音楽ナタリー Power Push - FABLED NUMBER
N'Eita & N'Taichiの兄弟バランスで届ける“ティーンエイジミュージック”
FABLED NUMBERが2月8日に1stフルアルバム「ILLUMINATE」で日本クラウンからメジャーデビューする。
活動拠点である大阪を中心に、さまざまなアーティストを招いて対バンライブを行い、エモーショナルなパフォーマンスで話題を集めてきたFABLED NUMBER。過去にリリースしてきた楽曲には全英語詞の楽曲が多かった彼らだが、満を持しての発表となるメジャー第1弾のアルバムは、日本語詞の割合がこれまででもっとも多い作品となった。
音楽ナタリーでは作詞を担当するN'Eita(Vo, G)、作曲とアレンジを手がけるN'Taichi(B, Cho)の兄弟にインタビューを実施。2人は今作の制作秘話や、バンドの展望をざっくばらんに語ってくれた。
取材・文 / 石橋果奈 インタビュー撮影 / 佐藤類
歌入れの前にリードトラックを決める
──2016年6月にリリースされたミニアルバム「A Revolutionary」では、ライブでより直接的に伝わることを重視して日本語詞の割合を多くしたそうですが、今作はさらに日本語詞が多くなった印象を受けました。
N'Taichi(B, Cho) 圧倒的に日本語詞が多いですね。僕が作曲・アレンジした楽曲を弟(N'Eita)に渡した時点で「この曲は英語やな」「この曲は日本語やな」っていうのがほぼ決まるんです。
──それはEitaさんが言うんですか?
N'Eita(G, Vo) たいちゃん(N'Taichi)に質問してる感じっすね。「これ英語と日本語どっちにする?」って聞くこともあるし、「この曲はリードトラックみたいな感じなん?」とか。
Taichi 歌を入れる前にリードトラックを決めてるんですよ。今回は「十数曲入るフルアルバムのリードトラックを作ろう」っていうモードで作り始めました。毎回、まず英語詞っぽい曲と日本語詞っぽい曲を1曲ずつ作って、そのうちどちらかをリード曲にしていて。それで今回はほぼ日本語詞の「The Lights」がリードになったんです。
Eita 自分たちは日本語の楽曲もやっていきたいっていう気持ちがあるけど、前作のリード曲「AAO」が英語詞だったこともあって、メジャーデビューに向けて動いていく中で事務所からもレーベルからも「英語のほうが絶対カッコいいし、ほかにはマネできひんからもっと聴かせるのもいいんじゃないの」っていう意見が挙がって、「The Lights」も最初は英語で歌ってたんです。でも自分の好きな日本語詞を歌うアーティストの楽曲をいろいろと聴く中で「こんだけカッコよくみんな歌えてるし、自分も英語でやったんと同じぐらいカッコよく、わかりやすい言葉を使って歌える」と思って。
「変わった」と言われるような曲が出せてよかった
──ちなみに好きなアーティストというのは?
Eita 今やったらsumikaがめっちゃ好きなんですよ。ほかには[Alexandros]、RADWIMPS、My Hair is Bad、WANIMAとかも聴きますし。僕の音楽的なルーツはアメリカンロックとか海外のダンスミュージックなんですけど、さっき挙げたバンドが歌ってる日本語が好きやし、別に「もっと英語詞を歌ってほしい」とは思わないんです。だから「俺も絶対これを日本語でカッコよくできる」って、事務所とレーベルには内緒でこっそり「The Lights」を日本語で歌い直したんです(笑)。
──TaichiさんはEitaさんのその決断についてどう思いましたか?
Taichi 俺は日本語詞であろうと、英語詞であろうと、その曲にとって必要なメロディや構成であればOKやと思うし「せっかく日本国内でメジャーに行くんやから、間口が広がりそうやし自国の言葉でやろう」っていうぐらいの気持ちでしたね。
──「The Lights」はすでにライブで披露されていますが、お客さんの反応はいかがですか?
Eita 今までお客さんは俺らの楽曲に対して「オイ! オイ!」みたいに盛り上がってくれることが多かったけど、「The Lights」では手を挙げながら口ずさんでくれたり、Cメロで聴き入ってくれる様子が見られて。それは俺も求めてたことやったからうれしかったですね。「変わったな」「前の曲のほうが好きや」っていうネガティブな意見もあったんですけど、むしろ「変わった」と言われるような曲が出せてよかったし、安心してます。
──「The Lights」はストレートな日本語で歌詞がつづられたラブソングですね。
Eita 英語詞のときと歌詞の内容が大きく変わってるわけではないんですけど、英語のほうがリスナーに意味が伝わりづらいから、めっちゃはっきりものを言えると思うんです。そもそも海外のアーティストもストレートな歌詞が多いですし、でも日本語で作詞するってなると……。
──ストレートに伝わりすぎてしまう?
Eita 「クサくなりすぎてしまうんじゃないか?」ってビビッてました。日本語詞をストレートに書かないアーティストって多いと思うんです。いろんな表現を持ってきて、ストレートに感じさせなかったり。でも僕はもともと英語でずっと書いてたので、日本語詞でもまっすぐ内容がわかるような感じになっちゃうんです。かと言って急に表現を変えることはできひんから、「英語やったらこういう感じで歌詞を書くやろうな」っていうのをそのまま日本語で書いていきました。
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収録曲
- 2012
- The Lights
- 夜の鼓動
- オーケストラック
- World Joke
- Let You Cry, Let You Fly
- Sing In A Night
- Two
- トワイライトシティ
- キライな君はもういない
- Don't let me go
- The King
FABLED NUMBER presents 1st full album「ILLUMINATE Tour 2017」
- 2017年2月24日(金)福岡県 Queblick
- <出演者> FABLED NUMBER / 彼女 in the display
- 2017年3月16日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- <出演者> FABLED NUMBER / 空想委員会
- 2017年3月24日(金)千葉県 千葉LOOK
- <出演者> FABLED NUMBER / and more
- 2017年3月30日(木)石川県 vanvanV4
- <出演者> FABLED NUMBER / Xmas Eileen
- 2017年3月31日(金)富山県 Soul Power
- <出演者> FABLED NUMBER / ヒステリックパニック
- 2017年4月7日(金)静岡県 HAMAMATSU FORCE
- <出演者> FABLED NUMBER / LONGMAN / BACKLIFT
- 2017年4月14日(金)京都府 LIVE HOUSE GATTACA
- <出演者> FABLED NUMBER / HAPPY
- 2017年4月21日(金)広島県 CAVE-BE
- <出演者> FABLED NUMBER / POT / CRAZY VODKA TONIC
- 2017年4月23日(日)北海道 DUCE SAPPORO
- <出演者> FABLED NUMBER / and more
- 2017年4月28日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
- <出演者> FABLED NUMBER / THREE LIGHTS DOWN KINGS
- 2017年5月15日(月)宮城県 仙台MACANA
- <出演者> FABLED NUMBER / and more
- 2017年5月26日(金)香川県 DIME
- <出演者> FABLED NUMBER / LONGMAN / and more
- 2017年5月31日(水)大阪府 umeda AKASO(※ワンマンライブ)
- <出演者> FABLED NUMBER
- 2017年6月16日(金)愛知県 ElectricLadyLand(※ワンマンライブ)
- <出演者> FABLED NUMBER
- 2017年6月30日(金)東京都 TSUTAYA O-WEST(※ワンマンライブ)
- <出演者> FABLED NUMBER
FABLED NUMBER(フェイブルドナンバー)
N'Eita(G, Vo)、N'Taichi(B, Cho)の兄弟を中心とした6人組バンド。洋楽の影響を受けたエモーショナルなダンスロックを得意とする。2013年に初の全国流通となる1stミニアルバム「Might makes right」を発売。同年に年末恒例のライブイベント「RADIO CRAZY 2013」に出演したことをきっかけに、多数の大型フェスに出演した。2015年には、元My Chemical Romanceのボーカルであるジェラルド・ウェイの来日公演にサポートアクトとして出演したことでも話題を集めた。2017年2月に1stフルアルバム「ILLUMINATE」で日本クラウンからメジャーデビューした。