ナタリー PowerPush - DOES
“第1期総決算”の意志を込めた攻撃的ベスト盤「SINGLES」を語る
シングル「バクチ・ダンサー」がオリコンウィークリーチャート初登場3位、10万枚突破のヒットを果たしたDOESが、初のベスト盤「SINGLES」をリリースする。これまでのシングル曲を発表順に並べ、インディーズ時代の名曲「ステンレス」と新曲「星を集めて」の2曲をボーナスとして収録したこのベスト盤。改めて彼らを知るには最適の1枚と言っていいだろう。そしてバンド自身にとっても、メジャーデビュー以来のキャリアに区切りをつけ、「夜明け前/チョコレート」「バクチ・ダンサー」と新曲を連発するバンドの“攻め”のモードを加速させる、大きな役割を果たすアルバムになったという。
ナタリーでは氏原ワタル(Vo,G)、赤塚ヤスシ(B)、森田ケーサク(Dr)の3人にインタビューを実施。これまでのキャリアを振り返りつつ、バンド自身の意志も込めた今回のベスト盤の狙い、そして新作を見据えたこの先の展望についても語ってもらった。
取材・文/柴那典
ベストを出して一回仕切り直したかった
──まず、このタイミングでベスト盤を出す理由を教えていただけますか?
氏原ワタル まあ、「バクチ・ダンサー」で知ってくれた人に僕らを紹介するわかりやすい作品があってもいいんじゃないかという。それと、3枚のアルバムでアレンジを排除した3ピースの音をやり切ったから、一応目標を達成したという思いもあって。次は違う展開でやりたいし、ベストを出して1回仕切り直したかった、というのもありましたね。
──リリースは最近決まったことだったんですか?
赤塚ヤスシ つい最近ですね。今年4月に「ミュージックステーション」に出演したときの打ち上げでそういう話が出たくらい(笑)。
ワタル ベスト盤を出すって聞いて、最初は「それはないんじゃないの?」って思ったけどね。どうしても「やり終えた」みたいな印象が出ちゃう恐れがあるから。でもさっき言ったように、1つの区切りとして作っておくのは悪くないかなという。
ヤスシ あくまで先に進んでいくためのベスト盤だからね。
──こうしてシングルのA面を並べてみると“表DOES”という感じがするんですよね。DOESというバンドに表と裏があるとするならば。
ワタル ああ、それはあるね(笑)。
──改めて自分たちの過去の曲を並べて聴き直してみて、感慨はありました?
ワタル 順番に聴いていくごとに、曲も演奏も良くなってる。「ああ、良くなってるな」って思った。それくらいだね(笑)。
森田ケーサク 懐かしい感じもありましたね。「ああ、このときはこうだったな」というような。
デビューするまで、ずっと狭いところにいた
──では、順を追って振り返っていただければと思います。「明日は来るのか」や「赤いサンデー」の時期はどんな感じでした? 東京に出てきて、どういう姿勢やモチベーションでこの曲を録ってました?
ワタル モチベーションも何もないですね。何もわからないようなもんでしたよ。国内のロックはまるで聴いてなかったし、シーンの状況も、メジャーがどういうところかも知らなかった。プロデューサーもいないから自分たちでやるしかないし。でも、勝手もわからないからうまくできない。そんな感じでしたね。
──デビューの時期の印象って、徒手空拳でシーンに出てきた印象がありましたね。戦略も何もなく、素手で出てきたような感じ。
ワタル そうだね。素手だった(笑)。
──今の視点から、この時期の自分たちを見るとどうですか?
ワタル それはもう、まるで違いますね。メジャーを目指すバンドは国内のライブハウスのシーンに慣れ親しんでるもんだろうけど、うちらはそんなのはゼロでしたから。デビューするまで、ずっと狭いところにいたんで。超異端でしたね。まあ、今も異端具合はあんまり変わらないけれど(笑)。
──「三月」や「修羅」はバンドが変わろうというタイミングにできた曲ですよね。この曲から「世界の果て」にかけての頃は、バンドのモードはどんな感じでした?
ワタル その頃は、ほんとにアレンジ排除が目的でしたね。3人なんで、ライブと音源が違うというのが、ちょっと怖かったんですよ。
──自分たちのサウンドを3ピースの音に削り落としていくという。それを突き詰めたことで得たものって何だと思いますか?
ワタル なんだろうなあ? ……あんまりないんじゃないかな(笑)。
ヤスシ まあ、バンドとして当たり前のことをできるようになったというかね。
CD収録曲
- 明日は来るのか (Re-Recording)
- 赤いサンデー
- 三月
- 修羅
- サブタレニアン・ベイビー・ブルース
- 曇天
- 陽はまた昇る
- 世界の果て
- 夜明け前
- バクチ・ダンサー
- 星を集めて
- ステンレス (Re-Recording)
DOES TOUR 2010 独歩行脚
~清水の初恋編~
- 2010年11月3日(水・祝)
千葉県 千葉LOOK
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年11月6日(土)
北海道 札幌BESSIE HALL
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年11月7日(日)
北海道 函館club COCOA
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年11月12日(金)
愛知県 名古屋CLUB UP SET
OPEN 18:30 / START 19:00 - 2010年11月13日(土)
大阪府 十三FANDANGO
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年11月19日(金)
東京都 Shibuya O-WEST
OPEN 18:30 / START 19:00 - 2010年11月21日(日)
神奈川県 横浜CLUB LIZARD YOKOHAMA
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年11月25日(木)
広島県 広島ナミキジャンクション
OPEN 18:30 / START 19:00 - 2010年11月26日(金)
福岡県 福岡VIVRE HALL
OPEN 18:30 / START 19:00 - 2010年11月28日(日)
香川県 高松DIME
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年12月3日(金)
新潟県 新潟CLUB JUNK BOX
OPEN 18:00 / START 18:30 - 2010年12月4日(土)
宮城県 仙台MACANA
OPEN 17:30 / START 18:00 - 2010年12月10日(金)
京都府 京都磔磔
OPEN 18:00 / START 18:30 - 2010年12月12日(日)
兵庫県 神戸太陽と虎
OPEN 17:30 / START 18:00
一般発売日:2010年8月21日(土)
VINTAGE TICKET先行予約受付:2010年7月16日(金)12:00~20日(火)23:00
DOES(どーず)
2000年に結成された、福岡出身の3ピースロックバンド。クラブイベント出演や音源制作を中心に、精力的な活動を展開する。数度にわたるメンバーチェンジを経て、2005年8月より現在の編成となる。2006年には活動拠点を東京に移し、初の全国ツアーを敢行。同年9月にはシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。その後も活発なライブ活動とリリースを展開。2010年4月にリリースしたシングル「バクチ・ダンサー」は10万枚を超えるヒットを記録し、ファン層をさらに拡大した。