ナタリー PowerPush - Czecho No Republic
5人が鳴らすユートピア
3人のプロデューサー
──既発曲の新録を13曲中8曲も入れるというのはメンバーからの要望だったんですか?
武井 いや、これはレーベルサイドからこの曲を入れてほしいというリクエストがあったんです。最初は前の曲を入れるっていっても3曲くらいかなと思ってたんですけど。だから、リアレンジするってなったときにかなり悩んだんですよね。それもあって3人のプロデューサーをつけるという流れも生まれたと思うんですけど。
──それぞれ百戦錬磨のプロデューサーですけど、どう向き合おうと思いましたか?
武井 失礼な話、最初は皆さんがどういう人でどういうふうに関わってくれるのかよくわかってなくて。でも一緒に制作する中で、やっぱり皆さんすげえなって尊敬しましたね。カッコ悪いことはできないなという気持ちも強くなったし、3人のプロデューサーに喜んでほしいと思うようになったんです。いしわたりさんは歌詞の面だけではなく、レコーディングのときも細かいところまで見てくれて、「さっきのBメロのベースどう弾いてる? ミスに聞こえるんだけど」って鋭い指摘をくれたり。アイゴンさんは多くを語るタイプではないんですけど、やたら耳がよくてアドバイスが全部的を射てるんですよね。片寄さんは時間をかけて一緒に曲を作ってくれる感じで。ホントは「ネバーランド」もプロデュースしてもらう予定だったんですけど、片寄さんがレコーディング当日に体調を崩してしまって。でも、「ネバーランド」はレコーディング最後の曲だったし、今まで片寄さんに教えていただいたことを全部試してみますという意識で臨んで。そしたらかなり手応えのある仕上がりになったんで、よかったなって。
──頭2曲の新曲、「ネバーランド」と「MUSIC」でバンドのポジティブなムードが全開になってますよね。決定的な2曲だと思う。
武井 そうですね。曲を作っていた当時は無自覚だったんですけど。「MUSIC」の歌詞はいしわたりさんのOKがなかなか出なかったんですよ。完成まで4カ月くらいかかったのかな? だから、作ってるときはしんどかったんだけど、結果的にバンドの今のムードが出てますね。
一番やるべきことは、お客さんの期待に乗っかっていくこと
──そのほかの新曲では11曲目の「国境」が神秘的かつ壮大なスローナンバーで、異彩を放ってる。
武井 この曲は、アディムが脱退することが決まってすごい不安を抱えている中で作った曲で。僕は精神的にもかなりアディムに寄りかかっていたところがあったから。一緒に悪ノリしてくれる音楽仲間みたいな。それで「ああ、しんどいな」ってなっちゃって。たぶん、怖かったと思うんです。これからバンドを続けられるかなって。でも、いざ曲ができたらバンドをまだまだ続けていくような内容になっていて。
──最初のフレーズが「あぁ ほら まだね 死ねないよ」っていう。そこから広い場所に出ていこうとする決意が描かれてます。
武井 そうそう。曲ができたときに自分でグッときちゃって。で、この5人で今年の1月ごろ合宿に入ってアレンジするときにデモの形を真逆に壊す流れになったんですよ。BPMをがっつり落として、軽やかさをなくして。アレンジ作業が超雪が降った次の日で、自然と北欧っぽい空気にしたいねってなったんですよね。みんなでmumとか聴いてたし。あとはバンドの共通のアイコンとして、Team Meもみんなでよく聴いていて。後半の盛り上がっていく展開はその影響が色濃く出てますね。
──で、アイリッシュトラッドテイストのラスト「エターナル」でバンドの未来を示唆して終わるっていう。結果的に豊かなストーリー性のあるアルバムになりましたね。
武井 そう、結果的にストーリー性が生まれたんですよね。そこは最近気付いたところなんですけど。「ネバーランド」と「エターナル」は言いたいことが同じなんだけど、サウンドのテイストはまったく違うっていう。バンドとしてこういう表現ができたのはホントによかったなって。
──ここからバンドとしてどういう動きをしていきたいと思ってますか?
武井 単純にデッカくなっていきたいんですけど、一番やるべきことは、お客さんの期待に乗っかっていくことなのかなって。そこを裏切ると元も子もないと思うから。音楽的にはずっと同じことをやるつもりはないし、できないと思うので。お客さんを楽しませるためにいろいろ挑戦していきたいと思います。
ツアー情報
- エンジョイ!冬のネバーランドリリースツアー
- 2013年11月22日(金)京都府 京都GROWLY
出演者Czecho No Republic / HAPPY - 2013年11月23日(土・祝)兵庫県 神戸太陽と虎
出演者Czecho No Republic / The Flickers - 2013年11月27日(水)石川県 金沢vanvanV4
出演者Czecho No Republic / キュウソネコカミ / Kidori Kidori - 2013年11月29日(金)広島県 広島ナミキジャンクション
出演者Czecho No Republic / SAKANAMON - 2013年12月1日(日)福岡県 福岡Queblick
出演者Czecho No Republic / SAKANAMON - 2013年12月7日(土)長野県 松本ALECX
出演者Czecho No Republic / THE NOVEMBERS - 2013年12月11日(水)北海道 札幌COLONY
出演者Czecho No Republic(※ワンマン) - 2013年12月13日(金)宮城県 仙台PARK SQUARE
出演者Czecho No Republic(※ワンマン) - 2013年12月16日(月)新潟県 新潟CLUB RIVERST
出演者Czecho No Republic / THE NOVEMBERS - 2014年1月17日(金)愛知県 名古屋APOLLO THEATER
出演者Czecho No Republic(※ワンマン) - 2014年1月18日(土)大阪府 umeda AKASO
出演者Czecho No Republic(※ワンマン) - 2014年2月2日(日)東京都 LIQUIDROOM ebisu
出演者Czecho No Republic(※ワンマン)
収録曲
- ネバーランド
- MUSIC
- Call Her
- レインボー
- Don't Cry, Forest Boy
- 1人のワルツ
- リッパー
- 絵本の庭
- 幽霊船
- ダイナソー
- 国境
- ショートバケーション
- エターナル
Czecho No Republic(ちぇこのーりぱぶりっく)
武井優心(Vo, B)、山崎正太郎(Dr, Cho)の2人を中心に2010年3月結成。その後吉田アディム(G, Syn, Cho)、八木類(G, Syn, Cho)を加えた4人編成となり、2010年11月に初のCD作品「erectionary」をタワーレコード限定でリリースする。同作が高い評価を受ける中、2011年10月に初のフルアルバム「Maminka」を発表。2012年8月に吉田がバンドを脱退し、2013年1月にサポートメンバーだったタカハシマイ(Cho, Syn, G, Per)、砂川一黄(G, Cho)が正式メンバーとして加入した。同年10月30日、2ndフルアルバム「NEVERLAND」で日本コロムビアよりメジャーデビューを果たす。