ずーっと海に入ってばかりじゃ疲れちゃう

──ではここからはスカアレンジのナンバー以外の新曲についても聞きたいのですが、「エピソードをつくりだせ！」は夏に向かうワクワク感が表現されていてテンション上がりますね。

この曲は最初に田川（伸治 / G）が持ってきたときから「いいな」と思っていました。レゲエテイストで始まったと思ったらサビで急にロック調になって、その独創的な感じも面白かったし。彼が“変化球”大好き人間だとは知ってはいたけど、それでもこの曲のアレンジにはビックリしましたね（笑）。

──聴いていて、先の読めない面白さがあるというか。

うん。彼、そういうの大好きで。で、そんなメロディからアクション映画にちょっとファンタジーが入ったような画が浮かんだので、そんなイメージを持ちながら歌詞を書いていきました。

──ちなみに池森さんは、レゲエは聴かれるんですか？

大好きですよ。こんなにしっかりとレゲエの色を出した曲は初めてだったんだけど、夏の作品に関してはね、やっぱり思い切ってやりたいんで。

──そうだったんですね。同じく振り切ったというと、ノスタルジックな雰囲気を感じる「アマルフィ」も素敵です。

これはブラスセクションががっつり前に出た、AOR的な曲ですね。作品の中にこういうミディアムな曲があると落ち着けるかなと思ったんです。ずーっと海に入ってばかりじゃ疲れちゃうし、ちょうどアルバムの中盤だから、ちょっとお口直しをしてもらうというか。イタリアのアマルフィの風景が浮かぶような、大人なラブソングになりましたね。

スカと出会っていろんな可能性が見えた

──改めて、スカを軸としたアルバムを作ってみての感想を聞かせてください。

スカは深いですね。それに、無条件にアガるというか、夢中にさせる何かがあるなと思いました。今後スカのグループをプロデュースしたいとか、スカのイベントをやってみたいなとか、そのくらい興味が湧きましたね。今までそこまで深く聴いてこなかっただけに、魅力を知って、これはすごく楽しめるなあと。いろんな可能性が見えました。僕は夏が好きだし、性に合ってるんだろうな。

──スカとDEENの曲の相性はどう感じました？

すごくいい！ でもそう思えるのは、自分たちの音楽が成長してきたからなんだろうなとも思ってて。たぶん、多くの人は「DEENがスカ？」って、クエスチョンマークが浮かぶと思うんですよ。でもライブにずっと来てくれてたり、僕らがいろんな音楽に挑戦してきたのを知ってる人たちは「今回はスカなんだ。また楽しませてくれるのね」って思ってくれてる……と僕らは信じているので（笑）。DEENとスカとリゾートっていう、新たなコラボレーションを楽しんでほしいですね。

──では最後に、6月11日から始まるリゾートツアーへの思いをお聞かせいただいたら。

今までのリゾートツアーって、弦楽器のカルテットをバックに僕らも座ってパフォーマンスしていて、お客さんもアンコールまでは立たないって感じだったんです。ホールツアーよりはコンパクトな会場で、近い距離でリゾート気分を味わってほしいっていうコンセプトがあったんで。ただ今回持っていくアルバムはスカなんでね。座って見てるイメージがどうしても湧かない（笑）。

──確かにそうですよね。

でもオールフラットの会場だと立つと見えない人が出てくるし、ちょっとそこが難しいなっていう。まあでもね、みんな座ってても周りの迷惑にならない程度に体を揺らしてもらって。シーンによって立ったり座ったりっていうライブになるんじゃないかな。

──初日が楽しみですね。

想像がつかないっていうのはいいことですね。キャリアを重ねてくると「こんな感じかな？」って、どうしても先を見据えてしまう部分があるから。とにかく俺たちはスカのビートに乗って、しっかりとしたパフォーマンスを見せるつもりだし、バンドにはSKAFF-LINKSのメンバーも加わるので、今回はだいぶ迫力のあるステージになると思いますよ。

ツアー情報

DEEN Summer Resort Live ～5th wave～

2016年6月11日（土）神奈川県 大さん橋ホール

2016年6月12日（日）神奈川県 大さん橋ホール

2016年6月16日（木）北海道 Zepp Sapporo

2016年6月18日（土）北海道 釧路市生涯学習センター

2016年6月25日（土）長野県 軽井沢大賀ホール

2016年6月26日（日）長野県 軽井沢大賀ホール

2016年7月1日（金）兵庫県 神戸新聞 松方ホール

2016年7月2日（土）兵庫県 神戸新聞 松方ホール

2016年7月9日（土）宮城県 七ヶ浜国際村