音楽ナタリー Power Push - Fo'xTails
5匹の“キツネ”たちの過去、現在、未来
テクニカルで勢いのあるバンドサウンドに、takaoの繊細かつパワフルな歌声が乗った楽曲を武器に、2013年末の結成から1年強でメジャーシーンへと躍り出たFo'xTails。そんな彼らが2015年2月のデビューシングル「GLITTER DAYS」からわずか5カ月後となる7月22日、ニューシングル「Innocent Graffiti」をリリースした。このシングルの表題曲は、人気アニメシリーズの最新作「純情ロマンチカ3」のオープニングテーマに採用されており、既にアニメファンを中心に熱い注目を集めている。今回音楽ナタリーではFo'xTailsの5人に新曲の話はもちろん、彼らの“これまで”、そして“これから”についてじっくりと聞いた。
取材・文 / 前田久 撮影 / 上山陽介
ライブハウスでガンガンやるバンドを作りたい
──ナタリー初登場ということでバンドの成り立ちから順を追って伺わせてください。坂本さん、テラさん、峻洋さんは以前Reyというバンドをやっていて、2013年8月のRey解散直後となる11月にはFo'xTailsを結成しています。けっこう早いリスタートでしたよね。
坂本尭之(B) 前のバンドを解散した頃から3人の中に「また新しくバンドをやりたい」という気持ちがあったんです。で、僕とテラが「メンバーをどうしようか?」と考えていたときに、峻洋から「一緒にバンドをやりたい人がいる」ということで、takaoと鳴風の2人を提案してもらって。
峻洋(Dr) takaoは学校の後輩なんです。学校にいた時期はかぶっていないんですけど、卒業したあとも自分はちょいちょい学校に顔を出していて、そこで仲良くなって。で、鳴風とは前のバンドで対バンしていたし、あと自分が以前ローディーをやっていた時代に、彼は自分の師匠ともいえるドラマーの方と一緒にバンドをやっていたりもして。前から知っていて「カッコいいギタリストだな」と思いながら見ていた存在だったんです。
──その段階ではどういうバンドにしようと思ってました?
坂本 以前のバンドはアニメのタイアップものの楽曲を中心に作るバンドだったんです。だからたぶんファンには“コテコテのアニソンバンド”のように見えていたと思うんですけど、今度はもっとバンドそのもののカラーを強く前に出したかったというか。ライブハウスでガンガンやるバンドを作りたいという気持ちがありましたね。鳴風くんが、それまで対バンをしてきたバンドの中でも一番目に付くタイプ。「コイツ、ヤベえな!」っていうギタリストだったこともあったので。
鳴風(G) (笑)。
坂本 しかもその頃、前のバンドでは純粋なギタリストだったテラがプログラミングに力を入れていたので、“ヤベえ”ギタリストの鳴風くんが入ってくれれば、テラはよりプログラミングにも力を入れられるとも思ってました。
テラ(G, Programming) 確かに。鳴風くんは同じギタリストとして憧れの存在でしたから。対バンのときの印象が本当に強かったし、普通にギターの専門誌で紹介されるようなプレイヤーでもあったので。だから「新しいバンドでは鳴風くんのギターをもっと前に出したい」「ガンガンやってほしい」という思いがあって。別にオレが一歩引くっていうわけじゃないですけど「鳴風くんみたいなギタリストがいるならオレは違うスタンスでバンドに関わったほうが面白いんじゃないか?」と思ったんです。だからギタリストとしても参加しつつ、プログラミングや、キーボードとしての役割も考えていった、という感じですね。
速攻で断りました!
──takaoさん、鳴風さんは、3人から誘われたときは……。
鳴風 速攻で断りました!
takao(Vo) 同じく!
鳴風・テラ・峻洋 (笑)。
鳴風 俺もtakaoも、その頃それぞれ自分がやっているバンドがあったので。「そこを辞めてまで……」という気持ちはあったんです。
takao でも速攻で断っても何度となく誘ってきて。しかも誘うときの3人の熱意がすごかったんです。当時いたバンドがちょっと行き詰まり気味だったっていうのもあって、その熱量に「今の自分に足りていないもの」みたいなものを感じて、一緒に始めることにしました。
鳴風 って言ってますけど、一緒にやることを決めたあとのtakaoの熱意もすごかったですからね。俺は最後に合流したので、takaoも含めた4人に説得されることになったんですけど、全員熱量がすごかったですから(笑)。でもその熱量の高さを見てたら当時やっていたバンドより上に行けるなと思えたんです。
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収録曲
- Innocent Graffiti
- RUSH
- ALIVE
Fo'xTails(フォックステイルズ)
2013年結成のロックバンド。バンドReyのメンバーだった坂本尭之(B)、テラ(G, Programing)、峻洋(Dr)にtakao(Vo)、鳴風(G)が合流し、首都圏を中心にライブ活動を開始する。ポップなメロディ、ラウドロック由来のエモーショナルなサウンド、テクニカルなプレイで注目を集め、2015年2月、テレビアニメ「黒子のバスケ」第3期エンディング主題歌「GLITTER DAYS」でメジャーデビュー。そして同年7月、テレビアニメ「純情ロマンチカ3」のオープニング主題歌「Innocent Graffiti」をリリースした。