ナタリー PowerPush - Dancing Dolls

大阪発女子高生5人組「LOVEマシーン」大胆サンプリング

大阪出身の女子高生5人組ダンス&ボーカルユニット、Dancing Dollsが通算3枚目のシングル「DD JUMP」を7月24日にリリースする。彼女たちは昨年9月のデビュー以来、岩崎良美「タッチ」をサンプリングした「タッチ-A.S.A.P.-」、ORANGE RANGE「上海ハニー」を女性視点でリメイクした「上海ダーリン」、テレビドラマ「踊る大捜査線」のメインテーマ「RHYTHM AND POLICE」をサンプリングした「湾岸ワンダーダーリン」など、毎回J-POPの“大ネタ”を楽曲に取り入れることで反響を呼んできた。

今回発表されるシングルの表題曲はモーニング娘。「LOVEマシーン」をサンプリングしたエレクトロダンスナンバー。ナタリー初登場となる今回のインタビューではグループの成り立ちから5人の個性に迫ったほか、3rdシングルの制作秘話などをたっぷり聞いた。

取材・文 / 西廣智一 撮影 / 佐藤類

結成のきっかけは「ダンス作品、作ってみいひん?」

──皆さん大阪出身で、幼なじみとのことですが。

写真左からAsuka(Dance, Cho)、Misaki(Vo, Rap, Dance, Choreograph)、Hono(Vo, Dance)、Mii(Vo, Dance)、Kyoka(Dance, Cho)。

Mii(Vo, Dance) 通っていたダンススクールで知り合ったんですけど、MiiとMisakiはもう13、4年の付き合いなんです。

Misaki(Vo, Rap, Dance, Choreograph) この5人はもともとごはんに行ったりとか遊びに行くような仲で「一緒にダンスをやろう」っていう感じではなかったんですけど、あるときに「ダンス作品、作ってみいひん?」っていう話を5人でして。そこで1回やったときにそれぞれしっくりくる部分があって、それがきっかけでこの5人でのチームを本格的に始めました。

──最初はほかのアーティストさんの曲を自分たちオリジナルの振り付けで踊って、ネットの動画サイトに投稿してたんですよね。その頃はオリジナル曲でやってみようとは思わなかった?

Mii そのときはあんまり考えてなかったです。歌って踊れたら、どんな曲でもいいと思ってたんで。自分たちが歌って踊りたい曲のカラオケを探してきて、その曲を自分たちでカバーするのが楽しかったんです。

──そこから、地元の城天でパフォーマンスをするようになって。

Misaki はい。当時の城天はバンドの方が多くて、女性のパフォーマーは少なかったんですよ。しかも私たちみたいに楽器を持たずに歌って踊ることは、その頃の城天ではすごく珍しくて。

──お客さんの反応はどうでした?

Misaki 最初はお客さんも少なくて。

Mii ていうか、身内しかいない感じだったんですよ。

Misaki そう。親とかお友達とか、本当に数えられるぐらいの人数しかいなくて。次の週からビラを用意して、座ってる人に配ったりとか、何時からパフォーマンスするので観にきてくださいって告知したりして、そこからだんだん集まってくるようになったんです。あと、動画を観てくださった方もどんどん来てくれるようになりました。

──城天でのパフォーマンスはどれくらい続けたんですか?

Misaki 1年ぐらいやってました。雨で中止になりそうな日とか、音が急に止まっちゃったりとか、そういうハプニングもストリートならではだったんで、私たち的にもすごくいい経験になったなって思ってます。

まず曲から私たちの存在を知ってもらうのが狙い

──そして2012年9月にシングル「タッチ -A.S.A.P.- / 上海ダーリン」でメジャーデビュー。現在までに2枚のシングルをリリースしていますが、どれもかなり個性的な曲で。

Hono(Vo, Dance) ふふふ(笑)。

Mii そうですね(笑)。1枚目の「タッチ -A.S.A.P.- / 上海ダーリン」も2枚目の「湾岸ワンダーダーリン / ラズベリーラブ」も、既存の有名な曲をサンプリングしていて、どれもインパクトがありますよね。Dancing Dollsはまだそんなに世間に知られてないし、自分たちの存在を皆さんに知っていただきたいんです。だから皆さんがよく知ってる曲を私たち流にアレンジして世に発信して、まず曲から入ってもらって「こんな5人組が歌ってるんや」って私たちの存在を知ってもらうのが狙いでした。

Misaki(Vo, Rap, Dance, Choreograph)

Misaki そのぶん勇気も必要で。「この曲を出すにあたって賛否両論あるんじゃないか」とか「どこまで原曲の通りにやるのか」とか。でもそのぶんみんなで話し合いをして、練習も重ねたんで、1曲1曲にメンバーみんなの思いがちゃんと詰まってるんじゃないかなと思います。

──作詞もメンバー5人でしてるんですよね。それまでに作詞の経験はあったんですか?

Mii なかったです。ダンドル(Dancing Dolls)の曲を自分たちで作詞するときは、大まかなテーマだけ決めてそれぞれがワード……例えば胸キュンするような歌だったら、胸キュンワードをそれぞれがたくさん集めてきて、5人一斉に提出して「あっ、これいいやん!」みたいに話しながらまとめてます。

──それまでのカバー曲をオリジナルの振り付けでパフォーマンスしてたときと、オリジナル曲でパフォーマンスするようになってからとでは、どういうところが変わりましたか?

Mii 自分たちが作詞したっていうのも大きいんですけど、やっぱり自分たちのオリジナル曲はダンドルにしかできないなって。今までだったらいろんなアーティストさんの曲を借りて、動画に撮って発信してきたけど、自分たちの言葉を発信することに対して責任感を持つようになりました。やっぱり自分たちの持ち曲に対する思いは、ほかのものより格段に上ですね。

ニューシングル「DD JUMP」 / 2013年7月24日発売 / Sony Music Records
初回限定盤 [CD+DVD] / 1500円 / SRCL-8312~3
通常盤 [CD] / 1200円 / SRCL-8314
CD収録曲
  1. DD JUMP
  2. Sunshine
  3. ONEWAY LOVE
  4. フレンズ
初回限定盤DVD収録内容
  1. DD JUMP -Music Video-
  2. DD ガールズトーク
Dancing Dolls(だんしんぐどーるず)

Dancing Dolls

平均年齢17歳、大阪出身の幼なじみ同士で結成された本格派ダンス&ボーカルユニット。メンバーはHono(Vo, Dance)、Mii(Vo, Dance)、Misaki(Vo, Rap, Dance, Choreograph)、Asuka(Dance, Cho)、Kyoka(Dance, Cho)の5人。AsukaとKyokaは双子で、Asukaが姉。動画投稿サイトにアップした“踊ってみた”動画で注目を集め、地元・大阪城公園でストリートライブを定期的に行う。デビュー前に動画投稿サイトの総再生回数は1000万回を突破し、ネットを中心に話題となる。2012年9月にシングル「タッチ -A.S.A.P.- / 上海ダーリン」でメジャーデビュー。メンバー自身が考案する個性的な振り付けと、圧倒的なボーカル&パフォーマンスで観る者を圧倒し続けている。2013年7月に3rdシングル「DD JUMP」をリリース。