「これは想像を超えた!」と言わしめたカップリング
──表題曲もそうですが、カップリングの「ラビットファンタジーパレード」も聴きどころ満載の1曲ですね。展開に起伏があって、アレンジも凝っていて。
風弥 この曲は最初はここまで壮大じゃなくて、普通のバンドサウンドの曲だったんですよ。でも選曲の段階で「パレードみたい」ってKenさんがキーワードを出してくださって。DaizyStripperの「decade」という曲の歌詞で、これまでのバンドの生き様をパレードで例えたんです。それを受けて、「ラビットファンタジーパレード」は「これからのデイジーをパレードに例えて表現しよう」っていうところからアレンジをスタートさせたんです。オーケストレーションを作って、ファンタジックな世界だったり、デイジーのドラマみたいなものを描きたいと思って。例えば人生の全部が入っているような、カッコよくて面白くて怖くて寂しくてっていう、いろんな要素を入れたかったんです。アレンジを聴かせたらKenさんもすごいビックリして、「これは想像を超えた!」って言ってくださって。全力投球した曲です。
──ライブで再現するのは大変そうですね。
風弥 大変ですよ(笑)。俺、レコーディングでドラム以外にもマーチングバンドの小太鼓とか大太鼓とかシンバルとか、1人鼓笛隊をやってるんですよ。あと、僕の親戚のおじさんにティンパニーを叩いてもらったりとか。
なお 初めてこのアレンジを聴いたときに、まず笑っちゃって。すごいものを聴くと笑っちゃうことってあるじゃないですか。レコーディングのときにみんなから飛び交うアイデアとか、それ面白いねってみんなで笑ったりとか、何気ない会話をKenさんはすごく大事にしていて。そんなところも勉強させてもらって、最初から最後まで笑いのあるレコーディングになりました。
まゆ この曲をもらったとき、「正直どんなギターが入るんだろう?」と思って。そこでKenさんが「平歌のところにギターはほとんど入ってないけど、ソロに全力をかけろよ。どうフレーバーを残すかだな」とおっしゃって。1つひとつ言われたこともすげえいい思い出です。
Rei メロごとに切り替えがあって、場面展開が違うので、いろんな景色が見える曲ですよね。実際にレコーディングすると、1つ前の景色から次の景色に変わる瞬間っていうのを表現するのがすごく難しかったんですよ。でも、そこは自分自身楽しめましたし、新しい挑戦ができた曲でもあります。
──夕霧さんは、風弥さんが言っていた「曲に人生の全部を入れたい」という思いを聞いて、この歌詞を書いていったんですか?
夕霧 はい。Kenさんとも事前に打ち合わせをして、「パレード」と「ラビット」というキーワードをいただいて。デイジーのロゴにウサギのモチーフが使われていることもあって、デイジーと言えばウサギっていうイメージがあるんです。なので、DaizyStripperをウサギに例えて、バンドの過去と未来を歌えたらいいなと。歌詞の途中で空が曇って雷が鳴る描写が出てくるんですけど、最後は晴れて、夢を見させて終わるんです。そこは気に入ってますね。歌に関してはミュージカルっぽいと言うか、普段の2倍から3倍ぐらい大げさに歌ってます(笑)。あと、歌詞の中にメンバーの名前が入ってるんですよ。「霧がかかり 辺りは夕暮れ」で夕霧、「またもやなお話」でなお、「冷静ぶって」でRei、「風に尋ねて」で風弥がいて、まゆだけ入れ忘れたんですけど……。
まゆ マジか。入れてよ。
夕霧 あ、「またもやなお話」「ゆっくりでOK」のところを縦読みすると、まゆになるね(笑)。
「なかなか面白いやつらじゃん」と思えるようなライブを
──1月12日からは全国ツアー「4GET ME NOTパレード」がスタートします。そこに向けた意気込みを聞かせてください。
Rei この作品を引っ提げて“パレード”を回りますけど、各地2DAYSということで、2日間ならではの楽しみ方を見せていきたいと思います。各地方で曲を育てていきたいし、ぜひ遊びに来てくれたらうれしいです。
まゆ 去年やったアコースティックツアーで、全国にしっとりとしつつも和気あいあいとしたDaizyStripperを見てもらったので、次はフルバンドで暴れる曲をやって、「4GET ME NOT」みたいな曲ではビシっと聴かせて、違う姿を見せられたらいいですね。
なお このツアーで、Kenさんから学んだことをステージの上で全部出して、どんどん結果につなげてKenさんに恩返しをしたいです。ファンの子からしたら、今までの盛り上がりを更新するすてきなライブになると思うし、デイジーを知らない人たち、例えばL'Arc-en-Cielさんが好きな方が観ても「なかなか面白いやつらじゃん」と純粋に思えるようなライブをするつもりなんで、楽しみにしていてほしいですね。
風弥 このシングルを通してKenさんからいろんなことを学んだし、自分の足りないところや、自分の長所も知ることができたから、それがいろんな自信につながりました。曲作りだけじゃなく、ドラミングだったり、ステージに立つ風弥がどうあるべきかだったり。この数カ月Kenさんと作品を作っていく中でたくさんのことに気付けたので、それを表現していくのが「4GET ME NOTパレード」だと位置付けています。
夕霧 僕もKenさんとレコーディングして成長した姿を、このツアーでは見せたいですね。それと、ツアーの企画を1つ考えていて。各日で僕がランダムにお客さんを指名して、指名された人に「4GET ME NOT」にかけて「デイジーの曲であなたにとって忘れられない1曲は何?」って聞きたいと思っています。それでその曲をその場で披露しようかと。百何十曲あるので「できません」って土下座する曲もあるかもしれないし、「ごめんなさい、10分ください」で済むかもしれないですけど(笑)、それこそ1公演1公演を忘れられない一夜にしたいなと思っているので、ぜひお越しください。
風弥 ホントに。
夕霧 いつもMCで言ってるんですけど、好きになるのに早いも遅いもないと思っていて、もしこのインタビューを読んでちょっとでも僕らに興味をもってくださった方がいらしたら、ぜひこの機会にDaizyStripper、いかがでしょうか?
- DaizyStripper「4GET ME NOT」
- 2018年1月24日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤A [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1304 -
初回限定盤B [CD+ブックレット]
1944円 / VIZL-1305 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37350
- CD収録曲
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- 4GET ME NOT
- ラビットファンタジーパレード
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- 「4GET ME NOT」MUSIC CLIP
- MAKING
- DaizyStripper Tour 2018「4GET ME NOTパレード」
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- 2018年1月12日(金)東京都 WWW X
- 2018年1月26日(金)宮城県 仙台MACANA
- 2018年1月27日(土)宮城県 仙台MACANA
- 2018年2月2日(金)福岡県 BEAT STATION
- 2018年2月3日(土)福岡県 BEAT STATION
- 2018年2月10日(土)大阪府 FANJ twice
- 2018年2月11日(日・祝)大阪府 FANJ twice
- 2018年2月17日(土)北海道 COLONY
- 2018年2月18日(日)北海道 COLONY
- 2018年2月24日(土)愛知県 伏見JAMMIN'
- 2018年2月25日(日)愛知県 伏見JAMMIN'
- 2018年3月3日(土)福島県 clubSONICiwaki
- 2018年3月4日(日)福島県 clubSONICiwaki
- 2018年3月10日(土)東京都 下北沢GARDEN
- 2018年3月11日(日)東京都 下北沢GARDEN
- DaizyStripper(デイジーストリッパー)
- 夕霧(Vo)、まゆ(G)、なお(G)、Rei(B)、風弥~Kazami~(Dr, Piano)からなる2007年3月結成のヴィジュアル系ロックバンド。夕霧の美しいハイトーンボイスと、風弥が中心となって制作するキャッチーなメロディに定評がある。2008年2月に1stシングル「ダンデライオン」を発表し、オリコンインディーズウィークリーチャートで1位を獲得。2010年には東京・日本青年館と東京・SHIBUYA-AXでの2DAYSライブ、2011年には台湾で初の海外単独公演を開催した。コンスタントにリリースを重ねる中で、2016年にはバンド初となる47都道府県ツアーを実施。結成10周年となる2017年にシングル「AGAIN」でビクターエンタテインメントからメジャーデビュー。2018年1月にKen(L'Arc-en-Ciel)プロデュースによるメジャー2ndシングル「4GET ME NOT」を発表する。