FABLED NUMBER特集 N'Eita(Vo, G)×Sxun(ディレクター)対談|強力フィクサーを得て進化するサウンド

FABLED NUMBERが1月22日に新作ミニアルバム「ELEXGAME」をリリースする。

今年6月にSxunをディレクターとして迎えることを発表したフェイブルド。新作「ELEXGAME」はSxunとのタッグによって制作された1作で、バンドが新たなステージに突入したことを感じさせるエネルギッシュなサウンドに満ちている。

音楽ナタリーでは「ELEXGAME」のリリースを記念して、フロントマンであるN'Eita(Vo, G)とSxunの対談をセッティング。2組の出会いから、フェイブルドらしさを表現した「ELEXGAME」の完成に至るまでについて明かしてもらった。

取材・文 / 秦理絵 撮影 / 佐藤早苗

「FABLED NUMBERは売れません。でも……」

──お二人の出会いのきっかけから教えていただけますか?

N'Eita(Vo, G)

N'Eita(Vo, G) もともとSxunくんがいたバンドのことは知ってて。6年ぐらい前の「RADIO CRAZY」で初めてライブを観たんです。上手のステージ袖からメンバーみんなで観てたんですけど、Sxunくんの後ろにステージに身長を超えるクソでっかいアンプが置いてあって。要塞みたいやなと思いました(笑)。

Sxun はははは!(笑)

N'Eita でも、そのときは直接話すことはなくて。

Sxun 最初に話したのはいつだっけ?

N'Eita 3年ぐらい前の「ミリオンロック(百万石音楽祭)」かな。そのときに、僕はSoくんと仲良くなったんですけど。Sxunくんは、ギターのマコト(Mako-Albert)は知ってたよね?

Sxun そう。僕がフェイブルドの中で最初につながったのはマコトでしたね。フェイブルドのことは、初期から気になってたんです。同じ関西出身のバンドで、バンドサウンドにエレクトロを入れてるっていうところも好きだし、エイタの声も好きだった。ちょっとクセのある声質というか。でも、イベントでは一緒になるけど、対バンをする機会はなくて。

N'Eita そのあと、「COMING KOBE」でしゃべったかな? Hi-STANDARDが出た年だから2017年か。

Sxun ワールド記念ホールでやった年?

N'Eita そう。それが「ミリオンロック」ぶりやったんですかね。で、僕は打ち上げに出ずに、Soくんと一緒に大阪に行ってたんですけど、マコトはSxunくんと一緒に出てたよね。

Sxun 呼んでないのに来てた。

N'Eita そういう男なんです(笑)。

Sxun 僕とマコトは同い年なんですよ。だから、けっこうバンドの相談とかされてたんです。あいつはバンド内で決定権がないから、僕がストレスの捌け口になってて(笑)。

N'Eita 人のバンドに迷惑をかけるなって感じですよね(笑)。

Sxun で、僕が前のバンドを辞めたあと、マコトに「困ったことがあったら相談に乗るよ」と言ったらね……これが間違いだったと思うんですけど(笑)、「エイちゃんに会ってほしい」と言われて。忘れもしない新宿の喫茶店でN'Eitaに初めて会ったんです。

N'Eita ちょうど1年前くらいですよね。前作「Millionaire」ができて、それを聴いてもらってから話したんです。それまで僕らは自分たちでやりたいことをすべて選んできたつもりだけど、「本当に自分たちがやりたいことを音源にできているのか?という迷いがあって。こんなん書いていいのかわからないけど、昔から手作り感がエグすぎるっていう自覚があったんですよ。今、宗光(Sampling, Programming)にメイクさせてるのも「パンチ出るやろ」というノリやし、気が付いたらメンバーのタトゥーもどんどん増えていく。目立つところが多いわりに、ちゃんと個性を出せてないというか。そういう活動が続いてるということを話したんです。そしたら、「ふんふん……エライことになってんな」と受け取ってもらえて。

Sxun

Sxun 正直、もらった「Millionaire」の音源を聴いたときに、「これ……様子おかしない?」と思ったんです。たぶんお客さんは気にしないと思うんですけど、俺が知ってるフェイブルドの毒々しさがなくなってて。自覚的に研ぎ澄ませていった結果、こうなったんならいいんですけど、話してたら悩んでる感じがしたんですよね。で、喫茶店でエイタと5時間話して(笑)。話の終わりのエイタのひと言が、「じゃあ、Sxunくん入って手伝ってよ」だったんです。でも僕は、バンドが迷っている状態のときに、また人が増えるのは好ましくないと思ってて。チームは少人数のほうが濃い意見が出ていいというか。だから、「僕はバンドに入らずに、相談される立場でいたい」と言ったんですけど、エイタ的には踏み込んでほしい感じだったんですよ。

N'Eita 「FABLED NUMBERってこうだよね」と言ってくれる人が必要やったんです。もう自分たちではバンドを始めたときにやってた音楽が正しかったのか、6人そろって作った1作目が正解だったのか……何がいいのかわからなくなってて。

Sxun たぶんチームにはマネージャーとかレコード会社の人とか、それぞれの立場の人がいて、バンドを売れさせたいと思ってるわけですよ。でも、それならもっと万人が好みやすいアーティストを探したほうがいいんです。だから、僕は「FABLED NUMBERは売れません」という話をスタッフにして。「でも、FABLED NUMBERがやりたいことをやって、今よりもいい結果を残すことは絶対にできます」と言ったんです。いわゆる「売れようぜ」という、20歳そこそこの若いバンドみたいな夢じゃなくて、どうやったらジジイになったときに、「ああ、バンドやりきったな」と言えるか。ちょっとネガティブかもしれないけど、そういう危機感を持って、自分の音楽人生を納得して終わらせるというほうに、僕は重きを置いたほうがいいと思ったんです。やみくもに「バンドでメシ食っていくんだ」とか言って、40歳とかでアルバイトに降格させられるのが一番キツい。もしそうなっても、「俺らはやりきったから、次は家族のためにがんばろう」というマインドになれたら、人として豊かな人生になるっていう話をしたんです。