音楽ナタリー PowerPush - Chu-Z×YOHEY(PaniCrew)
振りかざせボンバスティック! メジャーへの勝負の一撃
がんばってかわいらしく踊ろうとしていた
──メンバーの中でもKAEDEさんのラップはかなり異彩を放っているなと。
YOHEY 最初はラップをやらせるつもりはなかったんですけどね。でもでんでん(KAEDE)はかわいらしい曲が続いたときに完全に心折れてきてるなって、見てて感じて(笑)。
KAEDE あはははは(笑)。
──抵抗ありましたか。
KAEDE ありましたね。まあでもアイドルだしかわいらしい曲が続くのは仕方ないかなって思ってやってたんですけど、死んだような目をしながらフリーで踊ってたりして(笑)。
一同 あはははは(笑)。
──これはなんか違うぞ、という感じで?
KAEDE 踊りながらも違和感しかなくて。お客さんも今まで見たことないような人ばかりで「こういう世界もあるんだ」って。
──ダンスをやってた頃の世界と比べても異質な空間だったんですね。
KAEDE そうなんです。だからかわいらしい振り付けをしても「こういうのがお客さんにとってはいいんだ」って思いながら、がんばってかわいらしく踊ろうとしてました。
あすか でも私たちもアイドルの現場っていうものを最初は知らなかったんですよ。実際、最初の頃は皆さんが好むかわいらしい方向でやってましたし。
──お客さんが望むような形を見せていたと。
あすか そうですね。私たちも自分がなんなのか考えずに、とりあえず「かわいらしくやったほうがいい」って思ってて。それが昔のChu-Zだったんですけど、だんだんと「そういうのじゃないよね、私たちは」って気付いたんです。
──ターニングポイントがあって、そこから今のChu-Zに変化していったんですね。
あすか でんでんがラップを始めたくらいからChu-Zのスタイルが固まっていきました。私たちはこういうスタイルが合ってるし、周りに合わせる必要はないなって。それがわかってからはファンの人もたくさん付いてきてくれるようになりました。
YOHEY でんでんがラップやりたいって言い出したとき、Chu-Zとは別にゆうきくんたちとユニットを組んでいろんなライブに出ることにしたんです。やっぱりラップって本物に触れ合う機会を作って伸ばしていかないとダメで。そうしたらやっぱりでんでんが期待通りに成長していったんです。自分も10何年ラップをずっとやってきましたけど、彼女の成長のスピードはすごくて、これは期待できるなと。
ファンの期待をいい意味で裏切る
──そうやって個性をどんどん出していって今のChu-Zがあると。YOHEYさんも探り探りやってきたという感じですかね。
YOHEY 最初の頃はマジで何も見えてなかったですからね。だけどそんなことをメンバーに言えないじゃないですか。「いや、俺も見えてないから」って(笑)。
──メンバーはYOHEYさんを信じていくしかないですもんね。
LUNA はい。本当に、黙って付いていくしかなかったです。
YOHEY メンバーには「がんばってアカンかったら、もうええよ。そのときは笑ったらええ」って言ってたんですけど、俺は絶対に結果出さないとアカンって思ってました。だから曲を出すときもスタッフとすごい話し込んで作ってましたし、2年以内にメジャーデビューするっていうロードマップを考えてやっていかないとこの子たちがダメになると思ったので。言い方が悪いかもしれませんけど、いわゆる地下アイドルとして染まってしまう前にメジャーに上げないとダメだって思って、当時としてはけっこう博打も打ちました。
──集客がまだそれほどでもない時期に、どんなことをやったんでしょうか?
YOHEY TSUTAYA O-WESTやO-EASTでワンマンライブをやったんですけど、おっしゃる通り、これまでのライブから考えるにまだ全然集客が追い付いてない時期でした。だから誰も埋まるなんて想像してなかったと思うんですけど、どちらも結果として超満員になって。そしてたくさんの方が集まったO-EASTでは、メジャーデビューを発表することができて本当によかったです。
──皆さん、そこまでがんばってきた思いが爆発した瞬間だと思いますが。
YOHEY 「うわあ、来た!」って感じでしたね。本当に奇跡を起こしたっていう思いが強かった。Chu-Zとしては楽曲の方向性でかわいらしい曲からカッコいい曲に変わっていったときにけっこうファンの人からもダメ出しをいただいたりして悩んだこともありました。だけど、結果として今のChu-Zのスタイルに共感してくれる人がこれだけ集まってくれたんだって思って。ファンの期待っていうのはいい意味で裏切ることも大事なんだなって思うし、そんなに媚びすぎずやってきたから今があるのかなと。じゃないと、今のアイドル業界って似たようなグループばっかりになってしまう。ファンが盛り上がる曲、ファンが求める曲、ダンスも似たような振りばかりでね。
──楽曲の傾向って似てきちゃいますよね。
YOHEY ファンの人に音楽のことを説いたり、振り付けのことを説明したってね、やっぱり本質のところを理解するのは難しいと思うんですよ。それにアイドルって今、ほとんど握手会とかができなきゃ売れないっていうのがあるじゃないですか。もちろん全部が全部そうではないですけど、最終的には「接触」が一番大事で「楽曲」「振り」は二の次っていうのが今のアイドル業界。そこをChu-Zでは打破していきたいんです。
──軽んじられてる「楽曲」や「振り」の部分を上に持っていきたいと?
YOHEY Chu-Zの楽曲は評価もされているし、彼女たちのパフォーマンス含めてそういうところからどんどん広まっていってほしいなと。
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- Chu-Z メジャー1stシングル「ボンバスティック!」/ 2014年10月1日発売 / 日本コロムビア
- Type-A [CD+DVD] 1700円 / COZA-966~7
- Type-B [CD] 1300円 / COCA-16917
- Type-C [CD] 1300円 / COCA-16918
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Type-A 収録内容
CD収録曲
- ボンバスティック!
- Direct to U
- ボンバスティック! (instrumental)
- Direct to U (instrumental)
DVD収録内容
- 「ボンバスティック!」Music Video & Making Clip
Type-B CD収録曲
- ボンバスティック!
- Direct to U
- おねがいスコール / Sun-Chu♡(あすか、KANA、ミク)
Type-C CD収録曲
- ボンバスティック!
- Direct to U
- iya iya iya / Bling Bling Princess(麻衣愛、LUNA、KAEDE)
ミュージック・コネクティングカード ※ライブ会場限定
- ボンバスティック!
- Chu-Z My Live2014
~Chu-Z トレイン品川ステラボールに停車Chu♡~ - 2014年10月5日(日)東京都 ステラボール
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Chu-Z(チューズ)
麻衣愛、あすか、LUNA、KANA、ミク、KAEDEからなる6人組ユニット。PaniCrewのYOHEYプロデュースのもと2012年より活動を開始する。活動当初はアイドル路線で楽曲もキュートさを押し出したものが多かったが、2013年2月にリリースされた「Chu-Z My Life」を皮切りにアーティスト路線に軌道を変え、アイドルファンのみならず音楽ファンからも評価を得ている。2014年7月に日本コロムビアより1stアルバム「Chu-Z My Music」をリリースしメジャーデビュー。同年10月にメジャー1stシングル「ボンバスティック!」を発表する。
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YOHEY(ヨウヘイ)
1998年にPaniCrewのメンバーとしてデビュー。本名は佐々木洋平で、グループ内ではラップを担当する。2003年にはPaniCrew内のメンバーでユニット「P-Rhythm」(プリズム)を結成しシングルをリリース。その後、中島愛や板野友美などの振り付けを担当し、2012年よりChu-Zのプロデューサーを務める。