ナタリー PowerPush - EMI MARIA
天才肌の若きシンガーソングライター待望メジャーデビューでR&Bシーンを変える
SEEDAや般若など、尖ったアーティストとのコラボレーションや、インディーズでの精力的な活動を受け、耳の早いリスナーのハートをがっちりキャッチしているR&Bシンガー、EMI MARIA。そんな彼女が配信シングル「One Way Love」でいよいよメジャーデビューを果たす。
作詞・作曲はもちろん、トラックメイキングまで自ら手掛ける輝かしい才能と、感情をストレートに表現するスモーキーな歌声。それは、ジャパニーズR&Bの新たな扉を開くと同時に、シーン全体を牽引する大きな可能性を秘めている。
「iTunes Japan Sound of 2009」の10組に選出されるなど、さまざまなメディアで最注目アーティストとして太鼓判を押されている彼女の魅力。間違いなく、ホンモノ。
取材・文/もりひでゆき
高校時代から作曲とトラック制作を始めた
──EMI MARIAさんは、これまでどんなふうに音楽と付き合ってきたんでしょうか? きっとドップリなわけですよね。
ドップリですねぇ(笑)。姉の影響でR&Bとかヒップホップが好きになって、洋楽中心にずっと聴いてきました。歌うことももちろん好きだったんですけど、小さい頃はそれを職業にしようとかは全然思ってなかったですね。ほんとにただ音楽が好きっていう感じ。
──5歳までパプアニューギニアに住んでいたんですよね。
そうなんですよ。向こうにいるときから、ジャネット・ジャクソンとかマイケル・ジャクソンとかを聴いてました。その後、神戸に住むことになって、邦楽も聴くようにはなったんですけど。で、中学校後半から高校にかけて、作曲に対してすごい興味を持つようになって、高1くらいから曲を作り始めた感じですね。そこから、音楽にもっとハマっていきました。
──なぜ作曲に興味が向いたんですか?
なぜなんでしょうね? いろんな音楽を聴いてたら、歌よりもトラックを聴くのが好きになってきたんですよ。だから私も作りたいなって(笑)。当時、姉が親しかった人がヒップホップのトラックを作っていたので、その影響もあったと思います。あと「MTV STAR TOUR」(FIRSTKLASがプロデュースを務めたMTVジャパンのオーディション番組)に友達とノリで応募したときに、二次審査で会った人たちがみんな自分でトラックを作ってる人たちばっかりだったんで、そこでも刺激を受けて。で、お母さんにお願いして、ローランドのFantom-SとMTRを買ってもらったんですよね。
──作曲の方法は独学?
独学ですね。説明書を読みながらやってました。
──説明書って機材の使い方は書いてあるけど、作曲の仕方は書いてないですよね(笑)。
アハハハ、そうですよね。でも私はコードとかも全然知らなくて、今も楽器は何もできないんですよ。でも、自分の頭の中に浮かぶメロディはあるから、それを手探りで弾いていきながら、それを重ねていく感じで作ってました。今もそうだし。
うまいへたは関係なく、気持ちをぶつける歌を歌いたい
──作曲を始める段階で、例えばピアノとかギターをやろうとは思わなかった?
思わなかったですね。なんとなく感覚でいけるかなぁ、みたいな(笑)。周りを見ても感覚でやってそうな感じだったから、私もイケるんちゃう? って。
──イイ適当さですよねぇ(笑)。
しかも、実際それでイケちゃってるわけだし。自分の思っている感じが出せなくて悩むときもありましたけどね。でも、作ってるときがすごく楽しかったから、やめようとは思わなかったです。ほんとに何時間でも部屋にこもれちゃうんですよ、曲作ってると。だから高校のときは友達と遊びにも全然行かず。オタクでしたねぇ(笑)。
──その段階では、アーティストとしてのデビューが目標になっていたんですか?
そうですね。曲を作って、そこに歌を乗せることになると、やっぱり自分で歌うのが一番やりやすかったんで、じゃ歌おうかなぁと思って。
──歌に関しても独学ですか?
ほとんどそうですね。今の事務所に入ったときに3カ月くらいボイトレをやったことがあるんですけど、なんかこんな感じでいいかな? って……。3カ月コースだったのもあり、終了した感じです。なんかあんまりうまくなりたいとかって思うタイプじゃなかったから、別に何も思わずにそのまま来ちゃったっていう感じですね。
──歌の魅力がものすごいんで、結構それは意外ですね。
私は、K-Ci&JoJoとかメアリー・J. ブライジとか、ソウルフルな感じの人が好きなんですよ。そのままの自分をさらけ出した歌っていうか、もちろんうまいんですけど、うまいへた関係ナシに気持ちをぶつけてるところがすごくいいなって。なので、私もそういう歌が歌えればいいかなと思ってるんですよね。
- 着うたフル®
- 2009年10月7日発売/420円(税込)
- 着うたフルプラス®
- 2009年10月7日発売/420円(税込)
- 着うた®
- 2009年9月23日発売/各105円(税込)
- One Way Love (友達にゼッタイ教えたいサビ ♪今でも君のこと~)
- One Way Love (皆で歌おうクライマックスサビ ♪今でもあの日を~)
- One Way Love (前向き1メロ ♪あの日誓った~)
- One Way Love (カラオケで熱唱したいブリッジ ♪But I have~)
- One Way Love (切なさがこみ上げる2メロ ♪あの空に何度~)
- RBT(メロディコール/待ちうた)
- 2009年9月23日発売/84円(税込)
- PC向け配信
- 2009年10月21日発売/200円(税込)
EMI MARIA(えみまりあ)
1987年生まれのR&Bシンガーソングライター。パプアニューギニア人の父、日本人の母の間に生まれ、中学・高校時代から作詞・作曲、機材を購入してのトラックメイキングを始める。18歳からは関西のクラブを中心にライブ活動もスタート。SEEDA、般若らからのオファーを受け、彼らの音源にフィーチャリングボーカルとして参加する。その後、20歳のときにインディーズでミニアルバム「Between the Music」を発表。2008年7月にリリースしたシングル「I gotta-Summer Kiss-」はiTunes Store「SINGLE OF THE WEEK」に選ばれ、2008年度ダウンロード数年間1位を記録する。2009年10月にビクターレコーズより配信限定シングル「One Way Love」でメジャーデビュー。