ナタリー PowerPush - カラーボトル × Rake

情熱たっぷり真剣音楽談義

カラーボトル単独インタビューも掲載中

先月初めて自身の名を冠したニューアルバム「カラーボトル」を発表し、リスナーを奮い立たせるポジティブなメッセージを届けたスリーピースバンド・カラーボトル。そして、昨年発売した3rdシングル「100万回の『I love you』」がロングセールスを記録し、3月7日には4thシングル「フタリヒトツ」をリリースする仙台在住のシンガーソングライター・Rake。

ともに仙台の街で育ち、デビュー前は路上ライブも一緒に行ったことがあるという2組の対談が今回実現! 地元での懐かしいエピソードや互いの音楽性、まもなく発生後1年を迎える東日本大震災への思いなどを語ってもらった。

取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 中西求

ファミレスで朝まで語った路上時代

──Rakeさんとカラーボトルの対談は今回が初めてですか?

一同 そうですね。

対談風景

竹森マサユキ(Vo / カラーボトル) 僕、今日はうっかり本名で呼ばないように練習してきたんですよ。ちゃんと「Rakeは~」って言うように。

──大丈夫ですよ。ポロッと出ても直しておきますから(笑)。

竹森 あはは(笑)、ありがとうございます。よろしくお願いします。

──では、そのざっくばらんな雰囲気のまま進めてまいりましょう。まず、そもそもの出会いは?

渡辺アキラ(G / カラーボトル) 僕は同じ高校だったので、音楽をやる前から存在は知っていて。

Rake アキラくんと僕はそうだよね。あまり絡みはなかったけど、共通の知り合いがいたり、音楽を抜きにしてもつながってるって感覚はあったよね。竹森くんは……多分覚えてないと思うけど、僕は竹森くんが仙台の路上で歌ってたとき、たまたま通りかかって観てたんだよね。確かクリスロード(※仙台の商店街)で、「ニューヨークに舞い降りたライオン」みたいな感じの歌を歌ってたんですよ。

竹森 ……(笑)。

Rake それがすごい渋い感じのカッコいい歌で。それを観て僕は「わ、すげーうまい人がいる!」と思ったのを今でも覚えてる。だから僕にとって竹森くんは「こんな人、今までのバンドシーンで観たことない!」ってくらいの衝撃だった。自分の言葉で自分の声で、自分の意思を歌ってる人に初めて出会ったというか。そこから実は竹森くんがアキラくんとつながってることがわかって、数年後には一緒に路上ライブもやるようになったんだよね。

竹森 それこそ、ふらっと道で会ったら「隣でやっていい?」って声かけて一緒にやったり、「今日路上やるけど来る?」って電話で呼んだり。当時は路上でそうやって歌うのが、僕らにとっての遊びだったよね。

Rake ほかにも濃い仲間が何人かいたんですけど、そんな日々がすごく楽しくて。僕はどっちかというと元々ギタリストになりたかった人間なので、例えば竹森くんが歌い始めたら後ろで合いの手みたいにギターとコーラスを入れたり、「そうやって歌ってるんだ」って感じで、自分にないものを他の人から吸収したり。

──本当に、そこが皆さんのスタート地点という感じですね。

Rake はい。だからよく「影響を受けたアーティストは?」って訊かれるんですけど、僕にとってはそうやって一緒に音を鳴らした仲間から受けた影響が圧倒的に大きいんですよね。もちろん、有名なミュージシャンで好きな人もいるんですけど……。

竹森 それ、わかる!

Rake だよね? やっぱりそうなるのが本当だと思うんだよね。で、そうやって路上で歌ったあとは大体ファミレスで朝まで延々と語って……(笑)。

竹森 普通はミュージシャン仲間で話してると、声のことや音楽ルーツなんかの話で終わるんだけど、Rakeといるときはなぜか「のし上がっていくためにはどうしたらいか?」とか、そんな熱いテーマにまで話が広がっていって(笑)。

Rake そうそう! あの会話、今考えるとかなり面白いよね(笑)。

デビュー前なのにRakeは一歩先を行っていた

──そうやって路上時代からの付き合いとなると、お互いにプロになって、こうして取材で対談をしているのはどんな気分ですか?

竹森 本当に不思議な気分というか、なんか遊びに来たみたいな感じ。僕、今かなりテンション上がってますよ。

対談風景

Rake 俺も! なんかあんまり仕事って感じがしないよね(笑)。僕にとってカラーボトルはずっと憧れの存在だったし、「いつかプロとして一緒のステージに立ちたいね」って会うたびに話してたんで。だからこうやって一緒に取材を受ける日が来るなんて、ホント不思議だし、何よりうれしいです。

渡辺 僕らは東京、Rakeは仙台在住なので、普段は会う機会がほとんどないんですよ。

竹森 だからたまに仙台に帰ったら、地元のプロモーターさんに「最近Rakeどうなんすか?」って様子を訊いたり(笑)。

Rake そうだね。担当が同じ人だから俺もたまに訊くし、結構その人を通じて探り合ってるかも(笑)。

竹森 常にライバル視してるわけじゃないんですけど、やっぱり気になるんですよね。俺らは新しい音楽を求めるために東京へ出てきたけど、Rakeが仙台在住を貫いてるのはすごいなって思うし、それでちゃんとヒット曲も出してて。やっぱり目が離せない存在ではあると思うんです。メジャーデビューは僕らのほうが早かったけどそんなことは関係なくて、昔は仙台に帰ったときによく相談もしてた。上京直後、音楽の方向性に迷ってたときは「Rakeどう思う?」って焼肉屋でカルビをつつきがら(笑)。

Rake あったねー。

竹森 実際、後輩や東京のミュージシャンと話してても、デビューの年月の差とかで経験してることが違ったり、先輩じゃないとなかなか気持ちをわかってもらえないこともあって。でもRakeは常に考えながら音楽をやってるっていうか、しっかり音楽と向き合って生きてる人だから、俺の悩みを話すと「ああ、わかるわかる」って感じで。まだデビューもしてないのに一歩先を行ってたんですよ。

Rake そう?(笑)

竹森 自分がデビューして初めて打ちのめされた感覚とかも、Rakeの中ではもう消化して次に進んでるところがあって。随分と先を行かれてるなーって感じで、相談に乗ってもらいつつ、正直悔しい思いもありましたね。

カラーボトル ニューアルバム「COLOR BOTTLE」 / 2012年2月8日発売 / 2800円(税込) / Dreamusic / MUCD-1259

  • Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. SHOW
  2. アゲハ蝶
  3. トライアゲイン~何度でも熱くなれ~
  4. オリオン
  5. ルララ
  6. 愛こそが全て
  7. 残心
  8. もう一度、君に会いたい
  9. 雪の日に
  10. 18才
  11. ひまわり
  12. 旅に出よう

Rake ニューシングル「フタリヒトツ」 / 2012年3月7日発売 / Ariola Japan

  • 初回限定盤 [CD+DVD] 1575円(税込) / BVCL-311~312 / Amazon.co.jp
  • 通常盤 [CD] 1223円(税込) / BVCL-313 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. フタリヒトツ
  2. 希望の歌
  3. 100万回の「I love you」-acoustic ver.-
  4. フタリヒトツ(instrumental)
  5. 希望の歌(instrumental)
DVD収録内容
  • 100万回の「I love you」 ビデオクリップ
  • 誓い ビデオクリップ
  • キラキラ(KimaguRake)ビデオクリップ
COLOR BOTTLE IS HERE!! 2012
~トライアゲイン 何度でも熱くなれ!~
  • 2012年3月10日(土) 大阪府 OSAKA MUSE
  • 2012年3月17日(土) 愛知県 名古屋APOLLO THEATER
  • 2012年3月20日(火・祝) 福岡県 福岡DRUM Be-1
  • 2012年4月1日(日) 東京都 LIQUIDROOM ebisu
  • 2012年4月7日(土) 宮城県 仙台Rensa
Rake TOUR 2012
"WONDERFUL WORLD"
  • 2012年4月15日(日) 山形県 ミュージック昭和Session
  • 2012年4月17日(火) 北海道 札幌cube garden
  • 2012年4月19日(木) 青森県 青森Quarter
  • 2012年4月21日(土) 秋田県 秋田Club Swindle
  • 2012年4月22日(日) 岩手県 盛岡Club Change WAVE
  • 2012年4月24日(火) 福島県 郡山Hip Shot Japan
  • 2012年4月28日(土) 福岡県 福岡DRUM Be-1
  • 2012年4月29日(日) 広島県 広島ナミキジャンクション
  • 2012年5月1日(火) 兵庫県 神戸チキンジョージ
  • 2012年5月3日(木・祝) 東京都 赤坂BLITZ
  • 2012年5月5日(土) 大阪府 大阪BIGCAT
  • 2012年5月6日(日) 愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2012年5月13日(日) 宮城県 仙台darwin(※追加公演)
カラーボトル

カラーボトル

竹森マサユキ(Vo, G)、渡辺アキラ(G)、大川“Z”純司(Dr)の3名からなるロックバンド。2004年1月、仙台にて結成。同年12月にバンドオーディション全国大会に北海道・東北代表として出場し、準グランプリを獲得する。2007年6月に「彩色メモリー」でメジャーデビュー。2011年2月、自らのレーベル「SUPER SOUL COMPANY」を発足し、ミニアルバム「情熱のうた」をリリース。表題曲である「情熱のうた」はプロバスケットボールのbjリーグ復興支援ゲームのテーマソングに、同アルバムの収録曲「走る人」は味の素のCMソングに起用された。2012年2月にはセルフタイトルアルバム「COLOR BOTTLE」を発表。竹森の絞り出すような歌声が、多くのロックファンの支持を受けている。

Rake(れいく)

Rake

宮城県仙台市出身・在住のシンガーソングライター。2009年にMONKEY MAJIKやキマグレンのツアーのオープニングアクトを務め、耳の早い音楽ファンの間で話題に。2010年1月にシングル「Fly away」でメジャーデビューを果たし、2011年6月には1stアルバム「First Sight」をリリース。2011年3月にリリースした3rdシングル「100万回の『I love you』」が幅広い層からの支持を受け、現在までに配信で150万ダウンロードを突破する異例のロングヒットを記録する。ライブパフォーマンスにも定評があり、大型フェスやイベントへの出演も多数。現在も仙台市に拠点を置き、ソウルフルな歌声を響かせている。2012年4月からは全国13都市での全国ツアーを開催。