「FUJI & SUN '19」開催記念 Chara×Ovall対談|CharaとOvallが語る富士山麓新キャンプフェスへの期待

年齢の離れている人との制作は自分もピュアになれる

mabanua 制作のときにCharaさんが伝えてくれる話って、いつも「この曲の6、7割はこういう感じにしたいと思ってる」みたいな感じで。残りの3、4割に関してはこっちの自主性を尊重してくれるんです。つまり、こっちからもちゃんと発信しないと、曲がいつまでもできあがらない。Charaさんに言われたことをただやっていてはダメなんです。それもまたCharaさんと一緒に音楽を作るときの特徴だし、それこそコラボレーションですよね。

Chara 料理に例えると「今は季節的にこういう野菜を使いたいなと思うんだけど、どうすればいいと思う?」みたいな感じだよね。「ここにまずCharaという素材があるので、よかったら一緒にクッキングしましょうよ」っていう。ただ、mabaちゃんとやるときはラフな状態のデモを送ることもけっこう多くて。

mabanua そうですね。Charaさんが送ってくれるデモは言葉の断片と鼻歌とピアノだけをボイスレコーダーで録ったようなやつがけっこう多いんです。

Chara けっこう酷いデモを渡してると思う(笑)。でも、できる人はそういうちょっとしたモチーフをすごいところに持っていけるんだよね。だからこそ、そういうラフなデモを渡せる相手は限られてくるんだけど、mabaちゃんとは今まで何度もやりとりを重ねてきたから、そこはもう信頼してるんです。

──「Baby Bump」では、mabanuaさん以外にも多くのアーティストと共演されてましたね。

Chara それはやっぱり自分自身がフレッシュでいたいからなんです。例えば、同じ曲を誰かと一緒に聴いてみると、同世代の人はけっこう自分と似たような聴き方だったりするんだけど、年齢の離れている人は自分と全然違う聴き方をしていたりする。で、私はそういう人のほうが一緒にやりやすいんです。それに今の私はだいぶリラックスして音楽をやれてるけど、若い人は当然ガンガンやっていきたいわけじゃない? そういう人たちのピュアな気持ちと向き合うと、自分もピュアになれるんです。私は音楽をずっと愛していたい。だからこそ、自然とそういう人たちと一緒にやりたくなるんですよね。

それぞれの近況

──一方のOvallは新曲「Stargazer」をリリースしたばかりですね。この曲も収録されるというニューアルバムの制作は、現在どのような状況ですか。

Shingo Suzuki(B / Ovall)

Suzuki 僕らは今まさに、絶賛ニューアルバムのレコーディング中なんですけど、「Stargazer」はまさにその芯になる曲というか、少なくともアルバムの内容を示唆しているのは間違いないですね。つまりは原点回帰というか、僕らはインストバンドなので、改めてそこでガッツリ勝負したいなと。トレンドもキャッチしつつ、そこには流されずに「Ovallの芯はこれだ!」というところを見せるような作品になると思います。まあ、ちょっと時間はかかっちゃってますけどね(笑)。去年はフェスや海外でのライブも多かったんですけど、今はとにかく新しいアルバムを完成させなきゃと思ってます。

──Charaさんはツアーを終えたばかりですね。近況はいかがですか。

Chara 最近は部屋でよくピアノを弾いてます(笑)。あと、これから春にフェスがあるからね。今のバンドが最高なんですよ。メンバーが24歳から57歳までいるの。すごくピースフルでしょ? ベースの高木祥太くんは高校生の頃にツイッターで「5年以内にCharaのバックでやりたい」とつぶやいてた子で、私はたまたまそれを見つけて「お待ちしてます」と返事したことがあるの。そうしたらギリギリ5年以内で、本当にそれが実現したんだよ。

一同 えー!

Chara もうね、めっちゃ息子みたいにかわいがってる(笑)。私は気付かなかったんだけど、「タイムマシーン」を演奏してるときに泣いてたらしくて、ホントかわいいなって。

2019年5月に初開催される、WOWOW主催のキャンプフェス。WOWOWがテレビを通して興奮と感動を伝えてきた「音楽」「映画」「スポーツ」という3つのジャンルを軸にしたさまざまなコンテンツが用意される。

  • 2019年5月11日(土)静岡県 富士山こどもの国
    OPEN 9:00 / START 11:00 / CLOSE 21:00 <出演者> エルメート・パスコアール&グループ / セオ・パリッシュ / セドリック・ウー / Mateus Asato Trio / 青葉市子 / WONK / 大友良英スペシャルビッグバンド / 小林うてな / cero / 竹原ピストル / DJみそしるとMCごはん / 七尾旅人 / and more
  • 2019年5月12日(日)静岡県 富士山こどもの国
    OPEN 8:00 / START 9:00 / CLOSE 19:00 <出演者> 林立夫 special session with 矢野顕子 ほか / 悪魔の沼 / Ovall / 空間現代 / クラムボン / 田島貴男(ORIGINAL LOVE) / Chara / DSPS / DJ Sprinkles aka Terre Thaemlitz / bird / MOROHA / Yogee New Waves / 吉澤嘉代子 / and more
Chara(チャラ)
Chara
1991年9月にシングル「Heaven」でメジャーデビューしたシンガーソングライター。1994年発売のシングル「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」がテレビCMに起用され、大ヒットを記録した。1995年には岩井俊二監督作品「PICNIC」で映画初主演。翌1996年の同監督作品「スワロウテイル」には劇中バンドYEN TOWN BANDのボーカルとして出演し、YEN TOWN BAND名義でリリースしたシングル「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」はオリコンウィークリーチャート1位を記録した。デビュー20周年を迎えた2011年には、ベストアルバムと2枚のオリジナルアルバムをリリース。2015年にはYEN TOWN BANDが復活を遂げ、9月に約19年ぶりとなる新曲「アイノネ」を発表したほか、ライブ活動も再開させた。デビュー25周年を迎えた2016年には45曲入りのオールタイムベストアルバム「Naked & Sweet」を発表。2018年12月にmabanuaやTENDRE、高橋海(LUCKY TAPES)などをサウンドプロデューサーに迎えたニューアルバム「Baby Bump」をリリースした。
Ovall(オーバル)
Ovall
Shingo Suzuki(B)、mabanua(Dr)、関口シンゴ(G)からなるインストバンド。メンバーはそれぞれソロ活動やサポートミュージシャンとしても活動しており、他アーティストのプロデュース業も盛んに行っている。2010年3月に1stアルバム「DON'T CARE WHO KNOWS THAT」をリリースし、2011年に発表したシングル「Feverish Imagination」がヒットを記録するも、2013年に3人それぞれの活動が多忙を極めたため活動を休止。2014年からはソロ活動に専念するが、2015年にはOvall名義で矢野顕子のレコーディングに参加したほか、藤原さくらのサポートではメンバー全員がバックバンドを務めるなどさまざまな形で3人で集まる機会が増える。2017年に12月に東京・WWW Xで開催した4年ぶりのワンマンライブで再始動し、ファンクラブ限定で配信リリースしたアルバムに再始動後初の新曲「Winter Lights」を加えた「In TRANSIT(Deluxe Edition)」を発表。2018年には「FUJI ROCK FESTIVAL」や「GREENROOM」などさまざまなフェスに出演し、台湾での単独公演を大成功に収めた。映画「ハード・コア」やテレビ朝日系ドラマ「dele」の劇伴に参加するなど、精力的に活動している。

2019年3月22日更新