音楽ナタリー Power Push - FABLED NUMBER
N'Eita & N'Taichiの兄弟バランスで届ける“ティーンエイジミュージック”
“第三者”が初めて入ったレコーディング
──ストレートな歌詞ですけど、Eitaさんの歌のニュアンスは独特ですし、一聴したときはそこまでストレートには感じなかったです。
Eita そうですね。包み隠さずシンプルな日本語で書きましたけど、カッコよくできたっていうのがうれしかったです。あと今までは歌の表現も自分の好きな感じで、自由に歌ってたんですよ。でも今回はレコーディング中に細かいところまで決めていって。
──それはなぜですか?
Eita それができるレコーディングの現場やったんで。「The Lights」には初めてプロデューサーとして大島こうすけさんが入ってくれて、大きいところを細かくいじるっていうのはあんまりなかったんですけど、歌に関しては「Eitaはもっとこういうふうに歌ったほうがいい、このほうが伝わる」とか言ってくれて。たいちゃんと一緒に同意するときもあれば、「ここはこういうふうに歌いたいんです」って大島さんに意見をするときもありました。
──しっかりコミュニケーションをとりながら制作を進めていったんですね。
Eita プリプロの段階から入ってもらって、がっつり制作を進めながら、ときには気も遣いながら(笑)。今までやったらフルパワーで歌ってたような部分を、大島さんに「セーブしながら歌って」って言われたことがあったんですけど、最終的に聴いたらすごく深く、きれいに声が出ていて。大島さんだけじゃなくて、テックの人にも初めてちゃんと入ってもらったんですけど、「たいちゃん、この楽曲やったらこういうサウンドどう?」って提案してくれたりもしました。今まで自分たちだけでやってたんが、第三者が現れたことで考える余裕ができたのがよかったですね。楽曲をミリ単位まで調整できたし、精度を上げられたと思います。
「メジャーに行くんや」っていう決意
──アルバムはインストゥルメンタルの「2012」で始まります。2012年は現体制になった年だそうですね。
Taichi 2012年から変わらない6人でメジャーデビューを迎えられたので、このタイトルは一瞬で出てきました。
Eita 今年で全員そろってちょうど5年で。このタイトルを付けたときには、「この5年でよくここまで来れたな」っていう思いと、「やってやるぞ」っていう気持ちがありました。「2012」で始まるこのアルバムは、ほんまにみんなで協力してレコーディングしたし、メンバー6人全員が出す音がぎゅっと凝縮されたすごく強い作品に仕上がったと思います。
──アルバムには10曲の新曲に加えて、2013年発表の「Don't let me go」と2014年発表の「The King」という、ライブ定番曲の再録バージョンも収められていますね。
Eita スタッフさんの提案で入れることになったんですけど、この2曲はずっと応援してくれてる人もめちゃくちゃ知ってる曲やし、ライブでいつもやってる曲やから、選んでもらえてうれしいです。「The King」には「お客さんのために、自分たちは絶対大きくなっていくんや」という気持ちだけを込めていて。ラブソングやったら何曲も書けるんですけど、お客さんに向けたこの歌詞を「もう1回書け」って言われても、もう書けないと思っていて。そのぐらい思い入れのある曲なんです。実際俺らはインディーズ時代が長かったので、そんな曲がメジャーデビューアルバムの最後に入っているのは、メジャーに行く決意として感じてもらえるかなって。
リスナーが何を求めているのか
──Eitaさんはアメリカンロックや海外のダンスミュージックがお好きだということですが、過去のインタビューを読んだときに、国内の同世代のバンド同士の関わりも細かいところまで見ている印象を受けました。
Eita “ティーンエイジミュージック”を作る側なんで、僕らは。自分が10代のときって、届いてくる音楽しか聴いてなかったし、それより深くなんか興味が向かわへんかった。今の子も音楽がめちゃくちゃ好きな子は自分で調べていろんな音楽を知ってると思うけど、普通に音楽が好きな大半の子は、一定のラインより知名度の高いバンドを聴いてるんやと思うんです。
──はい。
Eita その中でFABLED NUMBERがポップさを保ちながら、なおかつ行きたい場所に向かって歩みを進めていくためには、今の若い子らが何を求めているのか、売れてるバンドの何がよくて聴いてんのか、バンド以外にもテレビに出てる人の何が好きで観てるのかっていうのは気にするべきやと思うんです。お客さんとかにも聞きますし。それで耳に入ったバンドを調べて聴いてみるとやっぱりめっちゃいいし、「みんなこのバンドのこういうところに惹かれてんのか」っていう理由が絶対あるんですよ。
──そうやって調べていった結果、日本語詞を歌うバンドが好きになっていったんですか?
Eita はい、そこにつながっていきました。
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収録曲
- 2012
- The Lights
- 夜の鼓動
- オーケストラック
- World Joke
- Let You Cry, Let You Fly
- Sing In A Night
- Two
- トワイライトシティ
- キライな君はもういない
- Don't let me go
- The King
FABLED NUMBER presents 1st full album「ILLUMINATE Tour 2017」
- 2017年2月24日(金)福岡県 Queblick
- <出演者> FABLED NUMBER / 彼女 in the display
- 2017年3月16日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- <出演者> FABLED NUMBER / 空想委員会
- 2017年3月24日(金)千葉県 千葉LOOK
- <出演者> FABLED NUMBER / and more
- 2017年3月30日(木)石川県 vanvanV4
- <出演者> FABLED NUMBER / Xmas Eileen
- 2017年3月31日(金)富山県 Soul Power
- <出演者> FABLED NUMBER / ヒステリックパニック
- 2017年4月7日(金)静岡県 HAMAMATSU FORCE
- <出演者> FABLED NUMBER / LONGMAN / BACKLIFT
- 2017年4月14日(金)京都府 LIVE HOUSE GATTACA
- <出演者> FABLED NUMBER / HAPPY
- 2017年4月21日(金)広島県 CAVE-BE
- <出演者> FABLED NUMBER / POT / CRAZY VODKA TONIC
- 2017年4月23日(日)北海道 DUCE SAPPORO
- <出演者> FABLED NUMBER / and more
- 2017年4月28日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
- <出演者> FABLED NUMBER / THREE LIGHTS DOWN KINGS
- 2017年5月15日(月)宮城県 仙台MACANA
- <出演者> FABLED NUMBER / and more
- 2017年5月26日(金)香川県 DIME
- <出演者> FABLED NUMBER / LONGMAN / and more
- 2017年5月31日(水)大阪府 umeda AKASO(※ワンマンライブ)
- <出演者> FABLED NUMBER
- 2017年6月16日(金)愛知県 ElectricLadyLand(※ワンマンライブ)
- <出演者> FABLED NUMBER
- 2017年6月30日(金)東京都 TSUTAYA O-WEST(※ワンマンライブ)
- <出演者> FABLED NUMBER
FABLED NUMBER(フェイブルドナンバー)
N'Eita(G, Vo)、N'Taichi(B, Cho)の兄弟を中心とした6人組バンド。洋楽の影響を受けたエモーショナルなダンスロックを得意とする。2013年に初の全国流通となる1stミニアルバム「Might makes right」を発売。同年に年末恒例のライブイベント「RADIO CRAZY 2013」に出演したことをきっかけに、多数の大型フェスに出演した。2015年には、元My Chemical Romanceのボーカルであるジェラルド・ウェイの来日公演にサポートアクトとして出演したことでも話題を集めた。2017年2月に1stフルアルバム「ILLUMINATE」で日本クラウンからメジャーデビューした。