ナタリー PowerPush - DOES

4人編成での初音源「FIVE STUFF」で見せた変化

今年デビュー5周年を迎えるDOES。2011年に入ってからは、福岡時代の盟友であるファズピックスの白澤修をサポートギターに迎えた4人編成でのライブを行っており、そのサウンドは着実にスケールアップしている。このたびリリースされる初のミニアルバム「FIVE STUFF」を聴いても、それは明らかだろう。スリーピースから4人編成になった第2期DOESは、まさに水を得た魚のように生き生きとしている。新作はもちろんのこと、バンドの成長や今の心境について、氏原ワタル(Vo, G)、赤塚ヤスシ(B)、森田ケーサク(Dr)の3人に聞いた。

取材・文/田山雄士

自分らが何をやってるかをわかってもらうためのライブ

──いわゆる第2期DOESがスタートして、この1年はバンドがいろいろな面で進化を遂げた時期だったんじゃないかと思います。

ワタル でも、まだまだ全然途中の感じかな。2010年に4枚目のアルバム「MODERN AGE」を作ったあとから、4人編成でライブをやってるっていうのが一番デカイですね。テンションとかもそれまでとは全然違うし。

──その前にリリースしたシングルの「バクチ・ダンサー」あたりから、バンドサウンドが大きく変化していった印象があります。

ワタル うん、その頃から「MODERN AGE」のコンセプトが見えてきてたので。スリーピースでやれることもやりきった感覚があったし、3人であることにあまり捉われないようにして、なおかつ国内のロックにはないテイストも意識しながら「MODERN AGE」を作っていきましたね。それでキーボードやギターをバンバン入れてたら、制作途中で「これはもう、3人じゃ無理だ」ってなって。ライブで再現しようとしても軽くなっちゃうのがわかったから、サポートのギタリストにオサムちゃんを入れることにしました。彼はファズピックスっていうバンドを北九州でやってて。

──対バンとかをされていた仲なんですか?

ケーサク そうそう、距離が近かったんですよね。

ワタル 最初は「ファズピックスが活動休止してるから、声かけてみようか?」って言って。

ヤス 実際に演奏を合わせてみたら、すごくしっくりきました。

ワタル 僕らとテンションが似てて、世代も近いし、すり合わせがあまり必要ないというのかな。で、「MODERN AGE」のツアーが今年の1月から始まったんですけど、その頭から「2011年どうするか?」みたいな話はしてましたね。4人編成に慣れるためにも、自分らが何をやってるかをわかってもらうためにも、まずはライブをよりたくさんやろうと。それで合間にいい音源が作れればという思いがありました。

行ったことないところに行ってファンに会いたい

──ライブの話だと、「MODERN AGE」ツアーのようなリリースツアーとは別に、新作ありきではないツアーの「独歩行脚」をこれまでにもう3回やられていますよね。

ワタル 小さいハコでもいいから行ったことないところに行って、単純にファンに会いたい。それが目的ですね。僕らはパンクに影響を受けてるバンドだから、そういうハコの空間も好きなんです。しかし、「新境地開拓編」というタイトルで回った今年5月、6月の独歩行脚はけっこうタフでしたね。東京とかに比べると、まだまだ浸透してないのも感じたし。もっとがんばらなきゃいけないなって。そこで間違いないものを見せなきゃいけないという意味で、このツアーはすごく意義があります。

ヤス この1年半くらいで3回やってますからね(笑)。大阪なんて、今年の前半で3回行ってるし。

ケーサク かなり詰め込んだなっていう感じです(笑)。

──相当ハイペースですよね(笑)。4人でやるライブの感触はいかがですか?

ケーサク 僕はあまり違和感なかったですね。立ち位置とかはもちろん違うけど。

ヤス 隣、近っ! みたいな(笑)。でも、以前は聴こえなかった音やあるべき音がちゃんとある状態がやっぱり新鮮でしたよね。今までは全部3人でやってきたから。

──3rdアルバムの「The World's Edge」まではある種かたくななまでにスリーピースのサウンドを貫いてましたが、4人編成でやるという考えにはごく自然に辿り着いたんですか?

ヤス そうですね、わりとすんなり。「MODERN AGE」を再現するためには特に抵抗はなかったというか。4人でやってみたら、過去の曲も新しい発見があったりしましたし。

ミニアルバム「FIVE STUFF」 / 2011年7月27日発売 / Ki/oon Records

  • ミニアルバム「FIVE STUFF」初回限定盤 Amazon.co.jpへ
  • 初回限定盤[CD+DVD] / 2100円(税込) / KSCL-1812~1813 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD] / 1785円(税込) / KSCL-1814 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. イーグルマン
  2. 黒い太陽
  3. タイニー・パンク(愛を叫ぼう)
  4. 欲望
  5. トゥデイ
DVD収録曲
  1. イーグルマン(Music Clip)
  2. 地下鉄曲(LIVE at HEAVEN'S ROCK kumagaya.VJ-1)
  3. 欲望(LIVE at HEAVEN'S ROCK kumagaya.VJ-1)
  4. ダンス・イン・ザ・ムーンライト(LIVE at HEAVEN'S ROCK kumagaya.VJ-1)
LIVE INFORMATION
デビュー5周年ライブ「5th Anniversary LIVE」開催決定!

2011年9月8日(木)東京都 赤坂BLITZ
OPEN 18:15 / START 19:00

チケット一般発売:2011年8月6日(土)~

DOES(どーず)

2000年に結成された、福岡出身のスリーピースロックバンド。クラブイベント出演や音源制作を中心に、精力的な活動を展開する。数度にわたるメンバーチェンジを経て、2005年8月より現在の編成となる。2006年には活動拠点を東京に移し、初の全国ツアーを敢行。同年9月にはシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。2010年4月にリリースしたシングル「バクチ・ダンサー」は10万枚を超えるヒットを記録した。同年7月には初のベストアルバム「SINGLES」を発表。全国ツアーも精力的に行い、幅広い層から熱狂的な支持を集めている。2011年7月には初のミニアルバム「FIVE STUFF」をリリース。