音楽ナタリー Power Push - Czecho No Republic

音楽と一緒に外へ出よう 夏を彩る新作完成

容赦ないじゃないですか、人生って

──武井さんは以前曲を幾つか並行して作っているとおっしゃっていましたが、今回はどうでしたか?

武井 「Dream Beach Sunset」だけ最初にできて、そのあと「BB」「Dreamer」「Electric Girl」は同時進行で作りましたね。

──「エンドロール」は?

武井 先ほどの3曲が完成したあとに作りました。

──「エンドロール」について伺いたいのですが、「嬉しくて 悲しくて でも愛おしくて 苦しくて だけど 今日も生きてるんだ」という歌詞が印象的でした。目の前で起こる出来事をすべて受け入れている感じがして。

武井 この曲は1番の歌詞がすぐに思い付いたんですよ。「選り好みなんてバカみたい」とか「エレファントに乗って」とか。

砂川一黄(G)

──すごくパンチがあるフレーズですよね。

武井 容赦ないじゃないですか、人生って。聴いた人が、その容赦ない感じを美しいと捉えられるようになるような曲を書きたかったんです。「ビッグ・フィッシュ」や「ギルバート・グレイプ」みたいな映画の世界観に憧れて書いた歌詞ですね。ハッピーエンドのようだけど見方によってはバットエンド、みたいな。

──ちなみに武井さんが今回のアルバムで難産だった曲はありますか?

武井 制作時間の最後までやりきりたいという思いがあるので、基本は難産なんですよ。特に「Dream Beach Sunset」はすごく音数が多くてガチャガチャしそうなんですけど、聴こえ方はあくまでタイトにしたいっていう思いがあったから、音量や配置についてとても考えましたね。また制作当時は「もう当分は作曲ができないかな」と落ち込んでいた時期だったので、特に難産でした。

──再び曲が作れるようになったのには、どんな変化があったんですか?

武井 ラテンというか、南国感があって踊れるような曲にしたいと思っていて。どうしたらいいかをずっと悩んでいたんですけど、ある朝にパッとアイデアを思い付いたんですよ。そのまま夜中まで作り続けました。確か曲自体は1日でできたんです。長いこと悶々としてたので、一気に放たれた感じでしたね。

八木さんの歌詞って、絵本を読んでいるよう

──では次は、八木さんが作詞作曲した曲についてお話を伺えれば。6曲目の「ゴッホとジョン」は変則的なテンポが特徴的です。

八木 昔から3拍子と4拍子を行き来するロックの曲って数多くありますよね。The Beatlesの「All You Need Is Love」とか。

──そうですね。

八木類(G, Syn, Cho)

八木 3、4、3、4、3、3みたいな。そういうのがやりたかったんです。全体の雰囲気はゴッホの有名な「星月夜」みたいなイメージで行こうと思って。僕が歌うと渋すぎる感じがしたので、タカハシさんが歌って。ハモりには武井さんが入ったらちょうどいい塩梅になって、このバンドでやるのにピッタリな曲になりました。

──この曲を歌い上げたタカハシさんのスキルはすごいと感じました。

タカハシ これは難しかった……。八木さんの曲はどんどん難しくなって、どんどん進化していってるんですよ。だからメンバーとしてはお尻を叩かれている気分。演奏もそうですし、歌もメロも「無理です!」って言いたくなるくらいの難しさなんだけど、がんばってやっていくうちにだんだん面白くなっていきました。

──かなり努力をしたと。

タカハシ はい。冒頭から絶対に聴かせたいと思ったし、サビではガツンと力強く行かなければいけないので、レコーディングのとき、やけに緊張しちゃって(笑)。あと個人的には「ヘンリー・ジョーと海の城」を聴いたときも、やっぱり八木ワールドは展開や構想がすごいなって思いました。

武井 八木さんの歌詞って、いつも絵本を読んでいるような感覚にさせられるんですよね。

──というと?

武井 絵本ってひらがなの文章が1ページに3行くらいしか載ってなくて、字がとても少ないじゃないですか。八木さんの作る曲は、メロディで絵を見せて、歌詞でちょっと説明しているようなイメージ。なんだか、絵がはっきりと見えてくるんですよ。

タカハシ 八木さんの歌詞は言葉の聴き触りがよくて好きですね。日本語と英語を組み合わせるのがうまくて、日本語も英語に聴こえてくるような感じがするし。

武井 たまに辞書を引かないとわからないような言葉も出てくるね。

タカハシ 正直、意味はあんまりわかってないです!(笑)

八木 タカハシさんは「常夏」って言葉も知らかなったもんね。昨日は「関係」って漢字も読めなかったし。

武井 「かかわりがかり」って言ってたもんね(笑)。

ニューアルバム「DREAMS」2016年7月20日発売 / 日本コロムビア
「DREAMS」
初回限定盤 [CD+DVD] / 3780円 / COZP-1220~1
Amazon.co.jp
通常盤 [DVD] / 3024円 / COCP-39654
Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. Dream Beach Sunset
  2. Forever Dreaming
  3. Electric Girl
  4. Dreamer
  5. BB
  6. ゴッホとジョン
  7. ヘンリー・ジョーと海の城
  8. Blue Holiday
  9. Shiny Girl
  10. パニック
  11. Born Again
  12. エンドロール
初回限定盤DVD収録内容

ミュージックビデオ集

  • For You
  • Firework
  • Fun, Fun, Fun, Fun, Fun
  • Heart Beat
  • Forever Dreaming(Japanese ver.)
  • Forever Dreaming(English ver.)
  • Blue Holiday
  • Born Again
Welcome to the Hotel Flamingo Tour
  • 2016年9月10日(土)東京都 eggman
    ※女性限定ライブ
  • 2016年9月11日(日)東京都 eggman
    ※男性限定ライブ
  • 2016年9月16日(金)北海道 cube garden
  • 2016年9月20日(火)京都府 磔磔
  • 2016年9月23日(金)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2016年9月24日(土)新潟県 NEXS Niigata
  • 2016年10月1日(土)香川県 DIME
  • 2016年10月2日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2016年10月14日(金)石川県 Kanazawa AZ
  • 2016年10月15日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2016年10月16日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
  • 2016年10月28日(金)福岡県 DRUM Be-1
  • 2016年10月29日(土)鹿児島県 SR HALL
  • 2016年11月6日(日)大阪府 BIGCAT
  • 2016年11月12日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)
Czecho No Republic

武井優心(Vo, B)と山崎正太郎(Dr, Cho)を中心に2010年3月に結成。メンバーチェンジを経て、現在は武井、山崎、八木類(G, Syn, Cho)、タカハシマイ(Cho, Syn)、砂川一黄(G)の5人で活動している。2010年11月に初のCD作品「erectionary」をタワーレコード限定でリリース。同作が高い評価を受ける中、2011年10月に初のフルアルバム「Maminka」を発表した。2013年10月に2ndフルアルバム「NEVERLAND」で日本コロムビアよりメジャーデビューし、2014年10~12月にはフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマとして「Oh Yeah!!!!!!!」が全国でオンエアされた。2015年9月に3rdアルバム「Santa Fe」を発表。2016年7月には4thアルバム「DREAMS」を発売した。