結成10周年という節目となった2017年にメジャーデビューを果たしたDaizyStripperが、ニューシングル「4GET ME NOT」を1月24日にリリースする。
今回のシングルでは表題曲、カップリング曲「ラビットファンタジーパレード」共にサウンドプロデュースをKen(L'Arc-en-Ciel)が担当している。メンバーが尊敬してやまないという先輩アーティストと共に作り上げた本作。どのように完成に至ったのか、Kenとのレコーディング秘話を交えながら語ってもらった。
取材・文 / 大窪由香
今、いい状態だと思います
──昨年、結成10周年にしてDaizyStripperはメジャーデビューしましたが、この10年間バンドを続けてこられたモチベーションは、それぞれどういうところにあったんでしょうか?
夕霧(Vo) メンバー1人ひとり違うと思うんですけど、僕に関して言えばみんなの書く曲が好きっていうところがデカイんじゃないかな。ラウドロックもジャズもフュージョンも、DaizyStripperのなんでもやります感のある音楽性がすごく好きで。シングルの曲をメインで書くのは風弥~Kazami~が多いんですけど、風弥のメロディがすごく好きなんです。それが一番の大きなモチベーションですね。
風弥~Kazami~(Dr, Piano) 僕のモチベーションは、10年やってきてもまだまだ表現したい音楽がたくさんあるっていうことですかね。「デイジーはいろんな曲があるよね」ってファンの人に言われるんですけど、それって結局ボーカルの夕霧の表現力によるところが大きいと思うんです。バラードから激しい曲、シャウトまでいけるから、俺も好き放題いろんな曲が書けるし、それがDaizyStripperだと思っているんです。とにかく好きなことをやり続けているっていうことだけな気がします。
なお(G) 5人の性格がすげえバラバラだけど、それでバランスが取れてるところがあるのかなと。やっぱり人間ですから、落ち込んだりイライラしたり、いろんなことがあるんですけど、誰かがそうなったとき、ほかの誰かが気付いて何気なくフォローしたり、そういうことがうまくできてるんです。
まゆ(G) 10年続けてきたモチベーションは、やっぱり退屈しないっていうことですね。DaizyStripperでギターを弾くのが楽しい。もちろんうまくいかないこともあるけど、それで退屈はしないかな。この10年間、刺激的に過ぎていったと言うか、そんな感じですね。
Rei(B) 音楽性の違いがあったとしたら、ハナから一緒にやってないですからね。核となる幹があって、それが枝分かれして、いろんな楽曲が増えているわけで、みんながその楽曲を好きだから続けられていると思うんですよ。最近、夕霧もライブで言ってたんですけど、「続けることが夢なわけじゃない」ので。自分たちが掲げているゴールは全然先なんですけど、それを目がけてやってきたので10年という月日があっと言う間に過ぎていったんだなと。遠回りはしていても、いっぱい成長できてると思います。
──メジャーデビューして何か変化はありましたか?
なお 単純に関わる大人の人が増えました。すごくデイジーを好きでいてくれてるのがうれしくて。一緒に作品を作っていくのが毎日楽しいです。
夕霧 デビューを弾みにして、デイジーをもっと躍進させていかないと意味がないし。どのレーベルからデビューしようが我々の意識が変わらなければ結局変わらないし、メンバーの力が伴ってなければ意味がないので。そういう意味では10年やってきた中でメンバーの感覚が研ぎすまされているし、今、バンドとしていい状態だと思います。
Kenから出されたお題は……
──そしてメジャー2ndシングル「4GET ME NOT」が1月24日にリリースされます。制作はいつ頃から始まったんですか?
風弥 時期で言うと、10周年のワンマンが終わってからなので、去年の夏ぐらいですね。10周年を迎えてメンバーで「もう一度デイジーってどういうバンドなのか」っていうことを煮詰めている期間で。今回はKenさんにプロデュースしていただくにあたり、曲作りの前の段階からKenさんに入ってもらったんです。だからメンバーの意識も今までと全然違って。「DaizyStripperはこの後、5曲しか曲が残せません。どんな曲を書きますか?」っていうテーマで曲作りがスタートしたんです。
──そうでしたか。曲ありきでプロデュースをお願いされたのかと思っていたんですが、最初の段階から一緒に作り上げたんですね。そもそもKenさんにプロデュースを依頼することになった経緯を教えてください。
風弥 そもそも、メンバー全員がL'Arc-en-Ciel、そしてKenさんが大好き、という大前提があって。ギターのなおとまゆは、2人共Kenさんがきっかけでギターを始めたんですよ。俺自身もKenさんの楽曲が昔からすごく好きで、作曲家としてもすごく尊敬していたんです。最初にお会いしたのは、2013年に開催されたシドさん主催の武道館でのイベントに僕らが出させていただいたとき。その打ち上げでお会いしました。そのときはギター2人がKenさんを囲んでずっと話をしていて。
なお そのとき、KenさんはシドのShinjiさんとお話したいことがあって来ていたそうなんですけど、俺らアホだからずっとKenさんの横にひっ付いて。
──順番待ちしてたんですか?
風弥 順番待ちどころか割り込みですよ。ずっと何時間もKenさんを囲んで話し込んで。俺らも話したいなと思って近付くんですけど、そしたらすげえ睨んでくるんですよ、2人が。
夕霧 俺らにも紹介してくれるのかなと思って見てたら、まゆと目があって。でも思いっ切り無視されました(笑)。
──(笑)。お二人はKenさんとどんなお話をされたんですか?
まゆ 「どんな音楽が好きなの?」とか、「ギターは何使ってるの?」とか聞いてくださって。
なお 「歳は?」とか、いろいろ興味を持ってくれたんです。でも、そのときは「また何か機会があったら話しましょう」ぐらいで終わって。
まゆ その次の年の年末にカウントダウンの大きいイベントがあって、そこでもまたKenさんにお会いしたので、忘れられてるかなと思いつつ声をかけたら、「おー!」って言ってくれて。2013年の後半に俺、活動休止をして半年ちょっと休んでたんですよ。最初にお会いしたときにその話もしてたんですけど、「あの後どうしたの?」って覚えてくださっていて。それがすごくうれしかったです。で、「楽屋にギター持っていってサイン入れてもらおうぜ」ってなおと行ったら、ギターを教えてくださって。
夕霧 ちなみに、ライブの打ち上げのときにギターを教わっているのを見てたときも、まゆとパッと目が合ったんですけど、それもスルーされました。
風弥 そう、その日も僕はKenさんとしゃべれなかった……。
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全会一致で挙がったプロデューサーKenの名
- DaizyStripper「4GET ME NOT」
- 2018年1月24日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤A [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1304 -
初回限定盤B [CD+ブックレット]
1944円 / VIZL-1305 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37350
- CD収録曲
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- 4GET ME NOT
- ラビットファンタジーパレード
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- 「4GET ME NOT」MUSIC CLIP
- MAKING
- DaizyStripper Tour 2018「4GET ME NOTパレード」
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- 2018年1月12日(金)東京都 WWW X
- 2018年1月26日(金)宮城県 仙台MACANA
- 2018年1月27日(土)宮城県 仙台MACANA
- 2018年2月2日(金)福岡県 BEAT STATION
- 2018年2月3日(土)福岡県 BEAT STATION
- 2018年2月10日(土)大阪府 FANJ twice
- 2018年2月11日(日・祝)大阪府 FANJ twice
- 2018年2月17日(土)北海道 COLONY
- 2018年2月18日(日)北海道 COLONY
- 2018年2月24日(土)愛知県 伏見JAMMIN'
- 2018年2月25日(日)愛知県 伏見JAMMIN'
- 2018年3月3日(土)福島県 clubSONICiwaki
- 2018年3月4日(日)福島県 clubSONICiwaki
- 2018年3月10日(土)東京都 下北沢GARDEN
- 2018年3月11日(日)東京都 下北沢GARDEN
- DaizyStripper(デイジーストリッパー)
- 夕霧(Vo)、まゆ(G)、なお(G)、Rei(B)、風弥~Kazami~(Dr, Piano)からなる2007年3月結成のヴィジュアル系ロックバンド。夕霧の美しいハイトーンボイスと、風弥が中心となって制作するキャッチーなメロディに定評がある。2008年2月に1stシングル「ダンデライオン」を発表し、オリコンインディーズウィークリーチャートで1位を獲得。2010年には東京・日本青年館と東京・SHIBUYA-AXでの2DAYSライブ、2011年には台湾で初の海外単独公演を開催した。コンスタントにリリースを重ねる中で、2016年にはバンド初となる47都道府県ツアーを実施。結成10周年となる2017年にシングル「AGAIN」でビクターエンタテインメントからメジャーデビュー。2018年1月にKen(L'Arc-en-Ciel)プロデュースによるメジャー2ndシングル「4GET ME NOT」を発表する。