音楽ナタリー Power Push - Da-iCE
一歩ずつ踏みしめ上るステップ Da-iCE、3rdアルバムで“NEXT PHASE”へ
今までのDa-iCE、これからのDa-iCE
──ではここからはアルバム「NEXT PHASE」の話を。アルバムは2016年1月リリースの「EVERY SEASON」以来、3枚目の作品になります。
大輝 今回のアルバムはこれまでのアルバムの中でもっとも曲の振り幅が大きくなったと思います。挑戦的な楽曲もあるしDa-iCEならではの色がしっかり出ている曲もあるから、ずっと僕らのことを応援してくれている方にも最近知ってくれた方にも楽しんでもらえる作品になっているのかなって。
──タイトルの「NEXT PHASE」にはどのような思いが込められているんですか。
大輝 意味的にはそのまんまですね。「次のフェーズに進みたい」という思いを込めました。それと、僕ら「PHASE」っていう言葉に思い入れがあるんですよ。ライブツアーのタイトルには「PHASE1、2、3……」と付いていますし、この言葉がキーになっているかな。リリースのタイミングも武道館から1週間後だし、「NEXT PHASE」というタイトルは自分たちの気持ちにぴったり合っていると思う。
雄大 2016年はホールツアーなど新しい挑戦をたくさんさせてもらった年でした。なので「じゃあ次はどうする?」と考えたとき、2017年はこれまでに経験したものをしっかり自分たちの成長の糧にしていきたいし、それに加えてもっと新たなことに挑んでいきたいと思った。「NEXT PHASE」というタイトルはそういった意志の表れでもあるよね。
──そうなんですね。そして、タイトル曲「NEXT PHASE」は、ファンの方が一聴したら「おっ」と思うであろう曲ですね。Da-iCEの楽曲のタイトルが随所に登場するという。
雄大 そうなんです。奇跡が起こりました!
大輝 狙ったんだよー? 花村くんががんばって書いたんだからねー?
想太 そう、僕が書いたんですが、1番の歌詞で今まで、2番の歌詞でこれからのDa-iCEを表現しています。メジャーで出したシングルとアルバムのタイトルすべてを1番の歌詞に入れることによってこれまでを振り返りつつ、これから先に向かっていく自分たちの思いは2番で表現していこうと思って。
──曲のタイトルが文脈的に違和感なく、次々と登場しますよね。タイトルだと気付かなければスムーズに歌詞が流れていくなと思いながら聴いていました。
想太 それは目指すところでした。ファンの方はどこにどの曲のタイトルが入っているかを探して楽しめると思うんですけど、曲として聴いたとき意味を成していなかったらダメというか。ただ並べただけでは歌詞として成立しないと思ったので、そこは試行錯誤しました。
大輝 すごく面白いですよね。今までの総括になっているし、区切りのタイミングにぴったりの歌詞だと思う。本当に、アルバムの核となる曲ですね。
──ちなみに、振りはもう付いているんですか?
大輝 これからなんです。この曲はダンスでも思い切り自分たちを表現したいよね。しっかりと踊ることを想定したうえで書いてもらった曲だから。
想太 この曲のパフォーマンスを観たら「これがDa-iCEだ!」ってわかるようなね。「FIGHT BACK」みたいな“強い曲”を凌駕するようなパフォーマンスがこの曲でできたらいいなと思います。
──「FIGHT BACK」並みのキラーチューンになるような。
想太 もしくは取って代わるような。これまでは、例えばイベントライブで「インパクトが必要だ」っていうときに、真っ先にセットリストの1曲に挙がってくるのが「FIGHT BACK」だったりしたから、そのポジションを「NEXT PHASE」が奪うようなカッコいい振りを付けられたらいいよね。
徹 そうだね。
想太 武道館終わりで早急に準備したいと思います。
焦りを感じさせない大人の余裕
──先ほど大輝さんもおっしゃっていましたが、収録曲の曲調の振り幅が広いですよね。例えば大人っぽさのある「Chocolate Sympathy」は雄大さんと想太さんの声色の違いも際立って、すごく印象的でした。
想太 この曲はおしゃれでセクシーな曲ということもあって、余裕感を表現してみました。僕らもだいぶいい歳になってきて、どこか焦りみたいなものも感じるんだけど(笑)、その焦りを感じさせない大人の余裕を出して行こうと。Da-iCEの曲には「夢に向かってガムシャラにがんばろう」というような前向きな曲もたくさんあるけれど、この「Chocolate Sympathy」はその逆というか。“上から目線”で歌えて、表現の幅が広がったのでありがたい曲ですね。僕は歌う曲によって性格が変わるタイプなので、この曲でオラオラ行ける感じが好きです。
──6曲目の「FANTASY」は「Chocolate Sympathy」とは対照的と言えるようなさわやかなアップチューンで。
大輝 この曲の歌詞では“ロマンチックさわやか男子”の心情が書かれてますね。この手の曲は、なかなか珍しいかもしれないです。僕らなりに表現した「高嶺の花子さん」的な……(笑)。
颯 (レーベルの)先輩やん(笑)。
大輝 「例えるならFrameの中のアート」とか、普通はなかなか言えないようなキザっぽいフレーズが登場するのがこの曲のポイントです。トラック自体はカッコいいので、歌詞とメロディ、いい塩梅でバランスが取れていると思う。あと歌詞を面白く取れるポイントがいっぱいあるので、ライブでどう表現するかが楽しみな曲でもありますね。“王道”でもいけるし、構成に凝ってみても面白そう。
これからが楽しみになる「TWO AS ONE」
徹 自分は「BOND」が好きですね。仲間との絆をテーマにしているんですけど、聴いていて元気が出るし楽しくなる。ということは、ライブでも盛り上がる曲になるんだろうなって予想してます。
──歌詞では失恋した友達を明るく励ます情景が描かれています。
徹 みんな落ち込む側も励ます側も一度は経験あるんじゃないかな? だから、きっと描かれてる世界に入り込みやすいんじゃないかなと思う。
──そして、「BOND」の次に収録されている「TWO AS ONE」は「劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」の主題歌として使用されるバラードですね。
雄大 僕はこの曲のメロディが単純に好きだし、AメロBメロサビと、どんどん壮大になっていく展開も好きです。それに歌詞も、いつも僕らを応援してくれているファンの方と僕らの関係性を描くようなものになっているんですよね。僕らがこれからもっと先へ進んでライブ会場の規模を大きくしていくことができたら、ライブ披露するうえでこの曲の壮大さがますます合っていくんじゃないかな?なんて思う曲。これからがすごく楽しみになるような楽曲でもあると思います。
──スケールが大きいぶん、ボーカルにもパワーが必要ですよね。
雄大 そうですね。AメロBメロは“温かい切なさ”をイメージして歌って、サビは思いっきりストレートを投げるような感じで歌いました。
想太 この曲は歌っているときにとても優しい気持ちになれました。パワーのある曲って自分はどうしてもガツガツ歌いたくなってしまうんですけど、「TWO AS ONE」は自分を滑らかにしてくれるというか。歌いながら晴れ晴れしい気持ちになって、クライマックスでパーンと声を飛ばす瞬間は歌ったあとに何度も聴き返してしまうほど気持ちよかったのを覚えてます。
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- ニューアルバム「NEXT PHASE」 / 2017年1月25日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 4600円 / UMCK-9889
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 4100円 / UMCK-9890
- 初回限定盤C [CD+DVD] / 4500円 / UMCK-9891
- 初回フラッシュプライス盤(Da-iCE ver.)[CD] / 2150円 / UMCK-9892
- 初回フラッシュプライス盤(ヴォーカル ver.)[CD] / 2150円 / UMCK-9893
- 初回フラッシュプライス盤(パフォーマー ver.)[CD] / 2150円 / UMCK-9894
CD収録曲
- NEXT PHASE
- WATCH OUT
- Step Back!
- Chocolate Sympathy
- Free Falling
- FANTASY
- 恋ごころ
- REASON
- BOND
- TWO AS ONE
- パラダイブ
初回限定盤A DVD収録内容
- 「WATCH OUT」Music Video
- 「パラダイブ」Music Video
- 「恋ごころ」Music Video
- 「Into You」Music Video
- 「BOND」Music Video
- 「TWO AS ONE」Music Video
- 「WATCH OUT」Dance Edit.
- 「パラダイブ」Dance Edit.
初回限定盤B DVD収録内容
- ふざけちゃって五面なサイ~Da-iCE HOUSE in与論島~
初回限定盤C DVD収録内容
- ふざけちゃってミアンなサイ~弾丸韓国旅行~
初回フラッシュプライス盤(Da-iCE ver.)ボーナストラック
- A WHOLE NEW WORLD
- Into You
初回フラッシュプライス盤(ヴォーカル ver.)ボーナストラック
- 366日(花村想太ソロ)
- Desperado(大野雄大ソロ)
初回フラッシュプライス盤(パフォーマー ver.)ボーナストラック
- 決意の朝に(岩岡徹&和田颯)
- 100回のKISS(工藤大輝ソロ)
Da-iCE(ダイス)
2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢される。同年12月にミニアルバム「Da-iCE」でインディーズデビュー。2013年にメジャーデビューが発表され、2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリースした。10月には1stアルバム「FIGHT BACK」を発表し、精力的にライブ活動とCDリリースを重ねる。2016年1月には2ndアルバム「EVERY SEASON」を発表。7月からは全国各地を回る初のホールツアーを行い、このツアーの最終公演として2017年1月に初の日本武道館公演を実施した。武道館公演の1週間後に、3rdアルバム「NEXT PHASE」をリリース。