177
CD収録曲
  1. Soup
  2. 好きよ 好きよ 好きよ

Bonus Track

  1. Summertime(佐野さくら with 神代広平 Ver.)
  2. 500マイル(佐野さくら with 神代広平 Ver.)
初回限定盤DVD収録内容

Soup

  • Music Video
  • Soup Special Movie(MV Making & Recording Document)

"morning bell" Live at Billboard Live TOKYO 20160109

  • Ellie
  • Just one girl
  • 「かわいい」

藤原さくらワンマンツアー2016「good morning」~first verse~

2016年6月25日(土)福岡県 イムズホール(※公演終了)
2016年7月1日(金)東京都 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

藤原さくらワンマンツアー2016「good morning」~second verse~

2016年9月10日(土)東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール
2016年9月11日(日)東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール
2016年9月17日(土)宮城県 LIVE DOME STAR DUST
2016年9月19日(月・祝)北海道 cube garden
2016年9月23日(金)大阪府 Shangri-La
2016年9月24日(土)新潟県 SHOW!CASE!!
2016年10月1日(土)広島県 Live Juke
2016年10月2日(日)愛知県 SPADE BOX
2016年10月10日(月・祝)福岡県 電気ビルみらいホール
2016年11月3日(木・祝)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2016年11月11日(金)愛知県 三井住友海上しらかわホール
2016年11月12日(土)大阪府 森ノ宮ピロティホール
2016年11月24日(木)東京都 EX THEATER ROPPONGI
2016年11月27日(日)福岡県 福岡国際会議場メインホール
藤原さくら(フジワラサクラ)
藤原さくら

福岡県出身の女性シンガーソングライター。幼少期からさまざまな音楽に親しみ、父親の影響で10歳からギターを弾き始める。高校進学後にオリジナル曲を作り始め、地元でライブ活動も行う。高校在学中の2013年に3枚の自主制作盤「bloom1」「bloom2」「bloom3」を発表し、2014年3月に初のフルアルバム「full bloom」をリリース。高校卒業を機に上京すると音楽活動を本格化させ、2015年3月にミニアルバム「a la carte」でSPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビューを果たす。2016年2月にメジャー1stフルアルバム「good morning」を発表した。 4月からフジテレビ系ドラマ「ラヴソング」に主演の福山雅治の相手役として出演。同作の主題歌「Soup」や劇中歌「好きよ 好きよ 好きよ」を歌い注目を集めた。