「Coming Next Artists」#17 山﨑彩音|ジャニーズに入りたかった女の子が、史上最年少フジロック出演を果たすまで

ピエール中野

パーソナリティ
ピエール中野

「Coming Next Artists」第17回に登場するのは、昨年の「FUJI ROCK FESTIVAL」にシンガーソングライター史上最年少で出演した、現在18歳の山﨑彩音。アコースティックギターを静かに奏でながらフォーキーな楽曲を情感たっぷりに歌う彼女の姿は、どこか神秘的なオーラすら感じさせる。今回はそんなイメージとは違った彼女の意外な素顔に、ピエール中野(凛として時雨)が迫った。

取材 / ピエール中野 文 / 橋本尚平 撮影 / 星野耕作

Coming Next Artists #17

山﨑彩音(ヤマザキアヤネ)
山﨑彩音
1999年1月26日生まれ、神奈川県湘南出身のシンガーソングライター。15歳から東京と神奈川のライブハウスでライブ活動を開始し、16歳のときに初の音源である「Yer」をライブ会場と通信販売のみで発表する。2016年に仲井戸“CHABO”麗市、GLIM SPANKYのオープニングアクトを務め、シンガーソングライター史上最年少で「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演。2017年4月にフォーライフソングスからミニアルバム「キキ」をリリース。同年夏には「New Acoustic Camp 2017」「中津川THE SOLAR BUDOKAN 2017」といった大型イベントに出演しており、12月31日にはニッポン放送の年末特番「ニッポン放送イヤーエンドスペシャル Words Town Radio~音楽の街」にてパーソナリティを担当することが決定している。

ジャニーズが一番すごいと思う

──意外だと思ったのですが、ジャニーズが好きなんですよね? ギターを始めたきっかけがジャニーズだって聞きましたけど。

左から山﨑彩音、ピエール中野。

ホントにそうなんです(笑)。関ジャニ∞に入りたくてギターを始めたんです。「学校へ行こう!」が好きだったので、初めて好きになったアイドルがV6の森田剛さんで。

──「学校へ行こう!」を観てたのは何歳くらいのとき?

小学校低学年ですかね。

──で、バンドも好きなんですよね。

はい。昨日はドレスコーズを観に行ったし、おとといはThe Birthdayを観に行ったし。

──彩音さんが今やってる音楽ってアコースティックだし、リスナーに寄り添ってくれると言うか、1人しゃべりのラジオを聴いてるみたいな感じなんです。ジャニーズとかロックンロールの表現とは違うように感じるんですよ。

それがなんか自分でも不思議で(笑)。

──ジャニーズのどんなところが好きなんですか?

私、あらゆるエンタテインメントの中でジャニーズが一番すごいと思ってて。もちろんグループによっていろいろ違うんですけど。落ち込んだときとか本当につらいときでも、観るだけで「キャー!」ってなれるってすごくないですか?

──すごいですよ。V系とかLDHもそういうところがありますけど、アイドルとかスターみたいな手の届かない存在って元気にさせられますよね。でも、そこに憧れるんであれば例えば「アイドルになろう」っていうのも1つ選択肢だったと思うんですよ。なんでシンガーソングライターなんですか?

アイドルになりたかったのかもしれないですね、わかんないけど(笑)。関ジャニ∞に入りたくてギターを弾こうと思ったのに、実際に始めたらそうじゃない方向に行ってしまったんです。

──なるほど。楽器に導かれていったと言うか、楽器を手にしたことによって新しい扉が開いたんでしょうね。そこでバンドをやるという選択肢もあったと思うんですが。

だから軽音部みたいなのに入ってがんばってたんですよ。でもなんか、思うようにいかなかったと言うか(笑)。

──そのときやってたのはどんなバンドだったんですか?

神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ」をやろうって言ってバンドを組んだんですけど、みんなまずかまってちゃんを知らなかったから、ちょっと温度差を感じて。だから「1人でもいっか」と思って、中3のときに初めて人前で弾き語りをしました。

──自分からライブハウスに出演交渉をしに行ったんですか?

なんか、「1人でも出れますか?」って聞いたら「どうぞ」みたいな感じだったので。それで自分が好きなバンドの歌を毎月2回くらいライブハウスで歌ってました。それから高1の終わりくらいに自分で曲を作り始めたら、やっぱりいろんな人に聴いてもらいたいなって思いが強くなったんで、歌ってる動画とかを上げ始めるようになったんです。

「今の状況は当たり前じゃないから、感謝してがんばりなさい」

山﨑彩音

──僕が知り得た情報によると、そこからがトントン拍子なんです。「FUJI ROCK FESTIVAL」に出たりとか。そのスピード感って普通に考えたら異常ですよ。

そうですよね。高2の春くらいに今のマネージャーさんに出会ったんです。地元から出て東京で初めてライブするようになった頃で。忌野清志郎さんがすごく好きなので当時上映してた映画を観に行って、パンフレットを買ったら今のマネージャーさんが載ってたんです。とりあえずTwitterでフォローしてみたら、当時の私のアイコンが歌ってる写真だったんで、アップしてた動画で曲を聴いてくれたみたいで連絡をくれて。最初は怪しくて怖いなあと思ってたので、友達に「私と連絡取れなくなったら通報しといて」って伝えてました(笑)。で、そこから想像もしていなかったほうにどんどん行って。

──例えば?

マネージャーさんと出会ってすぐに、GLIM SPANKYとかTHE BOHEMIANS、ザ50回転ズとかが出た新宿LOFTのライブのオープニングアクトとかでやらせてもらったりとか。

──それはものすごくいいブッキングをしてもらいましたね。そのときのお客さんの反応はどうでした?

左から山﨑彩音、ピエール中野。

「誰だ、コイツ」って感じ(笑)。私はすごい楽しかったから関係なくやったんですけど。そのときGLIM SPANKYの(松尾)レミさんに楽屋でいろいろ話していただいたんです。「今の状況は当たり前じゃないから、感謝してがんばりなさい」みたいに言ってもらって、「はい!」みたいな。

──「今の状況は当たり前じゃないぞ」っていうのは、たぶん周りの人みんな思ってたことだと思いますよ(笑)。

いやいや、当たり前なんて思ってないですよ!

──ホントですか? 僕が彩音さんと同じような年齢で、そんな状況用意されたら思っちゃいますよ。「別にそんなこと言われてもわかんねえなあ」って(笑)。

そうですか(笑)。

山﨑彩音「キキ」
2017年4月26日発売 / フォーライフソングス
山﨑彩音「キキ」

[CD]
1200円 / FSCT-1005

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TOWER RECORDS

ローチケHMV

収録曲
  1. プレゼント
  2. キキ
  3. La mer