今回のVAMPSは荒くれ者
kyo VAMPSのアルバムは、今日リリースなんだよね(※取材は4月26日に実施)。しかも2年ぶりとか。
HYDE はい。kyoさんたちの真似してます(笑)。スケジュール、追ってますから。
kyo D'ERLANGERの場合、いきなり決まって、パッとリリースするから追えないって(笑)。あのね、今回のVAMPSのアルバムは荒くれ者だなあって思ったよ。
HYDE へへへ(笑)。
kyo でも、やりたいこととか、いようとする場所がすごく明確なアルバムだなって思った。このアルバムを通して、いろんな枠を飛び越えていくんだろうなっていうのは感じた。「UNDERWORLD」っていうアルバムタイトル通り、ダークでヘビーな世界観だし、叫んでるし。僕はすごく好きだね。
HYDE 今回は叫びたかったんですよね。kyoさんみたいに。
kyo 僕はもうあんまり叫びたくない(笑)。今回のアルバムも歌が中心だしね。「UNDERWORLD」は今のVAMPSだからできたアルバムだっていう気がする。例えばD'ERLANGERの場合、「LAZZARO」(2007年3月リリース)っていう復活後初めてのアルバムの感じを今作ろうと思ってもあの内容にはならないだろうし、逆に当時「J'aime La Vie」のようなアルバムを作ろうと思ってもアレンジや歌詞は全然変わってたと思う。そういった意味で、今VAMPSがさらに外に向かっていこうとするうえで必要なのがこのアルバムなんだなと。ちょっとでも時期が違ってたら、生まれなかったアルバムだと思う。気持ちいいですよ。HYDEみたいに音楽シーンのど真ん中にいるヤツが、こういうヘビーなアルバムを作って、型にはまらず枠をはみ出ていこうとしてるのは。それは観てて聴いててうれしいし、「もっとやれ! もっとやれ!」って思ってる。
HYDE あざまっす!
大人セクシーなボーカルには勝てないです
kyo HYDEには歌を自由自在に操れてる印象があるんだよね。
HYDE そんなことないですよ。
kyo 僕はうまく歌おうと思っても歌えなくて、うまく歌うことは考えてない。自分のキャリアを思い返しても、都合よく生きてきたんですけど、苦手なものを克服するというよりは得意なものを伸ばしていくやり方をしてきた。今は歌ううえで気持ちを大事にするようにしていて。バンドの音に身を委ねてる。変な話、D'ERLANGERの曲はイントロでいろんな答えやドラマがあるので、そこに僕は乗っかって、音に色を付けるようにしてる。とにかくバンドの音に溶けたい。
HYDE そうなんですね。
kyo やっとそういう力が備わってきたというか。昔は違ったんだよ。若いときはもっと歌わなきゃっていうのがあったし、それが空回りしていた部分もあった。出会ったときからD'ERLANGERの3人はスペシャリストだったから。僕は彼らを追いかけてる意識が強くて、ちょっと背伸びをしていた部分があった。それがちゃんと歌わなきゃっていう意識になってたんだろうな。でも再結成して10年やってきて、バンドの音に溶けて、バンドが出した音に乗っかるのがD'ERLANGERのkyoのあり方なんじゃないかなと。だから極端なことを言えば、歌わなくてもいいと思ってる。
HYDE わかります。D'ERLANGERの初期のkyoさんは、なんか孤高で狼っぽかったんですよね。あと這い上がろうとする気持ちだったり、自分を大きく見せようとしてるというか。それがよかったんですけど、今はライオンみたいに悠然としてる。kyoさんはバンドの中で楽しんでいる感じがしますね。メンバーを追いかけるんじゃなくて、バンドの中にいることを楽しんでるのがわかる。でも僕はkyoさんと逆なんですよ。今、ちゃんと歌おうとしてる。
kyo そうなの?
HYDE 僕、歌のことはあんまり気にしてなかったんです。逆に最近のほうが意識してますね。kyoさんと同じようにそれまでは劣等感があったんです。僕は歌手というより、ただの音を出してるパフォーマーっていう意識があって。だから職人肌の、ちゃんと歌える人に憧れてた。でも今はだいぶ歌うことを楽しめるようになってきた感じですかね。
kyo ホント、HYDEは謙虚だねえ。でも、まだまだ進化の途中だよね、僕もHYDEも。レコーディングとかするとまだまだできないことのほうが多いし、悔しい思いをすることもあるので、それは少なくしていきたいなと思うけどね。
HYDE いやあ、いまだにkyoさんの大人セクシーなボーカルには勝てないですよ。
kyo クックックッ(笑)。
HYDE 20代の頃から変わってない。僕はあと10年くらいかかります、今からがんばっても。
kyo HYDEの歌も十分セクシーだよ。
HYDE うーん……どうだろう……やっぱり全然違いますよ、あの色気は出せない。あと自分というスタイルが確立されてはるので、そこは悔しいですよね。僕はスタイルがコロコロ変わるので。
kyo そう? あんまりその印象はないけど。
HYDE 時代によって変わってるんですよ。そういうところはうらやましいですね。最初から間違ってないし、ずっとカッコいい。せいぜいkyoさんに負けてないところは……英語の発音くらいですかね(笑)。
kyo だって前から準備してたもんね。事務所の下にピザ屋があった時代から勉強してたでしょ? あの頃取材で事務所に行ってスタッフに「hydeどうしたの?」って聞いたら「ちょっと英語の勉強しに……」って言われたことあったよ。
HYDE それ冗談だと思いますよ(笑)。
kyo またまた! 今になって考えると、あのときから海外を見据えてたんだなって。それを考えると恐ろしいですよ。それこそ、サックスだって吹けるようになって。自分がやりたいと思ったことをステージで表現するために、ちゃんとやってきてるんだもん。まずそれは俺は勝てない。俺、自分の苦手なことはやろうとしないから。
HYDE 僕もホントダメですよ。やらざるを得なくてやってる部分もあるし。
kyo そんなことないでしょう。僕、ファルセット出せないですもん。今回初めてレコーディングでやったんですけど、タバコやめて数年経ったからちょっとは出るかなと思ってギリギリ出た感じ。HYDEはそういう声の遊びでメロディを紡いでいくでしょ? それはできない。僕の歌い方はどっちかと言うと豪速球ですから。
HYDE kyoさんの歌は、ライオンみたいですよね。
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僕らはオールドスクール
- D'ERLANGER「J'aime La Vie」
- 2017年5月3日発売 / Warner Music Japan
-
初回限定盤 [CD+DVD]
5000円 / WPZL-31272~3 -
通常盤 [CD]
3240円 / WPCL-12535
- CD収録曲
-
- Kilmister=Old NO.7
- Harlem Queen Complex
- Harlem Queen Romance
- LOVE is GHOST
- バライロノセカイ-Le monde de la rose-
- Je t'aime
- Vanilla
- Mona Lisa
- Everlasting Rose
- 沈む
- Loveanymore -J'aime La Vie version- (※通常盤のみ収録)
- 初回限定盤DVD収録内容
-
【after the elapse of 10years...History of 2007~2016】
- dummy blue(2007.12.24 SHIBUYA-AX)
- Sensual Dance(2008.12.24 SHIBUYA-AX)
- Angelic Poetry(2009.12.24 SHIBUYA-AX)
- ALONE(2010.12.24 SHIBUYA-AX)
- Singe et Insecte(2011.12.24 SHIBUYA-AX)
- MARIA(2012.12.24 SHIBUYA-AX)
- Beast in Me(2013.12.24 SHIBUYA-AX)
- Dance naked,
Under the moonlight.(2014.12.24 CLUB CITTA') - CRAZY4YOU(2015.12.24 TSUTAYA O-EAST)
- LA VIE EN ROSE(2016.12.24 TSUTAYA O-EAST)
【PHOTO SHOOTING 2017】
D'ERLANGER最新フォト・セッション映像
- VAMPS「UNDERWORLD」
- 2017年4月26日発売 / Virgin Music
-
初回限定盤A
[SHM-CD+Blu-ray Disc]
5400円 / UICV-9236 -
初回限定盤B
[SHM-CD+DVD]
4320円 / UICV-9237 -
初回限定盤C
[SHM-CD+Blu-ray+DVD+スカジャン]
18360円 / UICV-9238 -
通常盤 [CD]
3240円 / UICV-1082
- CD収録曲
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- UNDERWORLD
- CALLING
- BREAK FREE feat. KAMIKAZE BOY of MAN WITH A MISSION
- DON'T HOLD BACK
- BLEED FOR ME
- IN THIS HELL
- INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White
- RISE OR DIE feat. Richard Z.Kruspe of Emigrate / Rammstein
- SIN IN JUSTICE feat. APOCALYPTICA
- B.Y.O.B. (BRING YOUR OWN BLOOD)
- RISE UP
- 初回限定盤A / 初回限定盤C Blu-ray収録内容
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- 2016年9月17日 ZEPP TOKYO公演ライブ映像
- 初回限定盤B / 初回限定盤C DVD収録内容
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- CALLING ミュージックビデオ
- CALLING ミュージックビデオ メイキング
- INSIDE OF ME ミュージックビデオ
- RISE OR DIE リリックビデオ
- SIN IN JUSTICE リリックビデオ
- VAMPS LIVE 2016 ツアードキュメンタリー
- D'ERLANGER(デランジェ)
- 1983年に結成。メンバーチェンジを経てkyo(Vo)、CIPHER(G)、SEELA(B)、Tetsu(Dr)という編成となり、1989年にデビューアルバム「LA VIE EN ROSE」をリリースする。1990年1月にシングル「DARLIN'」でメジャーデビューを果たすも同年末に解散。それぞれソロ活動を行っていたが、2007年に解散時のメンバーが集まり再始動する。同年3月にベストアルバムとオリジナルアルバム「LAZZARO」を発表し、2008年4月にはキャリア初となる日本武道館公演を開催する。以降もライブとリリースを重ね、2015年4月には初の海外レコーディング作品となるアルバム「Spectacular Nite -狂おしい夜について-」を発表した。2017年4月の再結成10周年記念ライブを東京・チームスマイル・豊洲PITにて実施。5月に2年ぶりとなるオリジナルアルバム「J'aime La Vie」を発表。
- VAMPS(バンプス)
- HYDE(Vo / L'Arc-en-Ciel)とK.A.Z(G / OBLIVION DUST)が2008年に結成したロックユニット。全国のZeppにて連続公演を行う“籠城型ツアー”をはじめ、アリーナ公演、夏季の野外ライブ、ハロウィンイベントなど、多彩なスタイルのライブを実施。海外でも精力的にライブを行っている。2013年にユニバーサル・ミュージックに移籍し、9月に全曲英語詞によるベストアルバム「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」を世界各国で発表。同月末よりヨーロッパツアーを開催した。2014年にはイギリスの野外フェス「Download Festival 2014」に初出演を果たす。2015年2月には東京・日本武道館で企画ライブイベント「VAMPARK FEST」を行い、SIXX:A.M.、sads、[Alexandros]など国内外のアーティストと競演する。同年11月にApocalypticaとのコラボシングル「SIN IN JUSTICE」を発表したことを機に、海外アーティストやプロデューサーとのコラボレーションを展開。2017年4月に4作目となるオリジナルアルバム「UNDERWORLD」をリリースした。