円神|最強の集団を目指して歩む、僕らの道

やりたいことをやっていい空気

──円神は歌、ダンス、演技、それぞれ未経験の方もいらっしゃいます。ただ、ドキュメンタリー映像を観ていても、ものすごく努力できる人が多いんだろうなという印象を受けました。それもこの9人の共通項ですよね。

中林登生

中林 自分たちにそれぞれ足りないものがあるというのはわかってるので、やらざるを得ないというか。

熊澤  できないことがあっても、ほかのメンバーがサポートしてくれるんです。みんな1人ひとりできることとできないことがあるから、9人みんなで支え合っています。

中本 下克上したい、輝きたいという9人の思いがどんどん1つになってきているからこそ、そうやってお互いにサポートしたり教え合ったりできているのかなと思います。

瀧澤 自分たちで高め合っているという感覚なんですよね。

──やはり舞台の期間を通して、チームの絆が深まったという実感はありますか?

中林 確実にあるよね。

中本 僕は舞台で日向くんと登生くんと3人組の役を演じさせてもらったんですけど、正直舞台が始まるまでは2人とじっくり話す機会はなかったんです。でも、稽古が始まってから毎日一緒にいるようになって、家族のように過ごして。今ではとても濃い関係になりました。

中谷日向 確かに。この3人もなんですけど、1人ひとり全員がすごく近くなれた感じがします。円神のことがもっと好きになりました。

瀧澤 気付いたら僕も全員にタメ語で話してましたもん。

──瀧澤さんは最年少なのもあって敬語だったんですね。

瀧澤 でも気付いたら自然とタメ語になってました。

中林 確かにな!

宮里 俺にはもともとタメ語だったんですけどね(笑)。

瀧澤 そうだったっけ?(笑)

A.rik

A.rik (笑)。みんなよく笑うようになったなと思います。前は9人の間でもグループに分かれてるような感じがあったんですけど、今はみんながみんなを見て笑ってる。

──舞台の脚本・演出を手がけているマンボウやしろさんが「円神って物事に対して肯定的で、やりたいことをやっていいという印象がある」とおっしゃっていましたが、そういう雰囲気は感じますか?

中林 自由だよね。

瀧澤 みんな個性を出せてると思う。

A.rik 「事務所ってこんなに自由にやらせてくれるんだ!」っていう感じです。

一同 あははは(笑)。

A.rik だって芸能界に入ると、事務所に「絶対こうして」ってキャラからビジュアルまで全部決められて、お人形さんみたいな感じになっちゃうのかなと思っていたんです。でも意見を自由に言えるし、しかもファンの人たちの意見も聞いてもらえる。めっちゃ温かい環境だなって。

中林 恵まれてるよな。

中本 リーダーのタキツバ(瀧澤)が取材とかで僕たちのことを言い表すときに「いい意味でバラバラ」という言葉をよく使うんですよ。いい意味でバラバラなのは、自由にやれているからなんじゃないかなって。自由じゃないとバラバラにならないからさ。

──最年少の瀧澤さんがリーダーを務めているというところも、よくよく考えるとなかなかグループとしては珍しいことだと思います。それも年齢がどうとかじゃなくて、フラットに誰がふさわしいのかを考えられる空気感があるからなのかなと。

中本 タキツバはまだ高校生だけど、プロ意識が高いんですよ。

中林 精神年齢が一番高いよね。

山田恭 いや、たまにちょっと「あれ?」っていうときありますよ!

中林 一番精神年齢低い人が言ってる(笑)。

瀧澤 僕が一番怒るのは恭ちゃん(山田)なんですよ(笑)。

山田 最近は登生くんにもよく怒られます。

中林 恭はオンオフの切り替えがちょっと苦手なんだよね(笑)。

9人で上がっていこうぜ

──メンバー同士でライバル意識みたいなものはあるんですか?

中林 ライバルかあ……。

中本 僕は稜之くんのことをいい意味でライバルだと思ってます。お互いに俳優の道を進んでいるというところで。

山田 大賀と稜之はビジュアルがカッコいいし、系統がちょっと似てるんですよ。

草地稜之

草地 僕も円神の中では大賀がライバルです。大賀って円神でセンターに立つじゃん。それがめっちゃうらやましい!

中林 そこかい!(笑)

中本 (笑)。稜之くんは今ドラマ「その女、ジルバ」に出ているんですけど、出演シーンを観ていると自分ももっとがんばらなきゃなって思えるんです。稜之くんが存在してくれていることが、自分にとってプラスになっています。

宮里 俺は誰かライバルがいるというよりは、俺のペースでいいやって感じかな。

中谷 ソルらしいね(笑)。

中林 僕もどっちかというとソルみたいな感じかな。もちろん全員から刺激はもらってるんですけど、チームとしては「9人で上がっていこうぜ」という空気感があると思います。

山田 例えば誰かがドラマに出て、そのドラマが大ヒットして、円神も一緒に上がっていったらいいよね。だから誰かがんばってくれないかなって。

一同 あははは(笑)。

瀧澤 人の活躍で成り上がろうとしてる!(笑)

山田 いや、もちろん自分もがんばるんですけど! そういうことがあったらいいなって。

中林 言いたいことはわかるよ(笑)。だから大賀や稜之が今ドラマに出演しているのがめっちゃうれしい。2人がその経験を次の舞台でほかの人に伝えてくれたら、チームの底上げにもなるしね。

全世代、老若男女共通する思い

──いよいよ1stシングルをリリースするということで、心境はいかがですか?

瀧澤 素直にうれしいです!

山田恭

山田 先日「Say Your Name」のミュージックビデオの撮影をしたんですけど、僕は昔よくアーティストさんのスタンドインみたいなことをしていたんです。カメラチェックのときだけアーティストさんの代わりに入るという。だから昨日現場に立って「わあ、僕がこっち側にいる!」ってすごく感慨深かったです。

中林 その気持ちはずっと持っておきたいよな。それが当たり前になりたくない。

A.rik 大賀と撮影現場に向かうときに、ちょうど「こういうワクワクした気持ちもあとからなくなっていくのかな」という話をしていて。だからその気持ちを忘れないために、しっかりと記憶しました。

──1曲目の「Say Your Name」は中本さんが出演しているテレビドラマ「江戸モアゼル〜令和で恋、いたしんす。〜」の主題歌です。さわやかで、メロディにノスタルジックさも感じる曲になっていますが、どういう印象を受けましたか?

草地 海外っぽいサウンドで素敵だなと思いました。

──Backstreet Boysのような雰囲気もありますよね。

A.rik まさにBackstreet Boysの「I Want It That Way」に関わってる会社の方がマスタリングを担当してくださったんです。

中谷 僕は歌詞に共感できました。「こういう思い、自分も経験したな」って。聴いてくださる皆さんも入り込めるんじゃないかなと。

──歌詞では「好き」と伝えられないもどかしい気持ちや、勇気を出してそこから一歩踏み出そうとしている瞬間が描かれています。

瀧澤 思いを伝えるときって、昔だったら手紙を書いて渡したり、今の時代だったらLINEで「好き」と伝えたり、いろいろ方法はありますけど、どんな時代でも気持ちを伝えるのはちょっと怖くてためらうと思うんですよ。そういう全世代、老若男女に共通する思いを皆さんに共感してもらえたらなと思います。

A.rik 友達を好きになってしまって、「友達の関係を崩してまで好きって言うのは……」ってためらっている人とかは特に共感できるんじゃないかなって。

中本 最近、「江戸モアゼル」の撮影現場に行くと、毎回誰かしら「Say Your Name」を流してくれてるんですよ。

一同 へえー!

中本 スタッフさんが撮影の合間に口ずさんでいたり、キャストの方も「主題歌がすごく好きです」って言ってくれたり。現場に行くたびに「Say Your Name」を褒めてくれるんです。

山田 うれしい!

──もどかしい気持ちや「もう 逃げたりしない」という決意は、恋に奥手な「江戸モアゼル」の主人公・蔵地俊輔の心情やストーリーに重なりますよね。

中本 そうですね。ドラマも「思いを伝えられない」というところがストーリーの軸になっているので。ドラマと主題歌がすごくマッチしていて、しかも毎回ラストシーンのいいところで「Say Your Name」が流れるんですよ。あれがもうたまらない。

瀧澤 心に響くよねえ。

──恋の歌ではありますが、「泥臭くたっていいのさ」「もう 逃げたりしない」という気持ちや、抑えきれない思いがどんどん膨らんでいく感じは、今の皆さんの心情に重なるところもあるのでは?

瀧澤 重なりますね。

熊澤  僕は性格的におとなしめで、発言を控えちゃうところもあるんです。「Say Your Name」は恋愛の曲ですけど、そういうふうに気持ちを言えなかったり心を閉ざしてしまっている人にも届けばいいなと思って歌いました。