- パーソナリティ
- 菅野結以
「Coming Next Artists」第19回には2016年にUNIVERSAL SIGMAからメジャーデビューし、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進するヤバイTシャツ屋さんが登場。ファン待望の2ndフルアルバム「Galaxy of the Tank-top」をリリースしたばかりの彼らに菅野結以がインタビューを実施した。今回のインタビューは作品にまつわるものではなく、彼らの生い立ちや音楽遍歴について追うものに。「メンバー全員が音楽一家で育った」「ミュージシャンを生業にするつもりはなかった」「実はヤバイTシャツ屋さん0期生がいる」など、ヤバTメンバーの知られざるパーソナルな部分やバンドの成り立ちに迫る。
取材 / 菅野結以 文 / 清本千尋 撮影 / 後藤壮太郎
- ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
- こやまたくや(G, Vo)、しばたありぼぼ(B, Vo)、もりもりもと(Dr, Cho)からなる男女ツインボーカルのスリーピースバンド。2013年10月に大阪芸術大学に通っていた3人により結成された。2015年に本格的に活動を開始し、「SUMMER SONIC 2015」の企画「出れんの!?サマソニ!?2015」では投票数が963組中2位という結果により出演権を獲得。ダイノジ大谷ノブ彦賞を受賞した。2016年は「VIVA LA ROCK 2016」を皮切りに多くのイベントに出演。王道のメロコアサウンドと秀逸なリリックがロックファンのハートをつかみ、ロックフェスやサーキットイベントでライブをした際には入場規制を連発させた。11月にフルアルバム「We love Tank-top」をユニバーサルミュージック内のレーベルUNIVERSAL SIGMAよりリリースし、メジャーデビュー。2017年4月にシングル「どうぶつえんツアー」をリリースし、5月にはワンマンツアー「“どうぶつえんツアー”ツアー 2017 ~ワンマン~」を開催。東京・新木場STUDIO COASTで行われた追加公演を含め、全公演のチケットをソールドアウトさせた。春~夏にかけては16の音楽フェスに出場。9月にはロッテ「キシリトールガム」の発売20周年記念プロジェクトのために書き下ろした楽曲「とりあえず噛む」などを収録したシングル「パイナップルせんぱい」と、新木場STUDIO COAST公演の模様を収めた初の映像作品「Tank-top of the DVD」を同時リリースし、シングルはオリコン週間シングルランキングで2位、DVDは3位を獲得した。2018年1月に2ndフルアルバム「Galaxy of the Tank-top」を発表。対バンを迎えたツアーを2カ月かけて行ったのち、追加公演として3月に東名阪のZeppでワンマンライブを実施する。
元サッカー少年もりもりもと、トランペッター転向でいじめに遭う
──今日のインタビューは作品にまつわるものではなく、ヤバTがどんなバンドなのかを改めて音楽ナタリー読者に伝えるために行うものになります。さっそくですが、音楽遍歴を交えながら1人ひとりの生い立ちをお話していただけますでしょうか。
こやまたくや(G, Vo) お! 新しいタイプだ!
しばたありぼぼ(B, Vo) え! ガチの生い立ち?
──はい。ファンの方も知らない過去をここで明かしてもらいたいなと思っています。もりもりもとさんからお願いできますか?
もりもりもと(Dr, Cho) 僕はメンバーの中で唯一関西出身者じゃないんです。生まれは静岡県浜松市。
しばた うなぎがおいしいところな!
もりもと そう。うなぎがおいしい浜松です。浜松は音楽の街と言われてまして、YAMAHAの工場やKAWAIピアノの本社があるんです。YAMAHAの音楽教室に姉が通っていて、それに僕も一緒に付いていくことが多かったので0歳の頃から音楽に触れていました。
──そうだったんですか。
もりもと 幼少期はずっと姉と一緒にYAMAHAの音楽教室に通っていましたね。そこでドラムも少し触らせてもらって。そのあとサッカーを始めて、しばらくは音楽とサッカーを両立していました。中学に入ってサッカーをやめて、吹奏楽部に入ってそこから音楽1本になりました。
──なんでサッカーをやめたんですか?
もりもと サッカーは大好きだったんですけど、小学校の友達がみんなサッカー部に入っていくのを見て、思春期の自分はなんか嫌だったんですよね。それで中学ではみんなと違うことをしようと思って、当時男子部員0人の吹奏楽部に体験入部して。そこでトランペットを吹いたらすごく楽しくて「俺はこの環境でやっていく」って思ったんですよね(笑)。でも周りから「お前、女好きなんだろ? サッカー好きだったじゃん今まで。なんで吹奏楽部なんて入ってんの?」っていじめられました。学年単位で。
しばた ひっ! めちゃくちゃこわいやん!
もりもと 吹奏楽部に男子部員が入ることがうちの学校だと事件だったんですよ。だけど小さい頃からずっと音楽をやっていたし、やめたら負けだなと思って3年間がんばりました。本当はドラムがよかったんですけど、入部当初ドラムセットがなくて最初に決めたパートから変えることはできなかったので3年間ずっとトランペット。でも僕が2年生になる代でうちの吹奏楽部がドラムセットを買うという。タイミングが悪かったですね(笑)。
洋楽大好き、ルーツはダイノジ
──幼少期はYAMAHAの音楽教室で習っていたとさっきおっしゃっていましたが、またドラムをやるようになったのはいつ頃なんですか?
もりもと ドラムをちゃんとやり始めたのは高校の軽音楽部からですね。
──当時はどんな音楽を聴いてたんですか?
もりもと 僕は中学生くらいからちゃんと音楽を聴くようになったんですけど、その頃から高校生ぐらいまでずっと洋楽ばっかり聴いていたんですよ。きっかけはダイノジさんのエアギターで使われていたJetの「Are You Gonna Be My Girl」っていう曲です。ダイノジさんのエアギター動画を観て「あ、外国人の音楽ってカッコいいんだ」っていうのに気付いて、洋楽を聴くようになって。1980~90年あたりのアメリカのハードロックがずっと好きですね。
──ダイノジさんがきっかけで洋楽に目覚めた人、初めて会いました。
もりもと あはは(笑)。そうですよね。で、ヤバイTシャツ屋さんで2015年に「SUMMER SONIC」のオーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」に出演したんですよ。そしたらダイノジさんが賞をくださって。ダイノジさんは僕らを気に入ってくれて、イベントに呼んでくれたり、いろんな人に薦めてくれたりして。僕個人としてもちょっと報われたと言うか。
──高校生までは洋楽信者で、今のようなメロコア路線の音楽をやるようになったのは大学に入ってから?
もりもと そうですね。大学のサークルに入るまでは完全に洋楽至上主義者でした。でも入ったサークルは邦楽ロックのコピーバンドが多くて、10-FEETをコピーすることになって。それをきっかけに邦楽ロックを聴くようになって、今では大好きです。
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帰国子女しばたありぼぼ、“グランマ”発言で登園拒否
- ヤバイTシャツ屋さん「Galaxy of the Tank-top」
- 2018年1月10日発売 / UNIVERSAL SIGMA / BADASS
- CD収録曲
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- Tank-top in your heart
- ヤバみ
- DANCE ON TANSU
- 眠いオブザイヤー受賞
- 気をつけなはれや
- Universal Serial Bus
- ハッピーウェディング前ソング
- ドローン買ったのに
- ベストジーニスト賞
- メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
- とりあえず噛む
- サークルバンドに光を
- 肩 have a good day -2018 ver.-
- 初回限定盤DVD収録内容
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「ヤバイTシャツ屋さんのたのしいフェス映像集2016-2017」
- あつまれ!パーティーピーポー(2016.12.28 COUNTDOWN JAPAN 16/17)
- ウェイウェイ大学生(2017.4.30 ARABAKI ROCK FEST. 17)
- ネコ飼いたい(2017.4.30 ARABAKI ROCK FEST. 17)
- スプラッピ スプラッパ(2017.5.5 VIVA LA ROCK 2017)
- 無線LANばり便利(2017.6.4 百万石音楽祭2017)
- Tank-top of the world(2017.7.7 京都大作戦2017)
- メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲(2017.8.26 SWEET LOVE SHOWER 2017)
- L・O・V・E タオル(2017.8.26 SWEET LOVE SHOWER 2017)
- 喜志駅周辺なんもない(2017.8.12 ROCK IN JAPAN FES. 2017)
- ヤバみ(2017.8.12 ROCK IN JAPAN FES. 2017)
特典映像:メンバーによるおもしろ実況解説