このアルバムを通して2016年の夏を楽しみたい

──今作はコンセプチュアルな1枚だなという印象を受けました。

武井優心（Vo, B）　7月に出るので、夏にガチッとハマるアルバムにしたいと思ったんですよね。去年は9月にアルバム（「Santa Fe」）を出したから、夏のライブは全部昔の曲で構成することになって、なんかスッキリしない感じだったんです。だから今回は「DREAMS」を持ってフェスやいろんな場所でライブをしようっていう目的がありました。

──チェコ流のサマーアルバムということですね。

武井　テーマを夏に絞るのも正直どうなんだ？っていう思いもあるんですよ。夏が終わったら聴けないものになっちゃうんじゃないかっていう。だけど、それくらいでもいいかなと思い直して。このアルバムを通して、2016年の夏を楽しみたいっていう気持ちがありますね。

──曲順はどうやって決めていったんですか？

武井　各々の考えを聞いて、すり合わせていった感じですね。会議したときにかなり意見が割れました。

──そうなんですね。

武井　試行錯誤しました。しかも今作では僕、タカハシ（マイ）、八木（類）の3人がボーカルを取る曲があるから、序盤の曲は僕のボーカル曲にして、チェコを初めて聴く人を自分がある程度引っ張らないといけないと思っていたし……どこに2人のボーカル曲を入れるか、バランスを考えるのが難しかったですね。

やんちゃというか、ヤンキー入ってる

──今作では「Shiny Girl」でタカハシさんが作詞作曲をするという初の試みがありました。

タカハシマイ（Cho, Syn）　もともとは武井さんに「暇なんだったら曲作ってよ」って言われて。本人は冗談だったのかもしれないけど、チェコで演奏したいと思える曲ができたので、いざ聴いてもらったらメンバーからもいい反応をもらって収録することになりました。人が書いた曲は歌いにくいことがあるんですけど、これはメロディもそうですし、キーや言葉も単純に自分が歌いやすい曲っていうことを意識しましたね。

──サビで韻を踏んでいたり、言葉遊びも多い曲ですね。

武井　タカハシさんの歌詞は初めて見ましたけど、すごくタカハシさんっぽいなと思った。「やっちゃいな」だっけ？ 「言っちゃいな」だっけ？

タカハシ　「やっちゃいな」はないでしょ（笑）。それじゃアネゴだよ。

武井　あれは、俺は絶対に言わないもん。だけどタカハシマイが書いたと思うと納得できる。ちょっとやんちゃというか、ヤンキー入ってるというか（笑）。

八木類（G, Syn, Cho）　僕もタカハシさんっぽいなと思いましたね。イメージにぴったり。

──3曲目の「Electric Girl」はタカハシさんがボーカルを取った曲ですね。

武井　この曲を作った頃は新しい機材を買って、自分で音を構築するのにハマってたんですよ。そんな中で自然にできた曲です。ロングトーンのサビが特徴的な曲だったから、これは俺じゃなくてタカハシさんが歌うほうが合うだろうと思って。「For you」っていう、タカハシさんのロングトーンを生かす曲があったんですけど、今回はそれをもっとキャッチーにした感じ。

──周りの反応はどうでしたか？

武井　ライブとかラジオでこの曲が流れたときに、インターネットで「チェコの新曲はEDM」って書かれたんですよ。作った本人としてはシンセポップのつもりなんだけど「え？ EDMなの？」と思って。「曲の途中から鳴り続けるシンセのリフが、みんなが言うところのEDMなのかな？」とは思ったんですけど。

──武井さん的にはしっくりこない？

武井　ちょっとEDMはやめてほしかったなあ（笑）。でもとにかく、「Electric Girl」は自分の中では上手くいった曲です。音も多くないから、1つひとつの音が全部重要で。パズルのピースをはめるようなイメージで作っていきました。