音楽ナタリー Power Push - でんぱ組.inc

ゴーゴーでんぱ!新作アルバム15曲の振れ幅

歌割りのシートを見ただけで脳内再生できる

──レコーディングで特に気を配ったところがあれば教えてください。

相沢 いつもそうなんですけど、6人それぞれの声の違いとかニュアンスの違いとかは、やっぱりすごく意識しますね。ほかの誰かになっちゃわないようにって思う。「相沢さんだったらこう歌うだろう」みたいなことをめっちゃ考えたり。

──歌における自分の役割みたいなものはけっこう意識してるんですか?

夢眠 あると思う。

藤咲 元気すぎるとえいたそに似るから……。

成瀬 それ言われるよね、たまに(笑)。

藤咲 今回の「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」も「そーっと誰かを」のところがどっちかわからないって言われたりして。

夢眠ねむ

夢眠 私もえいたそと自分が区別つかないところが前回のアルバムで1カ所あったから「もうちょっと夢眠ねむみたいにしなきゃ」って思ったり。

成瀬 微調整してちょっと離していったもんね。

夢眠 でもこの6人になってからだいぶバラつきが出ていい感じになったというか。もがちゃんが淡々と歌ってくれて、ピンキーがワー!って抜ける感じで、みりん節があって、梨紗がビシッと歌って、えいたそが安定感ある中で、私がモヘーっと歌うっていう。

──でんぱ組.incは、全員の歌の特徴をそうやって言葉で言えてしまうのがすごいですよね。

成瀬 確かに!

相沢 最初から歌割りが決まってて、1人ずつバラバラでレコーディングするんですけど、歌割りのシートを見ただけでもう脳内再生できるんですよ。

夢眠 できるできる。

相沢 ここがえいたそ、そのあとねむで、もがちゃんが来てこうなるね、みたいな。

夢眠 だからねむ→もがって続いてるパートがあったら、ここはちょっと落としたいんだなっていう意図を汲んで2人で淡々とやったりとか。えいたそ→ねむって来たら、ここはアゲていきたいってことだなとか。そういうのをそれぞれ歌割りから読み取ってるんです。

──メンバー同士で相談したりもするんですか?

夢眠 相談はしないですね。しなくてもわかっちゃう。ここのもがちゃん絶対いいだろうなとか、ここのえいたそ泣けるなとか、脳内再生って梨紗が言ってましたけど、マジでそのまんま聞こえてくる。

相沢 しかも6人の声が合わさって曲になると想像してた以上のパワーが出るから、できあがってみて「今回はこう来たか!」みたいなところもたくさんあるしね。

わかり合うことをあきらめない

──ここからはグループの現在について聞かせてください。この6人になってから4年と4カ月が経ちましたが、当時と今とで一番変わったのはどこですか?

古川 どこだろう? 私はずっとアイドルになりたいと思ってて、テレビに出るような人に憧れてたんですけど、自分が実際テレビとか出てみても以前とそんなに変わらないんですよね。もっと芸能人っぽくなってるのかなと思ってたんですけど……。

一同 あははは(笑)。

古川 今も私はライブが好きだし、やりたいことはずっと変わってないですね。

──メンバーの関係性はどうですか?

夢眠 この6人になるとき、前のメンバーの跡部みぅが「もっとみんなでごはんとか行きなよ」って言って辞めてったんですよ(笑)。あと昔はごはん食べてるときにそれぞれが携帯めっちゃいじってたら、みぅが「ダメだよ、人とごはん食べてるときに携帯いじっちゃ」って。みんなで「えっ、マジで?」「なんでなんで?」みたいな(笑)。

──みぅさん正しいですね(笑)。

夢眠 気が付かずにそれぞれゲームやってたんですよ。だからみぅの遺言じゃないですけど、一番まともだった人間の言うこと聞くかみたいな感じでそれぞれの情報を共有したりとかし始めて、だんだんまとまっていったというか。

──どこかのタイミングで「みんなで目標に向かってがんばろうよ」みたいな話もしたんですか?

成瀬瑛美

成瀬 それはしてないです(笑)。

相沢 でもなんか前の5人のときは曲もないからライブもないし、CDの発売もないし、とにかく活動があんまりなかったから全員で何かを目指すこともできなくて。トイズファクトリーの皆さんに見つけてもらって地上に出させてもらったから、それを少しでもお返ししなきゃいけないっていう気持ちでやってたら自然と前に進んでいったんですよね。

夢眠 それはあるよね。やっぱりメンバーのことは仲間だと思ってるから。まだいろいろヘタだけど、人のことを考えるっていうことはできるようになった気がする。

藤咲 でんぱ組.incで今こういうふうに活動してなかったら、たぶん私はホントに対人恐怖症レベルで人と関わりたくない状態だったと思うんで。

夢眠 いつもあきらめと隣合わせでやってきてたから、わかり合うことをあきらめないっていうのは私にとってはスーパーレアケースかもしれない。

相沢 閉じてたシャッターを心機一転「もう1回開けるか」って。それが始まりだったなって自分の中では思ってます。

ニューアルバム「GOGO DEMPA」 / 2016年4月27日発売 / TOY'S FACTORY / MEME TOKYO
初回限定盤 [CD+DVD] / 3900円 / TFCC-86553
通常盤 [CD] / 3000円 / TFCC-86554
アナログ盤 / 4320円 / TFJC-38026
カセットテープ / 2800円 / TFTC-58025
CD・アナログ・カセット収録曲(全仕様共通)
  1. GOGO DEMPA

    [作・編曲:浅野尚志]

  2. 破!to the Future

    [作詞:前山田健一 / 作・編曲:Tom-H@ck]

  3. ファンファーレは僕らのために

    [作詞・作曲・編曲:浅野尚志]

  4. 惑星★聖歌 ~Planet Anthem~

    [作詞:ジェーン・スー / 作・編曲:三好啓太]

  5. STAR☆ットしちゃうぜ春だしね

    [作詞:畑亜貴 / 作・編曲:玉屋2060%]

  6. アキハバライフ♪

    [作詞・作曲・編曲:田村歩美]

  7. おつかれサマー!

    [作詞・作曲:北川悠仁、前山田健一 / 編曲:Tom-H@ck]

  8. 永久ゾンビーナ

    [作詞:森若香織 / 作曲:Taiyo Doki(LILI LIMIT)/ 編曲:CHRYSANTHEMUM BRIDGE]

  9. アンサンブルは手のひらに

    [作詞・作曲:Cozy(Laika Came Back)/ 編曲:村田陽一]

  10. きっと、きっとね。

    [作詞:NOBE / 作曲:中村瑛彦 / 編曲:飛内将大]

  11. Dem Dem X'mas

    [作詞・作曲・編曲:浅野尚志]

  12. ムなさわぎのヒみつ?!

    [作詞:NOBE / 作・編曲:三好啓太]

  13. キボウノウタ

    [作詞:NOBE、青山亮 / 作曲:青山亮 / 編曲:釣俊輔]

  14. ユメ射す明日へ

    [作詞・作曲・編曲:浅野尚志]

  15. あした地球がこなごなになっても

    [作詞:浅野いにお / 作曲:釣俊輔 / 編曲:Tom-H@ck]

初回限定盤DVD収録内容

Music Video

  • 超絶ウルトラ☆Happy Days
  • ギダギダdaズバズバda!!
  • おつかれサマー!
  • ムなさわぎのヒみつ?!
  • あした地球がこなごなになっても
  • アキハバライフ♪
  • STAR☆ットしちゃうぜ春だしね

※メンバーによる副音声コメンタリー付き

LIVE MOVIE

  1. おつかれサマー!
  2. でんぱれーどJAPAN

    (2015.5.31 でんぱ組.inc 開港祭スペシャルLIVE)

  3. NEO JAPONISM
  4. サクラあっぱれーしょん

    (2015.5.1 でんぱ組.inc WWD 大冒険TOUR2015 ~乙女の世界はまだ不思議なことばかり~)

  5. おつかれサマー!
  6. バリ3共和国

    (2015.8.9 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015)

  7. FD2 ~レゾンデートル大冒険~

    (2015.8.20 でんぱ組.inc とハローキティが贈る夏の唯一無比なスペシャルライブ ~ムなさわぎのヒみつ?!~)

  8. Dem Dem X'mas
  9. ORANGE RIUM

    (2015.12.22 クリスマスコンサート2015)

でんぱ組.inc(デンパグミインク)

古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音からなる6人組ユニット。東京・秋葉原のライブバー「ディアステージ」をホームグラウンドに2008年から活動を開始する。2011年12月に1stアルバム「ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!」をリリースした2013年1月にはいじめなど自己の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」でオリコン週間ランキング10位を獲得し、同年12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」を発表。2014年5月に初の東京・日本武道館単独ライブ、2015年2月に東京・国立代々木競技場第一体育館2DAYS公演をそれぞれ成功に収めた。2015年2月に3rdアルバム「WWDD」、2016年4月に4thアルバム「GOGO DEMPA」をリリース。“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からの支持も厚く、2015年夏には初のワールドツアーも成功させた。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどの趣味に精通したコアなオタクとしても知られている。