ナタリー PowerPush - カラーボトル × Rake

情熱たっぷり真剣音楽談義

カラーボトル単独インタビューも掲載中

震災で音楽活動はもう一生やれないかなって

──まだまだ積もる話はあると思いますが、まもなく昨年3月11日の東日本大震災から1年ということで、ここからはその話題についても語っていただければと思います。

竹森 ですよね。昔話を続けてたら多分一生終わらないと思うので(笑)。

──(笑)。ではまず昨年3月11日ですが、それぞれどこにいらっしゃったんですか?

Rake 僕は仙台にいました。

竹森 僕らは東京で作業してました。

──いまだに行方不明の人や、困難な生活を余儀なくされている人も大勢いらっしゃいますが、あの日から何か意識の変化はありましたか?

対談風景

Rake 僕が震災を通してすごく感じたのは、当たり前なんですけど「人は一人で生きてるわけじゃない」ってこと。シンガーソングライターって普段一人で行動してるから、ヘタするとなんでも一人で闘わなきゃいけない気になってるというか、みんなで同じ時代を生きている感じを忘れてしまってる瞬間があるんです。でも震災時は自分がミュージシャンってことは全部吹っ飛んで、一人の人間としてガソリンや水を探しに行って、その中で知らないおじさんが声をかけて助けてくれたり。生まれた年代はそれぞれ違うけど、みんな今という同じ時代を生きてるんだってことを実感したんですよね。

──カラーボトルは以前のインタビューで、震災後アルバムの制作が一旦ストップしたと話していたのですが、Rakeさんはすぐ音楽と向き合えましたか?

Rake やっぱり直後は難しかったですね。震災前はギターを触らない日なんてなかったのに、震災後2週間はライフラインも通じてなかったし、まず生き抜くことが最優先で。そんな中で、音楽活動はもう一生やれないかなって思ったりもしたんですけど、ブログのコメントに「真っ暗な夜にラジオで『100万回の「I love you」』を聴いてがんばれました」とか、「『100万回の「I love you」』を聴いて乗り切れました」っていう声をたくさんもらって。いつまでもクヨクヨしちゃいられない、今はメッセージを発信できる立場にいるんだから、もう全力でやるしかないって少しずつ前向きな気持ちに変わっていったんです。

竹森 僕らも震災後は「みんなが本当に幸せだったらカラーボトルの音楽は必要ないのかな」っていうことを考えて。こういうピンチのとき、どうやって気持ちを上げていいかわからない迷いがあるときだからこそ、僕らのメッセージが必要なんじゃないかと思ったんです。だからそういう人のために僕らは歌うし、迷ってる場合じゃないなっていうことに今回の経験を通して強く気付かされましたね。

政治や行政にはできない、アーティストだからできること

──そうして数カ月後、再びステージで歌を届けられる日がやってきたときはどうでしたか?

Rake これまで以上に「自分の歌を聴きに来てくれる人がこんなにいるんだ」とか、「自分の発する音楽を受け取ってくれる人がこんなにいるんだ」ってことにグッと来ました。たとえそれが数人だったとしても、俺は一人じゃないんだっていう。自分の音楽を鳴らして、それを受け取ってくれる誰かがいるんだっていう感覚は震災後さらに強くなりました。

──ご自身にとっても音楽は救いになった?

Rake そうですね。震災後1~2週間は周りがピリピリして張りつめた空気感があって、僕は「このままじゃ自分がもたない」と思ったんですよ。それで、気持ちだけでも自分らしいペースやゆとりを持たなきゃって思ってたときに、家にあったアコースティックギターをまた少しずつ弾き始めて。だから最初は誰かのためとかじゃなく、自分が生きていくためのフィーリングを取り戻したくて……っていうのが大きかったですね。

対談風景

竹森 僕たちは春から何カ所か被災地でライブしたけど、Rakeは大阪で義援金を募るチャリティイベントに参加してたよね?

Rake うん、やらせてもらったね。

竹森 やっぱりそうやって地元出身のアーティストだからできることがあると思うし、「ついておいでよ、一緒に行こうぜ」って道筋を示してあげることは、政治や行政ではなくミュージシャンだからできることだと僕は思っていて。だからこれからも、ちょっと型破りなくらいでもいいからどんどん面白いニュースを届けていきたいなって。なんか……宮城出身のバンドを集めてフェスとかやりたいんですよね。そうだ、ナタリーさん! やりましょうよ!

──えっ!? 突然のキラーパス!(笑)

Rake ナタリーフェスかー。いいねー(笑)。

竹森 でもとにかく俺が思うのは、もうすぐ1年が経つってことで、これからは「がんばっていこう」だけじゃなく「東北で楽しいことが始まってるんだよ」みたいなものが示せていけたら。「新しい街に生まれ変わってるんだ? だったら遊びに行こうよ!」みたいな、保守的じゃないことやるのが俺ら若いミュージシャンの役目だとも思うし。何かしらの形で、そういうことができたらなって思うんですよね。

今年は国民的ヒットソングを作る!

──渡辺さんと大川さんも、ぜひ復興への思いを聞かせてください。

大川 もうすぐ1年ということで僕が感じるのは、場所によってさまざまですけど、やっぱり震災の体験が少しずつ風化していってるってこと。まだまだ大変な生活をしてる人も多いし、そういったところをやっぱり僕らは伝え続けていかなきゃと思っていて。ずっと落ち込んでいるのもどうかと思うんですけど、気にしないことと忘れることは違うし、難しいかもしれないけど、そういう被災地の状況を時間の経過とともに忘れさせてはいけないと思っています。

渡辺 僕はさっき竹森が言ったとおり、やっぱりいつかRakeと大きなお祭りをやりたいって気持ちが強くて。小さなライブハウスでやってたときから話してたんですよ。「いつかZepp Sendaiとかで一緒にやろうね」って。今ならもっと大きなハコでもいいのかもしれないけど、やっぱり地元で、この2組以外にも仙台出身のアーティストを募ったりして、とにかく楽しいことがしたいですね。

──Rakeさんはいかがですか?

Rake 今改めて思うのは、ミュージシャンとして活動している以上、誰かのがんばるエネルギーになれたり支えになれたりしたら、それ以上幸せなことってないんじゃないかなって。そういう存在でずっとあり続けるために今後も切磋琢磨しながらやっていきたよね。

竹森 うん。ちなみに俺は、被災地で当時流れてた「上を向いて歩こう」とか「アンパンマンのマーチ」みたいな曲に代わる、現代のみんなのテーマソングを書きたいとずっと思っていて。去年は地震に対してだけじゃなく、そういう音楽が生み出せない悔しさもすごくあったから、今年は僕らのオリジナルでみんなを奮い立たせられるような歌を。今まで以上に曲作りに責任と自信を持って、みんなが口ずさんでくれるような国民的ヒットソングをなんとしてでも作りたいですね。

Rake それ、刺激になるわー! 俺もがんばんなきゃ。で、また10年後もこうやって対談ができるといいよね。この厳しい世界で生き残っていくのは大変だけど、そこは自分に負けないように常に闘って。……とか言ってると、ホラ、また熱くなってきちゃった! この対談、永遠に締まらないわー!

渡辺 じゃあ続きは白木屋で?(笑)

一同 わははははは!(笑)

対談風景

カラーボトル ニューアルバム「COLOR BOTTLE」 / 2012年2月8日発売 / 2800円(税込) / Dreamusic / MUCD-1259

  • Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. SHOW
  2. アゲハ蝶
  3. トライアゲイン~何度でも熱くなれ~
  4. オリオン
  5. ルララ
  6. 愛こそが全て
  7. 残心
  8. もう一度、君に会いたい
  9. 雪の日に
  10. 18才
  11. ひまわり
  12. 旅に出よう

Rake ニューシングル「フタリヒトツ」 / 2012年3月7日発売 / Ariola Japan

  • 初回限定盤 [CD+DVD] 1575円(税込) / BVCL-311~312 / Amazon.co.jp
  • 通常盤 [CD] 1223円(税込) / BVCL-313 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. フタリヒトツ
  2. 希望の歌
  3. 100万回の「I love you」-acoustic ver.-
  4. フタリヒトツ(instrumental)
  5. 希望の歌(instrumental)
DVD収録内容
  • 100万回の「I love you」 ビデオクリップ
  • 誓い ビデオクリップ
  • キラキラ(KimaguRake)ビデオクリップ
COLOR BOTTLE IS HERE!! 2012
~トライアゲイン 何度でも熱くなれ!~
  • 2012年3月10日(土) 大阪府 OSAKA MUSE
  • 2012年3月17日(土) 愛知県 名古屋APOLLO THEATER
  • 2012年3月20日(火・祝) 福岡県 福岡DRUM Be-1
  • 2012年4月1日(日) 東京都 LIQUIDROOM ebisu
  • 2012年4月7日(土) 宮城県 仙台Rensa
Rake TOUR 2012
"WONDERFUL WORLD"
  • 2012年4月15日(日) 山形県 ミュージック昭和Session
  • 2012年4月17日(火) 北海道 札幌cube garden
  • 2012年4月19日(木) 青森県 青森Quarter
  • 2012年4月21日(土) 秋田県 秋田Club Swindle
  • 2012年4月22日(日) 岩手県 盛岡Club Change WAVE
  • 2012年4月24日(火) 福島県 郡山Hip Shot Japan
  • 2012年4月28日(土) 福岡県 福岡DRUM Be-1
  • 2012年4月29日(日) 広島県 広島ナミキジャンクション
  • 2012年5月1日(火) 兵庫県 神戸チキンジョージ
  • 2012年5月3日(木・祝) 東京都 赤坂BLITZ
  • 2012年5月5日(土) 大阪府 大阪BIGCAT
  • 2012年5月6日(日) 愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2012年5月13日(日) 宮城県 仙台darwin(※追加公演)
カラーボトル

カラーボトル

竹森マサユキ(Vo, G)、渡辺アキラ(G)、大川“Z”純司(Dr)の3名からなるロックバンド。2004年1月、仙台にて結成。同年12月にバンドオーディション全国大会に北海道・東北代表として出場し、準グランプリを獲得する。2007年6月に「彩色メモリー」でメジャーデビュー。2011年2月、自らのレーベル「SUPER SOUL COMPANY」を発足し、ミニアルバム「情熱のうた」をリリース。表題曲である「情熱のうた」はプロバスケットボールのbjリーグ復興支援ゲームのテーマソングに、同アルバムの収録曲「走る人」は味の素のCMソングに起用された。2012年2月にはセルフタイトルアルバム「COLOR BOTTLE」を発表。竹森の絞り出すような歌声が、多くのロックファンの支持を受けている。

Rake(れいく)

Rake

宮城県仙台市出身・在住のシンガーソングライター。2009年にMONKEY MAJIKやキマグレンのツアーのオープニングアクトを務め、耳の早い音楽ファンの間で話題に。2010年1月にシングル「Fly away」でメジャーデビューを果たし、2011年6月には1stアルバム「First Sight」をリリース。2011年3月にリリースした3rdシングル「100万回の『I love you』」が幅広い層からの支持を受け、現在までに配信で150万ダウンロードを突破する異例のロングヒットを記録する。ライブパフォーマンスにも定評があり、大型フェスやイベントへの出演も多数。現在も仙台市に拠点を置き、ソウルフルな歌声を響かせている。2012年4月からは全国13都市での全国ツアーを開催。