音楽ナタリー Power Push - コドモドラゴン
虎視眈々と高みを目指す
辛口ハヤトの歌詞世界
──歌詞はハヤトさんが1人で書いてるんですよね?
ハヤト そうですね。
──「諦めの良さが取り柄ならいっそ 強がりはやめて潔く消えろ」(「アリア」)など、すごく共感できるけど、普段は口にできないような辛辣なフレーズが多いなと。
チャム あ、伝わってますね(笑)。
ハヤト ブログでそういうことを書くと、俺の人間性が疑われるじゃないですか。歌詞は作品だから、文字数の制限はあるけど、言いたいことが言えるんですよね。ただ、歌詞なんてもんは平凡でいいと思ってる部分もあって、アーティスト風情が何か語ったところで、一般の人には響かないだろうなって。そうだな、「この歌詞が後々、君の人生につながるといいね!」(と親指を立てる)っていう軽い感じです。自分の歌詞が正解だとは言い切れないけど、日々の判断材料の1つにしてくれたらいいかなと。
──ハヤトさんの歌詞は全然平凡だとは思いませんでした。むしろシビアというか、重く受け止めるリスナーも多そうですけどね。
ハヤト いるかもしれないですけど、それは理解力が足りないだけなんじゃないかな。気難しい問題を抱えた“つもり”になってる人とかも、大体そうじゃないですか。なんでも人のせいにするヤツが多すぎるんですよね。「すぐ人のせいにするクセに、人の世話になってるんじゃねえよ!」っていうのが俺の考え方なんで、歌詞にもそういった思いは出てますね。
──ハッキリしてますね、ホントに。「下剋上。」というタイトルはハヤトさんが決めたんですか?
ハヤト 事務所の社長と雑談している中で出てきた言葉です。
チャム そのときにいろんなワードが出てたんですけど、「“下剋上”ってインパクトあるよね」という話になって。
ハヤト 気合い入るじゃないですか。“下剋上”って言ったからにはやらないとなって。最新シングルが「WARUAGAKI」だから流れもいいし、自分たちのケツを叩いてるような感じもありますね。
meN-meN 上のバンドをズバッと!(刀で切る動作をしながら)
──もちろん上昇志向はありますよね?
ハヤト 前は「絶対に売れてやる!」という気持ちが強かったんですけど、今はそれよりも「振り返ったときに、何かを残す」ということが大事じゃないかなと思っていて。あとはちょっとでも世の中を変えたいですね。あまりにもつまらないので。
──フラストレーションが溜まってそうですね。電車に乗るだけでイライラしちゃうなんてことはないですか?
ハヤト いや、そんなことないですよ。居眠りして寄りかかってくる人がいたとしても「俺もそういうときあるしな。がんばれ」と思って支えてますよ(笑)。もちろん横柄なヤツはイヤですけど、ここ数年は穏やかですよ。
華那 メンバーから見ても穏やかになりましたね。体育会系なところは変わらないですけど。
meN-meN スタジオではめっちゃ厳しいですけど、終わったあとは全然違う雰囲気なんで。その差がハッキリしてるんですよね。
ハヤト 仲間ですからね。ビジネスライクな関係とは程遠いと思うからこそ、あえてそっちに寄せることもあるんですよ。「これは仕事なんだぜ」って言わないといけないほど、仲がいいんです。5人でいると楽しいから、それだけで満たされそうになっちゃう(笑)。
ツアー初日にピークを迎えて、ファイナルまで突き進みたい
──最後に7月に行われる全国ツアー「6th Oneman Tour『下剋上。』」に向けて、意気込みを教えてもらえますか?
meN-meN アルバムの曲が中心になると思うのですが、まず曲が難しいので、初日までにどこまで演奏の質を持っていけるかが大事ですね。1本目のライブでツアーの雰囲気が見えることも多いので。
ゆめ 前のツアーから2カ月くらい経ってるから、リセット感が出ないようにしたいです。ツアー中にも成長していけると思うので、いい状態でファイナルを迎えたいですね。
華那 お客さんから「ライブを観るたびにカッコよくなってる」と言ってもらえてるので、それを止めないようにしたいです。
チャム ツアーファイナルは9月5日、約1年ぶりの赤坂BLITZ。この1年は早かったけど、そのぶん濃かったから、そこで得たものを見せたいですね。
ハヤト 新曲が9曲増えたので、新しいステージングになると思います。フロントマンとしてはお客さんとの一体感が欲しいから、それを早めに作りたいなと。初日にピークを持ってきて、毎回それを超えながらファイナルまで突き進んでいきたいですね。
──楽しみです。ちなみにバンド主催のフェスやイベントをやりたいという気持ちはありますか?
ハヤト やりたいけど、もっとうまくなってからですね。楽曲のオリジナリティだったり(ライブで)笑いを取ったりすることには長けてるんですけど、演奏技術はまだ弱いので、勝負するのは早いかなって。地道に積み重ねていけば、もっと技術は身に付くはずだし、そうなったら、化粧をする必要もなくなるかもしれませんね。
- 2ndフルアルバム「下剋上。」 / 2015年7月8日発売 / B.P.RECORDS
- 初回限定盤Atype [CD+DVD] 3780円 / BPRVD-175
- 通常盤Btype [CD] 3240円 / BPRVD-176
CD収録曲
- 砉
- SODOM
- FACE TO FAKE.
- アリア
- 救われない世界
- BLACK STAR
- 【VIper】
- キレイゴト
- ISOLATION(※ボーナストラック)
- WARUAGAKI
- ゲバルト
- halo.
※ボーナストラックは通常盤Btypeのみ収録
初回限定盤Atype DVD収録内容
- 「アリア」ミュージックビデオ / メイキング映像
コドモドラゴン「6th Oneman Tour『下剋上。』」
- 2015年7月10日(金)愛知県 ElectricLadyLand
- 2015年7月12日(日)大阪府 BIGCAT
- 2015年7月14日(火)岡山県 IMAGE
- 2015年7月16日(木)広島県 CAVE-BE
- 2015年7月18日(土)福岡県 DRUM Be-1
- 2015年7月21日(火)高知県 DIME
- 2015年7月23日(木)石川県 Kanazawa AZ
- 2015年7月26日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
- 2015年7月28日(火)群馬県 高崎club FLEEZ
- 2015年7月30日(木)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2015年8月8日(土)北海道 cube garden
- 2015年8月9日(日)北海道 cube garden
- 2015年8月12日(水)青森県 青森Quarter
- 2015年8月15日(土)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
- 2015年8月17日(月)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2015年8月22日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2015年8月23日(日)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
コドモドラゴン「『下剋上。』-Tour Final-」
2015年9月5日(土)東京都 赤坂BLITZ
コドモドラゴン
2010年に結成されたヴィジュアル系バンド。メンバーはハヤト(Vo)、華那(G)、ゆめ(G)、meN-meN(B)、チャム(Dr)の5人。カラフルなビジュアルと、ポップス、プログレ、メタル、ハードコアなどさまざまなジャンルを融合させた楽曲を武器に、全国各地で活動している。2013年6~9月に己龍の47都道府県ツアー「愛 怨 忌 焔」のオープニングアクトに抜擢。同年11月には自身初のワンマンツアー「NEPENTHES.」で全国5カ所を回る。2014年1~4月にRoyzのワンマンツアー「Red Desire『LILIA』」に参加。4月に1stアルバム「Children's Dope.」をリリースし、今作を携えてのワンマンツアーを開催した。その後「【VIper】」「SODOM」「WARUAGAKI」という3枚のシングルを発表する間にワンマンツアーなどを開催したほか、台湾、香港、韓国でのライブに出演するなど活動の幅をアジア圏に広げた。2015年7月に2ndアルバム「下剋上。」を発表。同月より新作のリリースを記念した6度目のワンマンツアーを実施する。