そうだ、バンドってこうだよな
HYDE あの……今回のアルバムに関して、何が一番驚いたかってアーティスト写真ですよ。よくやりましたね、これ!
kyo 27年前のアー写と同じ構図です(笑)(参照:D'ERLANGER新作に「Loveanymore」収録、新アー写は27年前と同じ構図)。
HYDE 気合いを感じましたね。「このアルバムは行くぜ!」みたいな。
kyo ふふふふ(笑)。
HYDE タイトルも含めてD'ERLANGERらしいフランス語がたくさん登場するし、(代表曲の)「LA VIE EN ROSE」を意識したのかなっていうような曲もあるし。ビジュアルを見た瞬間に、意志の強いアルバムができたんだろうなって感じました。音も今までのD'ERLANGERらしさがありながら、新しさがある。より歌モノを追求してるというか。kyoさんのセクシーな部分がぐっと出たアルバムだなって思いました。さっき曲はCIPHERさんが作ってくるっておっしゃってましたけど、どのレベルまで作ってくるんですか?
kyo いつも弾き語りだね。
HYDE ああ、なるほど。Tetsu(Dr)さんのドラムパターンが、いつもすごい独特なんですよね。普通のドラマーならこうは叩かないなっていうのがある。8ビートでいいところを、Tetsuさんのリズムってすごく変則的で。弾き語りだからアレンジの自由度が増すのかもしれない。そこでグッとD'ERLANGERらしさが出てくるんだろうな。
kyo そうかもしれない。
HYDE 僕、メンバーでもないのに唯一D'ERLANGERで歌ったことがある人間なんですけど……。
kyo あ、そうだね!(参照:ムドにシック!PAUL×kyo×HYDE!強烈コラボ続々の「JACK IN THE BOX」)
HYDE kyoさんに呼ばれて行って、てっきり一緒に歌うんだ、歌い分けがあるんだと思ってたら「僕の代わりに歌ってよ」って言われて。「えー! それはないんじゃないですか? (ファンの)ブーイングが起きますよ」って思ったんですけど、kyoさんに「D'ERLANGERを楽しんで」って言われて。それで「こんな機会めったにないな」とスイッチを切り替えて、ちっちゃくなるとカッコ悪いから、kyoさんに負けない気持ちで臨んだんです。そのときにD'ERLANGERの独特のグルーヴの中に入って歌って……あれはめちゃめちゃ新鮮で感動しました。こんな“有機物”の中でkyoさんはD'ERLANGERをやってはるんやなって。とにかくバンドらしいですよね。
kyo それはうれしい言葉だね。
HYDE ライブでもメンバー1人ひとりの化学反応があって、音が作り上げられていく。「そうだバンドってこうだよな」っていうのを改めて思いました。このアルバムもバンド感が出ていて、アイデアを出し合って完成させたんだろうなというのを感じました。
kyo まさにそうで、D'ERLANGERの場合、できあがるまでどうなるかわからない。いい意味で緊張感が生まれるんだよね。あと今回のアルバムはHYDEが言ってくれたように特に思い入れが強くて。再結成10周年っていう節目もあってね。そもそもD'ERLANGERはデビューして1年も経たずに解散したバンドだったのが、再結成して10年続いたわけだから。
HYDE え、そんなに短かったんでしたっけ?
kyo そうだよ(笑)。
HYDE そのわりには伝説作りましたよね。
kyo そお?(笑) しかも同じメンバーで10年続けてきたというのは、各メンバーのキャリアの中でも初めてのことなので、すごく大きな出来事だったんだよ。
HYDE ええ。
kyo だからHYDEが言ってくれたように、タイトルや歌詞には意識して昔の歌詞をイメージさせる言葉を使ったり、そういう遊びも取り入れて。そこにそれぞれの気持ちがギュッと入って音ができて……だから最後に歌を録るのはけっこう大変だった(笑)。いい意味で気が入ってるんでね。でもこうやって完成して、HYDEに自分たちが伝えたかった思いが伝わったのならすごくうれしい。
この4人にとって、バンドというのはD'ERLANGERなんだな
HYDE D'ERLANGERって、デビューから1年で“離婚”してるわけですよね。それが“再婚”して10年一緒にいる。「やっぱりこいつらだな」っていう何かがないと、10年は続かないと思うんですけど……。
kyo そうだね。バンドの定義って当然バンドによって違うけど、今僕らがD'ERLANGERをやってて感じるのは「この4人にとって、バンドというのはD'ERLANGERなんだな」「自分たちがD'ERLANGERのメンバーでいることはすごく大切なことなんだな」ってこと。その思いがアルバムにもつながった。
HYDE 確かにバンドってそれぞれですよね……D'ERLANGERのような音楽の作り方をしているバンドは、お互いのことや自分たちの置かれている状況を受け入れたときに見えてくるものが多いと思うんですよ。やりたいことは個々に違うわけだし、それぞれ頭を張れる人たちだから、本来はすごい我が強いと思うんです。でもぶつかりながらもお互い受け入れて、それを繰り返していく中で、「あのときはああだったけど、いいところいっぱいあるし」って思えたときに、どんどんバンドの大事さがわかってくると思うんです。それを支えてくれるのがファンだったりするし。L'Arc-en-Cielも同じなんですよね。受け入れられないことも山ほどあったけど、自分たちのことをちゃんと見守ってくれるファンがいて、そのおかげで続けてこれた。「なんだかんだでこのメンバーしかいないんだな」って思えるようになるには、続けないとわからないですね。
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今回のVAMPSは荒くれ者
- D'ERLANGER「J'aime La Vie」
- 2017年5月3日発売 / Warner Music Japan
-
初回限定盤 [CD+DVD]
5000円 / WPZL-31272~3 -
通常盤 [CD]
3240円 / WPCL-12535
- CD収録曲
-
- Kilmister=Old NO.7
- Harlem Queen Complex
- Harlem Queen Romance
- LOVE is GHOST
- バライロノセカイ-Le monde de la rose-
- Je t'aime
- Vanilla
- Mona Lisa
- Everlasting Rose
- 沈む
- Loveanymore -J'aime La Vie version- (※通常盤のみ収録)
- 初回限定盤DVD収録内容
-
【after the elapse of 10years...History of 2007~2016】
- dummy blue(2007.12.24 SHIBUYA-AX)
- Sensual Dance(2008.12.24 SHIBUYA-AX)
- Angelic Poetry(2009.12.24 SHIBUYA-AX)
- ALONE(2010.12.24 SHIBUYA-AX)
- Singe et Insecte(2011.12.24 SHIBUYA-AX)
- MARIA(2012.12.24 SHIBUYA-AX)
- Beast in Me(2013.12.24 SHIBUYA-AX)
- Dance naked,
Under the moonlight.(2014.12.24 CLUB CITTA') - CRAZY4YOU(2015.12.24 TSUTAYA O-EAST)
- LA VIE EN ROSE(2016.12.24 TSUTAYA O-EAST)
【PHOTO SHOOTING 2017】
D'ERLANGER最新フォト・セッション映像
- VAMPS「UNDERWORLD」
- 2017年4月26日発売 / Virgin Music
-
初回限定盤A
[SHM-CD+Blu-ray Disc]
5400円 / UICV-9236 -
初回限定盤B
[SHM-CD+DVD]
4320円 / UICV-9237 -
初回限定盤C
[SHM-CD+Blu-ray+DVD+スカジャン]
18360円 / UICV-9238 -
通常盤 [CD]
3240円 / UICV-1082
- CD収録曲
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- UNDERWORLD
- CALLING
- BREAK FREE feat. KAMIKAZE BOY of MAN WITH A MISSION
- DON'T HOLD BACK
- BLEED FOR ME
- IN THIS HELL
- INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White
- RISE OR DIE feat. Richard Z.Kruspe of Emigrate / Rammstein
- SIN IN JUSTICE feat. APOCALYPTICA
- B.Y.O.B. (BRING YOUR OWN BLOOD)
- RISE UP
- 初回限定盤A / 初回限定盤C Blu-ray収録内容
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- 2016年9月17日 ZEPP TOKYO公演ライブ映像
- 初回限定盤B / 初回限定盤C DVD収録内容
-
- CALLING ミュージックビデオ
- CALLING ミュージックビデオ メイキング
- INSIDE OF ME ミュージックビデオ
- RISE OR DIE リリックビデオ
- SIN IN JUSTICE リリックビデオ
- VAMPS LIVE 2016 ツアードキュメンタリー
- D'ERLANGER(デランジェ)
- 1983年に結成。メンバーチェンジを経てkyo(Vo)、CIPHER(G)、SEELA(B)、Tetsu(Dr)という編成となり、1989年にデビューアルバム「LA VIE EN ROSE」をリリースする。1990年1月にシングル「DARLIN'」でメジャーデビューを果たすも同年末に解散。それぞれソロ活動を行っていたが、2007年に解散時のメンバーが集まり再始動する。同年3月にベストアルバムとオリジナルアルバム「LAZZARO」を発表し、2008年4月にはキャリア初となる日本武道館公演を開催する。以降もライブとリリースを重ね、2015年4月には初の海外レコーディング作品となるアルバム「Spectacular Nite -狂おしい夜について-」を発表した。2017年4月の再結成10周年記念ライブを東京・チームスマイル・豊洲PITにて実施。5月に2年ぶりとなるオリジナルアルバム「J'aime La Vie」を発表。
- VAMPS(バンプス)
- HYDE(Vo / L'Arc-en-Ciel)とK.A.Z(G / OBLIVION DUST)が2008年に結成したロックユニット。全国のZeppにて連続公演を行う“籠城型ツアー”をはじめ、アリーナ公演、夏季の野外ライブ、ハロウィンイベントなど、多彩なスタイルのライブを実施。海外でも精力的にライブを行っている。2013年にユニバーサル・ミュージックに移籍し、9月に全曲英語詞によるベストアルバム「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」を世界各国で発表。同月末よりヨーロッパツアーを開催した。2014年にはイギリスの野外フェス「Download Festival 2014」に初出演を果たす。2015年2月には東京・日本武道館で企画ライブイベント「VAMPARK FEST」を行い、SIXX:A.M.、sads、[Alexandros]など国内外のアーティストと競演する。同年11月にApocalypticaとのコラボシングル「SIN IN JUSTICE」を発表したことを機に、海外アーティストやプロデューサーとのコラボレーションを展開。2017年4月に4作目となるオリジナルアルバム「UNDERWORLD」をリリースした。