ナタリー PowerPush - DOES

4人編成での初音源「FIVE STUFF」で見せた変化

ライブで欠かせない曲がたくさん詰まった「FIVE STUFF」

──ライブを経て、今回の「FIVE STUFF」の制作も4人で作業されているんですよね?

ヤス はい。「黒い太陽」と「トゥデイ」の2曲は去年の11月くらいにもうレコーディングしてたんですけど、ツアー中にできたそれ以外の3曲はオサムちゃんもいっしょに。

ワタル それは初めてのことですね。だいたい3人で「せーの!」で録ってそこから音をかぶせていくのを、今回はまず4人で録るところから始めてる。初回限定盤にDVDが付くんですけど、「イーグルマン」のビデオクリップはドキュメンタリー部分もあって、レコーディングの最初の模様が本当に素の状態で観られるんですよ。セッティングの様子から入ってて、そのへんも見どころです。CDとは別で、スタジオでの一発生録りのテイクだしね。

──それは面白そうですね。「イーグルマン」は今のDOESの勢いがそのまま出たようなキラーチューンで、ライブのタフさが伝わる曲でもあると思います。

ワタル これは最後にできた曲なんです。ライブ映えする曲もアルバムの中に1曲欲しいなって思って作りました。「FIVE STUFF」はライブで欠かせない曲がたくさん詰まったものになりましたね。

ヤス 特典のDVDを見てもらえれば、演奏のタフな部分とかもより伝わるんじゃないですかね。今回の曲は「トゥデイ」以外は、もうライブでバンバンやってるんですよ。

──ちなみに、ミニアルバムという形態でのリリースは初めてですよね?

ワタル シングルを出してもよかったんですけど、ツアーが一段落した時期にその成果がわかるものという意味では、ミニアルバムがちょうどいいかなって。今のDOESがより見えると思ったし。それで次にドンとフルアルバム出すみたいなね。

リズムのパターンがどんどん増えてきた

──タイトルの「FIVE STUFF」には、タイプの違う5曲という意味合いがあるんですか?

ワタル というより、何かリード曲があって、それに付随してるほかの曲みたいな感じにはしたくなかったんですよね。だから「FIVE」と数字を明記して、価値を均等化したかった。ビデオクリップを作ったのは「イーグルマン」だけだけど、曲に関しては5曲とも自信があるので。

──「黒い太陽」はギターの切れ味の鋭さがありながら、すごく踊れる曲に仕上がっていますね。リズムとギターの掛け合いが面白くて、初期のARCTIC MONKEYSを彷彿させるというか。サビで聞こえる鍵盤の音もレトロな響きで好きです。

ワタル そうですね。頭から4つ打ちを主体とした感じでノリやすいと思うな。2拍3連とかを多用してるから、そんなテイストもあるかもしれないです。個人的には「バクチ・ダンサー」のいとこみたいなイメージ(笑)。サビはハープシコードと弦のシンセを入れてるんですよ。

──でも、何より意表を突かれたのは3曲目の「タイニー・パンク(愛を叫ぼう)」ですね。こう来たか、みたいな。

ワタル 「MODERN AGE」で言うところの「神様と悪魔と僕」というか、ポップでスカスカだけどパンクみたいな。そこらへんの心地よさが面白いと思うんですよね。「タイニー・パンク(愛を叫ぼう)」は特に音楽好きには好かれる曲なんじゃないかな。

──資料には「ブルーハーツ meets VAMPIRE WEEKEND」とありますね。

ワタル VAMPIRE WEEKENDは前からよく聴いてたので、この曲は影響がそのまま出てますね。サビはもともとあったメロディを1回崩して、最初にあったものをどんどんシンプルにスカスカにしていって、「愛を叫ぼう」という単純な言葉を乗せることでより伝わりやすいものになったかなって。踊れるし、シンガロングできるし、いい感じにローファイで楽しんでもらえると思う。

──「欲望」はどういうタイプの曲ですか?

ワタル 結構得意のメロウでダークな曲ですね。ゆっくりとした4つ打ちで。

──DOESには4つ打ちの曲が意外と多いですよね。でも、DOESの場合は変に軽くならないのがいいなって。

ワタル 8ビートと4つ打ちを並行させるからかもしれないですね。ダンスミュージックは基本大好きなんですよ。

──「欲望」のドラムはけっこう複雑なリズムですよね?

ケーサク まあ、そうですね。でも、DOESの中ではこの感じのテンポで4つ打ちっていうのは今までにもあったので。

──初期の8ビート主体の頃に比べると、リズムが多様化してきている印象があります。

ケーサク 確かに、パターンはどんどん増えてきてます。例えば、ダンスっぽいリズムとかは自分の中にはもともとなかったものなんですけど、バンドが変化する中でそういうものにも少しずつ馴染んできて、やってるうちに面白いなって感じるようになってきてますね。そういうものに取り組んでるうちに今までの8ビートもまた変わってきますし。

ミニアルバム「FIVE STUFF」 / 2011年7月27日発売 / Ki/oon Records

  • ミニアルバム「FIVE STUFF」初回限定盤 Amazon.co.jpへ
  • 初回限定盤[CD+DVD] / 2100円(税込) / KSCL-1812~1813 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD] / 1785円(税込) / KSCL-1814 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. イーグルマン
  2. 黒い太陽
  3. タイニー・パンク(愛を叫ぼう)
  4. 欲望
  5. トゥデイ
DVD収録曲
  1. イーグルマン(Music Clip)
  2. 地下鉄曲(LIVE at HEAVEN'S ROCK kumagaya.VJ-1)
  3. 欲望(LIVE at HEAVEN'S ROCK kumagaya.VJ-1)
  4. ダンス・イン・ザ・ムーンライト(LIVE at HEAVEN'S ROCK kumagaya.VJ-1)
LIVE INFORMATION
デビュー5周年ライブ「5th Anniversary LIVE」開催決定!

2011年9月8日(木)東京都 赤坂BLITZ
OPEN 18:15 / START 19:00

チケット一般発売:2011年8月6日(土)~

DOES(どーず)

2000年に結成された、福岡出身のスリーピースロックバンド。クラブイベント出演や音源制作を中心に、精力的な活動を展開する。数度にわたるメンバーチェンジを経て、2005年8月より現在の編成となる。2006年には活動拠点を東京に移し、初の全国ツアーを敢行。同年9月にはシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。2010年4月にリリースしたシングル「バクチ・ダンサー」は10万枚を超えるヒットを記録した。同年7月には初のベストアルバム「SINGLES」を発表。全国ツアーも精力的に行い、幅広い層から熱狂的な支持を集めている。2011年7月には初のミニアルバム「FIVE STUFF」をリリース。